紅葉山会長の不安 8
「それでは、宝探しの罰ゲームを披露してもらいましょう。お二人、
どうぞ~。」
サクラちゃんが、大きな羽織を着て登場した。いや、サクラちゃん
だけにしては、羽織が大きすぎる。あれれ、と思ってたら、右手が
サクラちゃんの頬を撫で回している。
「ああ、もう、やめろって。」
サクラちゃんが、ムッとした声で怒ってる。
「山田さん、調子に乗らないの!」
どうやら、二人羽織らしい。山田さんに好き勝手されて、サクラ
ちゃんの機嫌が最高に悪い。会長がざるそばを持って来た。
「さて、これを食べてもらいましょう。」
「あ、それ、オレに近づけないで!」
会長が、キョトンとしている。
「サクラちゃん?」
「オレ、そばアレルギー。」
慌てふためいて、サクラちゃんからそばを遠ざける。会長は、
お皿を1枚持って帰ってきた。
「大丈夫だった?」
「はい。大丈夫です。」
「じゃ、気を取り直して、これを食べてもらいましょう。」
持って来たのは、ショートケーキだった。
「やったー。好物、好物。」
山田さんの左手にお皿をのせ、右手にフォークを持ち、準備が
出来た。
「それでは、スタート!」
山田さんが、この辺だと検討をつけてフォークを刺すが、お皿
の端をかすめてく。
「フォーク、とどいてないよ。早く、食べたーい。」
「・・・・・」
「山田さん、何言ってるのか、聞こえないよ~。あ、もっと左。
・・・今度は行きすぎ。もう、そこじゃないって。何やってる
の?いやー!もう少し左。そこそこ!刺せー!」
周りで見てる人達は、皆、大笑いしてるのが見えて恥ずかし
かったけど、あの美味しそうなケーキが食べたくて必死だった。




