57 丸裸にされてしまった!
色々あってお試しで付き合っている心花と一緒にお風呂に入ることになったわけだけど。いくら幼馴染とはいえ付き合い始めたばかりの恋人に素肌を晒すのは乙女としてマズい気がするからとりあえずタオルを巻いておく。
(本当に大丈夫かな…流石に襲われたりしないよね…!?)
心花の性格を考えるとあり得ない話ではないので、警戒しておくのに越したことはない。
(まあ心花も常識ある子だし…親友を信じるしかないか…)
ある程度の節度はあるだろうと、若干諦めの気持ちを持ちながら浴室の扉を開いた。
「お、やっと来た?」
浴槽に浸かる色気のある美少女。透明の湯船から見える曲線は、同性すらも魅了してしまうほど美しい。
いやちょっと待って何で曲線丸見えなの__!?
「て、何でタオルなんて着けてんの?早く脱ぎなよ」
「いや無理無理!!逆に何で素っ裸なの!?」
「そりゃ、幼馴染と一緒にお風呂入るのに隠すやつなんていないでしょ」
「それはそうかもだけど…!!」
確かに二人は幼馴染だが、今は恋人でもある。例えばこれが男女だった場合、素っ裸で風呂に入れるの?っていう話である。
ま、そんな百合の常識が通用するような相手ではないから無駄なんだけどね。
「あたしは裸の付き合いというものをしたいだけなんすけどね〜」
「なこと言われても…!!」
ニマニマ笑みを向けてくるが、こちらとて恥じらいのある乙女だ。そう易々と肌を見せるわけにはいかない!
百合は断固とした決意を持ったまま中に入っていき、心花と対峙する。
「え〜脱いでくれないの?」
「そりゃ当たり前でしょ!?私たちもう子供じゃないんだから!!」
「でもあたしだけ脱いでるのはなんか恥ずいんだけど…」
「いやそれはアンタが勝手に脱いでるだけじゃん…!」
ようやく恥じらいというものが湧いてきたらしい心花が手で上半身を隠し始めた。だがそれも自業自得なので知ったこっちゃない話だ。どれだけ期待の目を向けてきたって無駄だぞ!
「百合…お願い…!あたし、このままじゃただの変態になっちゃうじゃん…」
うん、そうだよ?アンタは変態だよ?今更何言ってんだか。
流石に気づくのが遅すぎて驚いてしまう。まあでもこんなに顔を赤くしている恋人を揶揄う気にはなれないから、とりあえず頭でも撫でておくことにする。
「まあまあ落ち着きなって。心花はスタイル良いから見られても恥ずかしがる必要ないよ?」
「そ、そう…?あたし、スタイル良い…?」
「そりゃ、ね…」
百合は今一度自分の目で心花の身体を見回した。
まず上から、爆発的でハリのある胸部。これは推測だが、多分学年一大きい。
そしてその大きいものとは逆に細くてくびれのある腰。特におへそのラインは同性も誘惑してしまいそうなぐらい妖艶だ。
もう少し下に進んでみると、細い腰から広がる大きな尻が存在感を放っている。本人は気にしているみたいだが、まぁ結構デカい。これがいわゆる安産型ってやつか。
う〜ん、我ながら変態すぎること考えてるな。流石の心花も引いてるよ多分。
「あの…そんなに見られると恥ずいんだけど…」
「あ、うん。ごめん。スタイル良すぎて見惚れちゃってた」
「あ〜も〜!!そういうの良いからさっさと脱げー!!!」
「あ、ちょっと__!?」
彼女は手で身体を隠すのをやめ、こちらのタオルを剥ぎ取るのに全力を注いできた。そのタイミングで色々見えちゃったりしてそっちに気を取られてしまい、結局タオルを剥ぎ取られてしまう。
「ふふん!!これでアンタも丸裸だ!!」
「も〜…最近太ったのにぃ…」
「あ、そうなん?なんかごめん…」
今更哀れみの目を向けられたって無駄だ。もう全部心花に見られてしまったから。
「もうお嫁に行けない…」
「え!?そんなに!?ん〜…じゃああたしが貰ってあげる!!」
「そう?でも心花かぁ…」
「不満でもあんのかか!?あぁん!?」
「何の恥ずかしげもなく裸を晒す人は無理かなぁ」
「は、恥ずかしがってはいるだろ!!」
「じゃあ何で今見せつけてきてるの?」
「見せつけてなんか__」
ようやく自分の状況に気づいたらしい心花は、顔を真っ赤にしながら両手で身体を隠し、その場に小さく蹲った。
「もうお嫁に行けない…」
「無理だよ」
「まだ何も言ってないし!?」
「責任は取らないよ」
「クズ男ムーブやめて!?」
「私女なので」
また変なノリが始まってしまった。多分また数分間はこの流れが続くのだろうな。
ま、これも一種のイチャイチャという捉え方もある。二人の楽しい時間がずっと続くことを祈ろう。
「百合のバカー!!!!」
そんなに大声で叫ぶと母に怒られちゃうよ君。




