第52話 魔王の花
前回の後書きで説明をわすれてた。
ハエトルの役目は知能の無い魔族の排除でした。
森に人間が迷い込んだ時に危険が少ないようにするため
それと動植物の保護も兼ねていました。
俺は、どうなった?
「よっクソ魔族」
なんだお前?初対面の相手に・・・ってお前マジで誰だ人間?
「やめろよ俺は人間キライなんだよ!」
じゃあ人型の魔族か
「魔族も大っ嫌いなんだわだからお前も嫌い」
なんなんだお前
「ただの悪党だよ、それよりこの樹海さぁ、やったら残魂が多いからよ、何があったのかなって?聞きたくてお前の魂を蘇生したんだ、教えてくれ」
魂の蘇生・・・?
俺の・・・?
・・・そうだ!ルシファー!!ルシファーと姉御を助けないと!!
「! 今ルシファーつったか!?どういうことだ!詳しく教えろ!!」
ルシファーと姉御を狙ってる奴が居るんだ!!こんなことしてる場合じゃない!!急がないと・・・お前ルシファーのこと知ってるんだろ!?協力してくれ!!
「・・・言っておくが前には無理だ、もう死んでるからな」
・・・!!そうだ、俺、イロウにやられちまったんだな
「なぁ、お前はルシファーとどんな仲なんだ?」
あのヘボ魔王の言葉を借りるならマブアミーゴだ
「そうか・・・ありがとうな。アイツの馬鹿まるだしの夢に付き合ってくれてよ、名前は?」
俺はシャーロットお前は?
「教えね~!知ってもしょうがないだろ?どうせ全部忘れるんだ」
うわっ!
シャーロットの魂の前に立つ空色髪と瞳を持つやや小柄な青年に退魔の蒼い光が宿る。
「判決を下す、安らかに消え失せろ
月花送葬」
淡い蒼の光がシャーロットを包むと、シャーロットの魂はその場から消えて無くなった。
「そうか・・・ルシファーは相変わらずか~、あの頃より楽しそうにやってんなぁ」
青髪の少年はダボついたズボンのポケットに手を突っ込み樹木に覆われた空を見上げていた。
「はぁ・・・魔族嫌いなのに何やってんだか。っといけね、ルシファー探さねぇと」
―― ハエトル側 ――
「ハァ~・・・ハァ~・・・こんなに魔力を浪費させられたのは久しぶりだよぉ。しぶといねぇ、流石は虫の王さねぇ」
「・・・・・・・・ぁ」
ハエトルは足が一本残った惨い姿だ、体は痙攣し傷口から血を吹いている。
「ヒヒッ!でももう動けないだろぉ?見ての通りの虫の息さぁ・・・私にゃまだやることがあるんでねぇ。アンタだけに構ってる時間はないんだよぉ」
「・・・・だ・・・・・」
「あぁ?」
「ま・・だ・・・足、一本・・・ある、し・・・・!」
「・・・そうかよぉ」
満身創痍という言葉に当てはめられない程ズタズタにされた体でなおハエトルは立とうとしている。
「ヒヒ!もう無理だよぉ、頭の方は随分グズだねぇ・・・」
イロウは足掻くハエトルを相手にせずそのまま立ち去る。
結局ハエトルは動くことができなかった、当然だが肉体の再生は無制限ではない。相応の魔力を消費する、枯渇は当然死を意味する。
ハエトルの意識が遠くなっていく。
「ルシ、ファー・・・シャーロッ・・・ト・・・・・・・ル・・・ミ・・・・・・・」
友の無事を祈りながらハエトルは意識は闇の底へ緩やかに沈んでいった。
―― 廃城 ――
「大変だよぉ!!!」
酷く動揺した様子でエントランスに飛び込んで来たのはイロウだった。風呂敷に包まれた何かを持っている。
「ルミアの奴がぁ・・・ルシファーを殺したんだぁ!!私ゃこの目で見たんだよぉ!!」
エントランスに居た魔族達が動きを止める。皆がイロウに疑いの目を向けた。
無理がある話なのだ。
皆の前で泣いたルミアがルシファーを殺したという事も、人間相手にルシファーが遅れを取るという事も、到底信じられる言葉ではない。
「これを見てくれぇ!!!」
イロウが風呂敷を広げた。中から出てきたものを見て場の空気が一転する。
「何かの間違いだ!!」
魔族の群れの一匹がそう叫ぶ。ここにいる皆誰もが同じ気持ちだったことだろう。イロウ以外は己の目を疑っていた。
各々が状況を飲み込めぬまま、エントランスは騒然とする。
異変を察知した者、他の魔族に呼ばれた者が次第にエントランスに溢れた、パーティを開いたときよりその数は多い。エントランスに収まるはずもなく城の外まで魔族が詰め寄せていた。
顏を覆い咽び泣く者。
呆然と立ち尽くす者。
目を背けて去った者。
感情のまま叫んだ者。
皆、目にした光景を信じることができなかった。質の悪い冗談であってくれと願わずにはいられなかっただろう。
風呂敷から出てきたのは、ルシファーの頭部だった。
数が揃ったところでイロウが語り始める。
「ルミアは勇者と結託して樹海の中にルシファーおびき寄せて
首を斬り落としやがったんだよぉ!!偶然居合わせた私は命からがら頭をもってきたのさぁ・・・」
それでもまだルミアのあの涙を信じている魔族は居た。
だが更にイロウが出した物が決定打となる。
「ルミアは私も殺そうとしたんだよぉ・・・その時にコレを奪うことが出来た・・・」
血がべったり付いたナイフをルシファーの首の隣に置いた。
それは確かにルミアが持っていたナイフだった。
「最後ルシファーは私に『人間を許すな』と言い残したのさぁ!!!」
イロウが両手を掲げると紫ともピンクともとれる怪しい光がエントランス全体を包む。弱い心につけ入り操るそれが預言士イロウの魔力。悲しみに暮れている程度では己の言葉を信じさせる程度しかできないがそれで充分だった。
うつむいた預言士が笑い小さく呟く。
「ようやく出来上がった・・・私の魔族兵団がぁ・・・」
「イロウ、我々はどうすればいい」
「ヒヒ!いくよぉ・・・ルミアの国に復讐にぃ・・・イ~ヒヒヒヒヒ!!!!」
従えた魔族達を引き連れ樹海の外に向かう。朽ちかけた城はもぬけの殻となる。数百年ぶりに、廃墟に相応しい静寂が訪れた。
―― 樹海 ――
「・・・・・・・もうこんな光景にも慣れちまいそうだよ、ルシファー」
さきほどシャーロットの魂と会話していた青年が今度は首のない死体に話しかけている。やがて青年は死体の傍らに落ちている黒いひし形の結晶を拾う。
「久しぶりの面合わせといこうか」
退魔の光がひし形の結晶に集い、結晶は本来の姿に戻っていく。
退魔の魔力・・・お前人間か、なぜこんなところに居る?早く帰るがいい、ここは危険だ
「・・・よう、相変わらずみたいでよかったよ、生きててくれりゃ文句なかったんだけどよ」
む?その様子だと我の事を知っているな?誰だ、あの現勇者の仲間でもなさそうだが?
「・・・やっぱ、分かんねぇよな」
それよりここは危険だ
「俺の心配はいらねぇよ、何があったか聞かせてくれ。シャーロットがお前の事を心配してた」
シャーロットは無事か?
「・・・魂はな」
そうか・・・やはり我は何も守れないのだな、シャーロット・・・すまない・・・
「・・・気に病むな、『運命』のせいだ」
運命か・・・だからこそ我は抗ってきたつもりだったが・・・
「あぁ、よく知ってるさ」
・・・なぁ、お前は旅人か?
「ま、根無し草ってとこ?あ~・・・この表現は草に失礼だけどな」
旅先でルミアという女性に会ったらよろしく、伝えておいてくれアミーゴなんだ。ピンクの髪、ソバカス顏が特徴だ。
「わかった、覚えてたらな」
感謝する、最後に名を教えてくれ
「ヤダね」
ヤダってお前!!いいだろ!名前ぐらい!!さてはケチだな!?
「お、いつもの調子に戻ったか?」
いつも・・・あ!まさかお前・・・
「・・・」
口を閉じたまま青髪の青年は微笑んでいる。
お前ウィンだな!?
青年が足を滑らせ後頭部を岩にぶつけた。地面をのたうち回った後ゆっくり立ち上がる。
「はぁ、色でわかんねぇもんか?」
あ、メラか!?なんだ随分小さくなって!
「そ、この後は分かるな?どうする?」
神柱だ、我はとある花を依り代にしたい
「へぇ、その花の名前は?」
唐突な戦力ランキング(戦闘できるキャラのみ)
1ルシファー
2???・???・メラ
3ハエトル
4ヲォルト・チープ・ダクト・パチン(勇者の剣装備:19歳)
5ヘレン
6シャーロット
7ルミア・エア・ペンナ(19歳時)
8服屋の店主
9ガーダー
10イロウ
11ゴライアススコーピオン
12マイリアン・ヘクター・バール
13ルミア(ヘレンのナイフ装備:9歳)
14ヲォルト・チープ・ダクト・パチン(勇者の剣装備なし:19歳)
そのほか細かいキャラは省略。
抜けてるキャラいたらスんマそ。




