プロローグ1
これは医学部受験生のなれの果て、所謂超多浪生の英大が一念発起し再び医学部を目指すものの合格をすると異世界転生してしまうかもしれないという物語である。
(もちろん本人は今は知る由もないが……)
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『ふぅ……。』
オレの名前は東英大。どこにでもいる27歳の警備員だ。常に家の周りに悪者がいないか自宅を警備している。まぁ、週1で本屋でバイトしてるから自称“フリーター”なんだがな。
えっ、今ナニしてたって?あぁそうだよ、これが日課なんだ。なんだお前?俺は見世物じゃねぇぞ、どっかいけ!
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ここでこの小説を読みはじめてくれた優しいこころを持った読者にこの男、東英大について、軽く紹介をしたいと思う。
東英大は1996年5月15日に何の変哲もないある街で生まれた、今年で27歳になる男である。
両親は英大が小さいときに離婚。母親に引き取られ実家で祖父、祖母を含めて4人で暮らしていたが、英大が4浪のときに祖父が他界し今は3人で暮らしている。
彼は幼少期に病に苦しんだ経験から医師に憧れ小さなころから猛勉強、小学校受験にこそ失敗したものの中学では県内一の中学校に合格した地元では「神脳」とも呼ばれた神童であった。
がしかし、なぜこれが過去形であるのかというのは、英大が中学生のときに“楽をすること”を覚えてしまい、中だるみ。
受験生になってもその癖は治らず、医学部を受験しては落ちて浪人、落ちて浪人、そんなことを繰り返して早くも9年も経過していた……。
奇しくも6浪目に合格した同西舎大学に在籍するものの、コロナ禍もあり実験以外はほぼリモート、元々プライドが高いこともあり全く馴染めずに孤立。
医学以外に興味はないため勉強にも身が入らず課題だけをこなす毎日がつづいたが、流石にこのままでは就職できない、その将来を不安に感じている。そんな日々が続く。
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この心理状態からもう一度だけ医学部を目指し、英大が勉強記録をブログに書き始めるのはまだ少し先の話である……。
誤字脱字、読みにくいなどありましたら遠慮なくご指摘ください。ド素人ですので勉強になります。
※この小説はフィクションです