スキル”復活”を手に入れた ①
目指せ30話!!今回は、完結するまで絶対に書き続けます。
完結しない限り、お話を消すことも致しません!
気長に待っていただけると嬉しいです。
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もちろん、普通の感想や評価も大歓迎です!
よろしくお願いいたします。_(._.)_
この世界の人々は・・・訂正しよう。
この世界に生きるすべてのモノたちは、生まれてから14年経つと、スキルを持つことが出来る。
そして、今日は僕の14歳の誕生日。
ついに、僕もスキルを持てるようになるのだ!
ただ、スキルを持つとは言っても、期待しすぎてはいけない。
必ずしも授かったスキルを使いこなせるとは限らないからだ。
例えばそうだな。
伝説の聖剣を所持できるスキルを持っていても、その人が剣士でも何でもないただの村娘だったらどうだろうか。
宝の持ち腐れである。
残念が過ぎるとは思わないか!?
イメージとしてはそんな感じだ。
とは言え、な。
こんな与太話をわざわざ読むくらいの君たちなら分かるだろう。
せっかくスキルを手に入れるならば、めちゃくちゃ強いスキルを手に入れたい。
天下無双できるくらいのやつ。
そんで、きれいなお姉さんとか、かわいい子に「わたし、太郎くんに一生ついていくわ!」って言ってもらいたい。(ちなみに、太郎というのは僕の本名である。有名人になる前に改名する予定だ。)
あ、僕が有名人になる気満々なことについては突っ込まないでくれよ。
そういうお年頃なんだ、僕は。
住んでいるのは田舎の村だし、実家もただの小作人だが、「とにかくすごいスキルを手に入れて、一発逆転しよう!」というのは、僕に限らず誰でも一度は夢見ることだろう。
いとこのボブ(現在15歳)も、昔はそうだったって言ってた。
あれ?
あいつ、僕と1歳しか変わらないはず、だよな?
昔ってなんだったっけ。
まあいいや。
そんなわけで、僕は今日この日を大変楽しみにしていたのだ。
「太郎。そわそわする気持ちもわかるが、手を止めないでくれ。」
父さんのため息混じりの声が聞こえてきた。
「わかってるって。」
僕は鍬を持ち上げ、畑を耕す作業に戻る。
「スキルってのは、ふとした時に授かるもんだ。今日かもしれないし明日かもしれない。隣の農場のマクドナルドじーさんみてえに、次の誕生日の前日ってこともあるくらいだからな。あんまり期待すんなよ。」
「わかってるって。」
本日何度目かの会話をくり返す。
ーー期待するな
ーー人の価値はスキルで決まるわけじゃない
ーースキルなんて日常生活じゃ役に立たない
小さいころからスキルに憧れを持っていた僕が、村の大人たちからずっと言われてきた言葉だ。
そのたびに、僕は繰り返す。
ーーわかってるって。大丈夫だよ。
そう言ってしまえば、みんな「ホントに分かってんのかよ」という顔をしながらも、話題はそれていくものだ。
つまり、僕は大人たちの忠告に耳を傾けるつもりは毛頭ない。
正直、スキルの存在に賭けている。
ここまでの人生、スキルを授かる年齢に達するために生きてきたと言っても過言ではないほどに。
そんなこんなで、妄想を膨らませながら農作業をしていると、あっという間に1週間が過ぎた。
さらに1カ月が経った。
3カ月が経過した。
スキルはまだ無い。
足首ほどの背丈しかなかった麦が黄金色に染まる頃には、いよいよ周囲が焦りだした。
スキルを授かる時期には個人差があるのだが、大抵は1カ月以内で習得するからだ。
あれだけ散々期待するなと宣っていた大人たちが、僕のスキルを気に掛ける様子は、なんだか爽快だった。
僕は心配していなかったのかって?
もちろんだ。
僕は、僕に素晴らしいスキルが与えられることを微塵も疑っていなかったからね。
いや、僕だけは、疑ってはいけないのだ。
だから、心配なんてするはずがなかった。
そしてそのまま、半年が過ぎ、7、8、9・・・・・・。
ついに15歳の誕生日がやってきてしまった。
朝起きると、両親が揃って椅子に姿勢を正して座っていた。
いつもなら早朝から畑で作業をしている父さんに、いつもなら朝食を用意しながら「おはよう、太郎」と笑いかけてくれる母さん。
これが異常な光景であることだけは、寝ぼけた頭で理解した。
2人とも、苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「え、っと。おはよう?」
「太郎、そこに座りなさい。」
「あ、はい。」
「昨日の夜、父さんと母さんで話し合ったんだ。今日は神官さまのところへ行こう。」
「・・・・・・。」
「神殿にこんなぼろは着ていけませんからね。これに着替えなさい。」
母さんが、新品のシャツとズボンを差し出す。
改めて見れば、父さんも母さんも、今日はきちんとした格好をしていた。
「市場へ売りに行く荷車に、一緒に乗せてもらえることになっている。朝食と着替えが済んだら、すぐに出発だ。」
荷車に揺られながら考える。
何がいけなかったのか。
僕の強欲が過ぎてしまったのか。
この世界を管理しているという女神様は、僕の分不相応な野望をすべて見透かして、僕にだけスキルを与えないという罰を与えたのだろうか。
両親が終始しかめっ面なので、ついつい思考が悪い方へと向かってしまう。
「太郎、ここで降りるわよ。」
神殿についてからもしばらく無言が続いたので、僕は見慣れない神殿の装飾や人々の観察に専念することにした。
「ふむ。体に異常はないようですなあ。」
白い服に身を包んだ中年のおじさんが、仰々しい様子で僕のことをじっと観察してくる。
この人が神官さまなのだろうか。
「出身は?」
「ドコソレ村です。」
「なるほど。となると、暦が少々こちらとずれている可能性もありますな。暦がずれていて、実はまだ1年経っていなかった、なんて事例も残っていますから。その子は数日後に、無事スキルを授かったと記録に残っていたはずですぞ。」
「たしかに村では伝統的な暦を使うこともありますが、うちの場合は、こちらと変わりないはずです。妻が貴族家の出身でして。太陽暦を使っています。」
え、母さんって元貴族だったの!?
初めて知ったんだけど!!
息子にくらい教えてくれても良かったんじゃ・・・いやダメだな。
村の連中に自慢してまわる自分がありありと想像できる。
「ふむ。これはワタシの手に負えるものではないようだ。スキルというのは扱いが難しいですからな。このまま少年を放置して、不発弾が爆発するような事態は避けたい。今回は特別に、女神さまに神託を頂くことにしましょう。」
「本当ですか!ありがとうございますっ!!」
「ただ、場合によっては、、、ね。今のうちに、覚悟を決めておいたほうが良いでしょう。」
おい、神官さま。
意味深なんだが、どういうことなんだ。
両親を見れば、神妙な顔でうなずいているし。
置いてけぼりは僕だけかよ!
当事者は僕なんだが!?




