表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/43

第21話 作戦



 「今回は、慎重にいくぞ?」


 今までの潜入は、どれも慎重さを欠くものばかりだった。

 ことに今回は――――――


 「警戒の厳重さがこれまでとは比べ物になりませんからね」


 イゼリナの言う通りこれまでの厳重さとは比べ物にならない警戒態勢だ。

 工事が完了していない砦とはいえ最前線拠点にしようとしている砦だ。

 それに多くの物資が集積されている。

 警戒が緩いわけがなかった。

 イゼリナが砦の見取り図を机の上に広げた。


 「北側は、私たちが入ると不自然なのであまり書き込めていませんが……」

 「イゼリナ、ペンを貸してくれ」


 ペンを受け取ると俺は、地図に走らせた。

 北側に少数の杭を打ち込んだ時に北側の様子は記憶していた。

 見張り台の数、位置、小屋の位置、そのすべてをほぼ正確に地図に書き記していく。


 「よく覚えてんなぁ」


 手持無沙汰といった様子のルカが脇からひょっこりと顔をのぞかせた。


 「お前もこれくらいはできるだろ」


 【からの使】に所属していたころルカは単独行動が多かったからこれくらいのことは造作もないはずだ。


 「いや、こんなことしたことねぇ」

 

 まさかこいつ、野生の感で何とかしていたとでもいうのか……。


 「なんか、変なこと考えただろう?」


 イゼリナと俺の様子から何かを感じたのかジト目でルカはそう言った。


 「いや、感心しただけだ。なぁ、イゼリナ」

 「えぇ、野生の感に」

 「野生っ!? やっぱり変なこと考えてんじゃねーかっ!!」


 キレたルカを放っておいてイゼリナは話を進めはじめた。


 「こことここには、小屋があって多分、歩哨の兵がいるはずです。避けるべきでしょうね」


 赤く小屋を囲っていく。


 「あと見張り台のそばも避けたい」


 夜眼の聞く人間が見張り台にいてこちらをうかがっていたとして見つかれば、俺たちはそこまでだ。

 イゼリナの囲っていった丸を避けるような道を選んでいくが、どれも最低二か所の見張り台を経由しなければならなかった。


 「外で一発、花火でもあげて気をひくか?」


 ルカが、そう提案してきたがそれは却下だ。


 「侵入はバレたくない。そんなことをしたら警戒の人間は数を増すに決まってる」


 ならば、暗殺か……。

 見張り台に登って中にいる歩兵の首を掻き切る光景が脳裏をよぎる。

 巡回に鉢合わせしなければ、かなり上出来と言えた。


 「侵入は、一番警戒の薄そうな北側からでいいな?」


 北側は、やや傾斜のある崖となっていて攻城戦となった場合、武装した兵士だと鍵縄でもなければ登るのは無理だ。

 それもあってか地図の北側は丸で囲まれた箇所が少ない。


 「おそらく最善の侵入経路ですね」


 イゼリナの同意を得たので確定でいいだろう。

 ルカは、どうでもよさそうにしていた。


 「侵入後の目的場所だが……」


 食料庫か武器庫か……おそらく両方に火をつけるのは無理だろう。

 手分けして行うという手もないわけではないが、リスクを避けるには三人がまとまって行動するのが一番に思えた。


 「食料庫を襲うのがいいと思う。軍隊を動かすのに何よりも必要なものは、糧秣」


 言われてみればそうだ。

 糧秣がなければ、飢えることを免れない。

 腹が減っては戦はできぬというやつだ。


 「わかった。それで行こう」


 イゼリナが頷いた。

 ルカは、ちょっとその辺に出かけるといたようなふうに支度を始めた。

  


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ