128 海に来た!
いよいよ始まる四人での海デート。
早速更衣室で水着に着替え、先に外で待機する。
(なんか緊張するなぁ…。どうせみんな可愛いんだろうし…)
水着を見た瞬間ドキドキしすぎて倒れそうにならないかが心配だ。
みんな容姿抜群でスタイルも圧倒的だし、きっとどんな水着を着ていても超絶似合ってしまう。
だからこそこの後ドキドキさせられてしまう未来が確定しているので、しっかりと心の準備をしておきたいところだ。
「百合!おまたせ〜♪」
しかし現実は非情で、心の準備をする暇もなく彼女たちが姿を現した。
そのせいで百合は固まってしまい、彼女たちの水着姿を眺めるだけの置き物になってしまう。
「………」
「あ、あの…どうでしょうか…?」
「………」
「どうした…?少し様子が変だぞ?」
「どーせあたしたちの水着姿がエ○すぎて興奮してるだけでしょ」
「「__!!??」」
「いや違うからね!!??」
流石にそんなことを言われて黙ったままとはいかず、しっかり手と口で否定をしておいた。
でもなぜか心花はニヤニヤしたままで、少しずつ近づいてきて揶揄ってくる。
「そんなこと言って〜♪恋人の前なんだから隠さなくていいんだよぉ〜?♪」
「だから違うって!!」
「百合さん…流石に外では…!」
「誤解だって!?」
なぜか息が荒い葵の肩を掴んで彼女を揺さぶり、冷静さを取り戻させようとする。
しかしその作戦は上手くいかず、今度はこちらが肩を掴まれる側になってしまう。
「まあその…百合も年頃の女だしな…?気持ちはわからなくはないんだが…いかんせん場所がな…」
「もうやめてぇぇ!!」
というか場所を選んだら興奮してもいいんですか?
いや流石にそれは脳内ピンクすぎる。
てか今ってこんな話する状況じゃないよね…?
「帰ったら相手してあげるから。今は我慢して」
「心花ぁ…!!後で覚えててよ…!!」
「きゃあ♡一体何されちゃうんだろう♡」
「……」
もうこの子の下ネタに振り回されるのも疲れたし、いい加減話題を海に戻したいところなんだが。
「もお、馬鹿なこと言ってないで、とりあえずみんな早くラッシュガード着て!」
「え?」
「まだ水着の感想貰ってないぞ?」
「……っ」
ハッキリ言ってこの三人の水着姿は目のやり場に困る。
それを想定して全員にラッシュガードを持参させていたからさっさと着てもらったほうが楽だったのだが、その作戦は失敗に終わってしまう。
「…やっぱ言わないとダメ…?」
「強制はしないが、褒められないと自信を無くしてしまうな」
「アンタは女心がわかってないね〜」
「百合さんの感想、聞きたいです…!」
「デスヨネー…」
やはり褒めるしかないみたいだ。どうせ褒めなくてもとんでもなく可愛いのに。
まだ二人きりのデートならまだしも、合計四人がいる空間で一人ずつ褒めていくのはかなり気恥ずかしい。
「じゃあ一人ずつ感想言っていくから、残りの二人はちょっと耳塞いでてもらえるかな…?」
「は?何でよ」
「だって恥ずかしいし…!」
「どさくさに紛れてセクハラしようとしてるんじゃないのぉ〜?」
「だから違うって!!」
何度もいじめられて顔どころか全身まで熱くなっているのがわかる。
「私は心花さんと菫さんへの感想も聞きたいです」
「私もだ。ぜひ参考にしたい」
「二人までぇ…」
この感じだとどうせ全身真っ赤だし、今更恥ずかしくなっても特に違いはない。
ならもう諦めて全員に聞かれながらながら褒めちぎってめちゃくちゃ辱めてやる!!
「…わかった。じゃあみんな覚悟してね」
「わ、わかりました…!」
「準備は万端だ…!」
「いつでもどうぞ〜」
三人の真っ赤な顔を期待しつつ、心の中で勇気を振り絞った。




