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美少女に告白されてしまった!でもこのままだと百合なんですけど!?  作者: くじょーさん


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69 危なかった!


 なんとかカフェでの修羅場を乗り越え、日が落ち始める頃にようやく帰路につくことができた。


「でさ〜♪その時百合(ゆり)が『この子は私のものだから!』って可愛く主張してきやがってさ〜♪」

「っ!!百合さんと心花(ここな)さんにそんな微笑ましいエピソードが…!!」


 数時間同じ机を囲んだ結果、二人はすっかり仲良しになった。気づけば名前呼びをするようになっていて、完全に距離を縮めている。

 しかしそれは百合にとって朗報であり、一種の悲報でもある。


「めっちゃ楽しそうじゃん?」

「それはもう…!!百合さんのことは全部知りたいですから!!」

「ははっ♪イイネ♪流石最初に告白しただけはあるね!!」

「任せてください!」

「もし葵がもっと知りたいなら百合の可愛らしいエピソードから恥ずかしいエピソードまで教えるけど?♪」

「ナッ!!いいんですか!?」

「ええよ〜」

「いやダメでしょ」


 やっぱりこうなってしまう。心花は調子に乗ると何でも話してしまうタイプだから、百合好き繋がりの二人の会話は必然的にこういう話になってしまう。


 まだ本人がいない場所でするならギリ許せなくもないが、普通に本人が目の前にいるのにそういう話をしようとするとはやめていただきたい。


 だが葵は本気で百合の気持ちを理解していなくて、頭の上に疑問符を浮かべていた。


「なんでダメなんですか?」

「普通に考えて自分の黒歴史晒されるのなんて嫌に決まってるでしょ…!」

「あ、あ〜…。それはそうかもですね…」


 葵も自分のことを想像したのか、急に顔色が暗くなっていく。


 やはり黒歴史というのは誰にでもあるものみたいで少し安心した。でも人の負の部分を知って安心するなんて我ながら最低だな。ごめんなさい。


 だがしかしこの中に黒歴史を一つも抱えていないという珍しい人物が居て、彼女は今世紀最大のノンデリ発言をかましてくる。


「でも百合って存在自体が黒歴史みたいなもんじゃん?」

「は?」


 これ以上の悪口が存在するだろうか。いや、しないっ!!


 てかこれ本当に恋人の口から放たれた言葉なの!?お試しでも付き合っている人からこんなに強烈な針を刺されるなんて思わなかったんだけど!?


(え、私そんな風に思われてたの??)


 流石に困惑が勝ってしまう。


 でもこの女はお構いなしに攻撃を仕掛けてくる。


「だってアンタ現在進行形で黒歴史更新中じゃん」

「ごめん。ちょっと意味わかんない」

「アンタ前言ってたじゃん。『今の自分が人生最悪だと思えば次の日から少しずつ成長出来る希望が見えるはず』って」


 確か垢抜けを頑張っている時にそんなことを言い放ったような…。


(いやその発言がすでに黒歴史なんですけど…ッ!?)


 自分の人生真っ黒すぎて全く先が見えなくなっていた時の発言のせいで、これから訪れる明るい青春も真っ暗になってしまいそうになっている。


 これには流石の百合も共感性羞恥を覚え、恥ずかしさのあまりその場で小さくなってしまう。


「もう殺してくれ…」

「百合さん!?さ、流石にまだ早いですよっ!!」

「気にしないで〜。この子いつもこんな感じだから」

「そうなんですか…?でもいつもこんな感じなのは逆に大丈夫なんですか…?」

「まあ大丈夫ではないね。だって百合だもん」

「なるほど…?」


 なんかすごいことを吹き込んでるぞこの人。

 流石に心外だから訂正はしておく。


「いや別にいつもこうってわけじゃないからね?私だってポジティブな時はありますよ?」

「そ、そうですよね…!!良かったぁ…」

「百合がポジティブ…??もしかして対義語言ってみた感じ?」

「なわけないでしょ!?私イコールネガティブみたいなのやめて!?」

「でもそうじゃん」

「否定できないけど…!」


 思い切り否定してやりたいところだったけど、事実だから拳を握ることしかできない。


「私だって変わろうとしてるんだから!!そのうち超ポジティブになって黒歴史を忘れてやるんだから!!」

「頑張ってください!」

「アンタが忘れたいだけなんかい…。まあアレは流石に忘れたいか…」

「どれですか?」

「あ興味ある?」

「とても!!」

「そこ!!私の黒歴史に興味持たない!!」

「そんなぁ…」


 自分でも『どれだ?』とはなるが、それを口にするのは違う気がするので黙っておいた。思い出すだけでも死にたくなるような黒歴史がいくらでもある百合にとって、どれかを特定するのは死に値するから。


 てかこれ別に黒歴史じゃなくても昔のちょっぴり恥ずかしいエピソードとかでも良くない!?


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