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死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第五章

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59話 対策会議

今日は早めに投稿できました~

いつも夜遅くてすいません。

 先ほどまであった違和感が突然消えた。無いに越したことはないが、確かに先ほどまではあってはならないような何かを感じ取っていた。

 誰かが止めたかのようにスッと消えたが、それが逆に優斗の不安を募らせる。

 違和感がなんだったのかと考えていると、見張りの戦闘員が会議室に入ってきた。

 「リーダーが帰還されました」

 「了解。これで戦いに備えられそうだね」

 サラディンが呟く。サラディン曰く、今回の任務は剛力が必ずしも帰還するとは限らなかったらしい。だが、全員で乗り込むにはリスクが大きく、戦闘員を送るだけでは調査は不可能と言えるだろう。

 だからこそ、調査を少しでも進めるために、戦力として剛力が乗り込んだのだ。一騎当千と言えるほど、剛力は単体での能力ならば圧倒的な力を誇る。敵の数が多かろうと、彼の衝撃波の前では意味がない。

 調査に向かったのは合計六名。そのうち二人が生還したが、残りの四人は死んでしまった。

 何が辛いかと聞かれれば、健仁のことだ。自分がこの世界に連れてきた人間が、デードガーディアンズの任務で命を落としたのだ。罪悪感を感じないわけがないだろう。

 だが、それはそれであって、今気にするべきことではない。悲しむのは、すべてを終えた後と決めているからだ。

 剛力が会議室に入ってきた。彼は席につくと、辺りを見回す。

 「京也君はどこかな? 姿が見当たらないが」

 剛力が疑問を口にすると、サラディンが答える。

 「リーダーが調査に向かった後、それを追うように出ていってしまいました。見かけませんでしたか?」

 「いや、見ていないよ。何もなければいいが」

 剛力が見ていないとなると、どこにいるか見当がつかない。サラディンは京也の心配をすると同時に戦力の減少を嘆く。

 「仕方ないね。今は居る者だけで話を進めるとしよう」

 剛力がもう一度辺りを見回してから、サラディンから資料を受けとる。優斗たちもそれを受け取り、一通り目を通しておく。

 剛力は、資料を読み終えるとそれを机の上に置いた。そして、多少考えるそぶりを見せてから口を開く。

 「今の状況を考えると、残念だが、勝てる見込みは薄いだろう」

 皆も予想していたのか、表情を崩さない。

 剛力は続ける。

 「実際に戦ってみてわかったが、藤堂自身の能力は相当なものだ。私では、避けるのが限界だ」

 資料を読んだために藤堂の能力は把握できたが、それが逆に圧倒的な実力差を皆に叩きつける。

 「情報を手に入れることは出来た。これを踏まえた上でどう戦うか。誰か意見のある者はいないかな?」

 剛力が尋ねると、皆が作戦を考え始める。意外にも、アイカが真っ先に手を挙げた。

 「アイカ君の意見は何かな?」

 「全員で藤堂一人を攻撃すれば、一発くらいはあたると思います!」

 アイカの意見を聞くと、サラディンがやれやれとジェスチャーで表す。

 「アイカさんの意見もあながち間違ってはいない。けれど、効率的ではないかな」

 サラディンに指摘をされて、アイカは肩を落とす。すると、次は奏が手を挙げた。

 「奏君の意見は何かな?」

 「相手の意表をつくために、罠を作ってみたらどうですか?」

 「罠か、確かに有効な手だ。問題は、どのような罠を仕掛けるかだね」

 剛力に言われ、奏は少し考える。

 「何か……そう! 相手の能力を封じたり、閉じ込められるような罠はどうですか?」

 「藤堂の能力を封じるほどの罠を仕掛けるには、戦力が不足している。出来たとして、一時的だろう」

 やはり、戦力不足は痛い。京也がいない以上自分達でやるしかないのだが、戦力が不足しているために行動が限られてしまう。

 「恐れるべきはあの結界だ。発動範囲は未知数だが、少なくとも内側からは出ることは出来ない」

 それを聞いて、優斗が手を挙げた。

 「なら、藤堂の攻撃をかわせる実力を持っている人を前に出して、結界が張られたときに、以前の戦いの時のように外側から破壊すればどうですか?」

 「それが最善かもしれないね。問題は、どれだけの範囲にその結界を張ることが出来るかだ」

 その点で詰まってしまう。範囲がわからない以上、どこに待機をさせればいいか。近すぎては巻き込まれてしまい、遠すぎれば対応が遅れてしまう。

 皆が頭を悩ませていると、再びアイカが手を挙げる。今度は自信があるようで、笑みを浮かべている。

 「結界なら、あたしの能力で上書きをすればどうですか?」

 「上書き? 詳しく聞かせてもらえないかな」

 剛力が興味を示したことが嬉しいらしく、胸を張って話し出した。

 「あたしの能力は結界。それに関しては、藤堂には負けないほどの技術と能力はあります。前に敵の戦闘員を捕獲しようとしたときに見たときは、上書きをしようと思えば出来るレベルでした」

 「なるほど、それは心強いね。君が上書きした場合、結界の能力はどうなるのかな?」

 「味方の能力上昇と同時に、上書き前の結界の能力も私が使えます!」

 アイカは決め台詞を言ったかのようにポーズをとる。

 「藤堂の結界の能力は攻撃や防御も備わっている。確かに、これならばいけるかもしれないね。サラディン。君はどうかな?」

 「僕も賛成です。アイカさんの能力はかなり有効ですし、藤堂の焦りも誘えそうです」

 剛力が皆の表情を見回してから、頷く。

 「主戦法はこれで決まりだ。あとの細かいことは私とサラディンで考えておく」

 会議が終わる。優斗は自室に戻ると、色々と考え事をする。

 違和感の正体は、優斗がこの世界に来るときに感じた寒気に近かった。が、それが拒否拒否されたかのように簡単に消えてしまった。

 あのときは、自分の中の何かが改変されたかのような不快な感じがした。それによってこの世界に来たと考えると、何者かが自分達に干渉をしているのではないかと不安に駆られる。

 干渉を出来るほどの存在とは一体何なのだろうか。神か、創造主か。何にせよ、次元が違いすぎて抗いようが無い相手だ。

 不安要素が多いが、今は藤堂の対策に専念しなければならない。優斗はなおも思考を続ける。


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