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プロローグ
コックピットの計器が静かな電子音を響かせる。
計器盤に貼り付けた幼い娘と妻の写真を見ながら、俺はふと思った。
世界から色がなくなって約二十年が経った。
見えるのは白黒の世界のみ。
いまだに原因は解明されていない。
新型のウイルスだとか、最新兵器だとか、さまざまな憶測が飛び交っている。
最後に色を見たのはいつだっただろう。
今でも目に焼きついている、あの綺麗な花畑を。
いつかこの子に見せてあげたい…………。
空がひっくり返ったんじゃないかと思うくらい、どこまでも続く真っ青な一面の花畑を。
だけど今の子供達は知らない。
色とはなんなのか。
だからいつか、色を知る日が来て欲しいと思ってる。
だが、そんな日はほんとに来るのか。
そんな日が来る前にこの世界は終わってしまうのではないのか――
そう思うくらい、各国に緊張が走っていた。
戦争が起きるのは時間の問題だろう。
それぐらい各国は、お互いに疑心暗鬼になっている。
そんな時に発見されたのが、色を映すことができる鉱石――『彩晶』だ。
その物質をめぐって、戦争は起こるだろう。
もし戦争になったら俺はどうする?
決まっている。
この子と妻を守るために戦うだけだ。




