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AIが運営するVRMMO  作者: ケイ
15/19

タイムアタック後

AIオンライン バージョン1.0

・次回より、大型アップデート『世界を観光して経験値ゲット』期間限定イベントを開催します。ぜひともこの機会にご参加ください。


――――――――――――――――――――――――――――――


「すごい!すごいよヒカリさん!」


「いったいどうやったら5分台なんてとれるんだ!?」


「相方はどこにいるの!?もしかして新職業なの!?」


あのダンジョンをクリアしてすぐのことだ。もしかしたらランキングに職業が載ってしまうかもしれないとコバトに言うとコバトはなんのことだか、青い顔をしてゾンビはいやだ。ゾンビに埋もれるのはいやだと頭を抱え地面を転げまわり始めた。


しかしなんという幸運か実際にその表示を見て私とコバトは安堵のため息をついた。


メニュー画面の周囲への情報公開設定がそのままランキングに反映されるらしく…。


『タイムアタックダンジョンクリアおめでとうございます!ただ今のタイムは5分4秒です!ランキング1位にランクインしました!1位の記録はヒカリ様 弓使いと   様   による5分4秒です』


こんな感じに無事コバトの正体はバレずにすんだのだ。


しかしわらわらとプレイヤーがダンジョン前…つまり私達のもとへ集まってしまった。


一応これでも弓使いのギルドマスターだ。


色々と質問をされて顔見知りも多く、攻略サイトには私のキャラクターネームまで載っている始末である。


私の顔を見れば多くの人がこのランキングに記載されている弓使いのヒカリだとすぐに分かるだろう。


そして、今この場を見られたら私の横に立っているというだけである程度の想像はできてしまうことだろう。


何せ今まで8分台がギリギリであった記録を大幅に塗り替え5分台でクリアしたのだ。


それも足の遅い弓使いを相方にして…十中八九新職業であるという疑いがかかるのは当然のことだろう。


なのでコバトはもう私の隣にはいない。


このことを伝え、後は任せてここから離れるように言った。

彼が自分の職業を隠したいことは私も知っているからだ。

自分も視界がフレンド申請やら個人チャットやらで埋め尽くされたあの光景を思い出すとその気持ちもわからんではないと思った。


コバトは申し訳なさそうに謝罪の言葉を告げると街の方角へ向けて去っていった。


「ねぇ、ねぇ!話聞いてるの?」


大勢のプレイヤーに質問攻めされるなか。

知り合いの弓使いが私に声をかけてきた。


「でへへ…」


「あ、これダメなやつだ…みんなー!ヒカリちゃんこうなるとしばらく戻ってこないからかいさーん!」


「ぬへへ…」


私はその時、プレイヤー達の言葉が耳にはいってこなかった。


それも仕方ないことだろう。


『すごい楽しかったな!よかったらまた遊びにいこうぜ!』


視界の先にはメニュー画面のフレンドキャラクター一覧が開かれ、先程登録されたばかりのコバトという文字を見ていたからである。



――――――――――――――――――――――――――――


「くそっ…ふざけやがって…あんな5分台なんてふざけたタイム相方のおかげに決まってるだろ!」


「はいはい、じゃあそのヒカリってやつをこのPvエリア(対人戦可能区域)に呼び出してボコボコにすりゃいいんだな?」


「いきなり呼び出してなんだと思ったらそんなことかよ」


ヴァルハラから西へ進んだ先の先、レベルの低いうちはこの場所に来るまでにモンスターにやられてしまうであろうほどの奥地。

朝も昼も太陽の光を浴びることのない薄暗い森があった。

そしてそんな森に三人はいた。

いずれも高レベルの騎士であり、同時期に騎士という職業に就いたフレンド同士である。


そんな三人が何故かこのような場所にいるのか。それには理由があった。


本来プレイヤー同士でダメージを与えることはできない仕様になっており仮に刃を相手に向けてもHPゲージはピクリとも消費されない。だが、例外は存在する。

この暗い森は森全体がこの世界で数ヶ所存在するプレイヤー同士での戦闘を可能にする特殊な空間になっていた。


ゆえにこの森ではプレイヤー同士での戦闘が可能になり、高レベルのプレイヤー同士での腕比べが可能である。


だが、まだ対人戦よりもレベリングを優先するプレイヤーが多く、実際この森に人気は彼らしかいなかった。


「いいからやるぞ!あいつの弓は脅威だが、こう遮蔽物の多い森ならいくらでもやり方はある」


「まぁ、木を盾にしていくらでも接近できるしな」


「弓使いなら防御力も低そうだしな…」


「なるほどなぁ。でもどうやって呼び出すつもりだったんだ?」


「バカやろう!それを今から考えるんだよ!」


「アホだなおい!そもそも三人がかりとか卑怯だと思わんのか?」


「バカいえ。これだけ俺のことをバカにされて黙ってられっかよ!ギルドマスターのフブキさんに一緒にダンジョンに行ってくれるよう頼むのにどれだけ苦労したと…おい、さっきのやつは誰だ?」


「俺じゃないぞ?」


「俺もだ…」


三人がゆっくり同時に後ろを向くと…。


「―――やぁ、少しお話ししないか?」


外套に身を包んだ顔の見えない男が1人、そこに立っていたのだった。


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