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美少女に告白されてしまった!でもこのままだと百合なんですけど!?  作者: くじょーさん


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01 美少女に告白されてしまった!


 桜舞う季節。生暖かい風が彼女らを学舎に誘う。


「だ、大丈夫かな…」

「心配しすぎじゃない?」

「だって周りのみんなJKだよ!?そんなの怖すぎるよ…!」

「あんたもJKでしょ…。ったく、堂々としてたらいいんだよ普通に。他のみんなだってどうせ緊張してるだろうから」

「でも心花(ここな)はいつも通りだね…」

「あたしは別に緊張とかしないかなー。むしろどんな人と出会えるのかワクワクしてる」

「陽の人はすごいな〜…」

「別に陽キャとかじゃないでしょ。ただ単純に友達作るのが楽しみなだけ」

「私はそれが怖いんだよぉ…」


 怯えながら教室に向かう少女の名は、恋塚百合(こいづかゆり)


 彼女は中学時代生粋のボッチであったために、この入学というビッグイベントですら恐怖を抱いている。

そしてその隣で期待に満ちた顔をしているのが朝日奈心花(あさひなここな)


 彼女は昔から友達が多く、周りには常に人が集まっていた。その姿を幼馴染の百合は遠くから眺めることしかできなかったけど、心花は決して彼女を見捨てることはなかった。


 おかげで今こうして同じ高校に入学できて、これから楽しいJKライフが始まろうとしていた……はずだった。


「いたっ__。ちょっと急に止まらないで__」

「あれ…」

「ん?どうしたの?」


 控えめに指を差している方向を見た。


 見る人を魅了する紅の瞳、サラッと長い薄桃色の髪。圧倒的とも言える容姿に、モデルのようなスタイル。

 その全てが彼女の存在を引き立てていて、百合もつい彼女のことを見つめてしまう。


「可愛い…」

「うん…あの子も新入生かな?」

「先輩っぽい人も見てるし、多分そうじゃないかな?」

「マジかぁ…こりゃ勝てっこないな。高校こそはトップになってやろうと思ってたのに」

「何のトップ…?」

「人間の頂点」

「何言ってるの…?」

「冗談じゃんマジにしないでよ」


 しかし冗談も言いたくなるほどに、同じJKからすれば天敵のような存在だ。


 まあでも、張り合えるなんて最初から思ってないけどね。こちとら何年ボッチしてると思ってるんだ。カースト最下位なんてのは目に見えてるんだよ。だからあんなドップオブトップになんて敵うわけないし、同じ土俵にすら立てないのはわかってる。


 …自分で言ってて悲しくなってきた。とりあえず教室に逃げ込も…。


「早く行こ。見すぎると失礼だし」

「うん。いつか話してみたいな〜」


 たまたま同じクラスだった心花と共に同じ教室に入った。


 そして目に入ったのは、先ほどと同じ光景。


「…あれ、もしかして同じクラス?」

「そ、そんなぁ…」


(あんな太陽みたいな存在がいたら私の存在価値の無さがより浮き彫りになっちゃう…!!せめて、せめて別のクラスだったら…っ!!)


 嘆いてももう遅い。同じクラスになってしまったからには共存の道しかない。


「どしたん話聞こか?」

「私、ボッチ確定だ…」

「…何でそんな消極的?まだ始まったばっかじゃん」

「だって…!!あんな可愛い子が居たらみんなあっちに行っちゃうじゃん!!」

「そんなことないって。きっと百合の魅力に気付いてくれる子が__」


 綺麗な彼女の方を見ると、周りに大勢のクラスメイトが。


「君名前は!?」

「あ、その…」

「中学はどこ!?」

「同じクラスだよね!?連絡先交換しよ!!」

「あの…」

「友達になろ!!」

「今度駅近のカフェ行かない!?」


 男女問わず質問攻めにされている。


 その光景を見た百合は、自然と身体が動いていた。


「あの!!!!」

「「「「「!!??」」」」」

「え、百合__!?」

「この子、困ってるみたいなんで…!!」


 我ながら何をしてるんだろうって思う。こんな柄じゃないことして、もしかしてこの子と友達になろうって思ってるの?


 まさか、こんなボッチを相手にしてくれる筈ないのに。何やってるんだろう本当…。


「行こ行こ〜」

「また今度ね〜」

「ちぇっ、つまんねーのー」

「しゃーないかぁ。また今度話そーなー」


 気づけば周りに居たクラスメイトは席に戻って行った。


 そして後ろを振り返ると、美少女と目が合った。


「あ、あの__」

「急にごめんなさい!!でしゃばって本っ当に申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!!」


 死ぬ気で謝らないとスクールカースト上位の人に○されてしまう…!!


 そんな妙な思想を持っている百合は、必死で彼女に頭を下げた。


 そして美女の綺麗な声色を耳に入れる。


「謝らないでください…!助かりましたから」

「ほ、本当…??」

「はい。おかげで面倒事から逃れることができました。ありがとうございました」

「あ、はい…こちらこそありがとうございました…」


 え、今普通にクラスメイトを面倒って…。

 もしかして腹黒なのか!?黒なのかぁぁぁ!!??


「そ、それと一つお願いがありますっ!!」

「え?」


 なぜか顔を真っ赤にして目線を彷徨わせている。


「ここではアレですので…ついて来てください!!」

「え__!?ちょ!?」


 急に腕を掴まれてそのまま引っ張られるがままに走って行く。


 そして辿り着いたのが、校舎の屋上だった。


「はぁ…はぁ…あの…どうしてこんなところに…」


 もしかして余計なことをしたからボコボコにされちゃうんじゃ…。


 そんな考えを抱きつつ怯えるも、彼女はまた顔を真っ赤にして大きな声を発した。


「…あなたにお願いがあります!!」


 彼女は息を整えてから、胸に手を置いて勇気を振り絞った。


「私と…付き合ってください!!!」

「………はい」


 ??????????????


 頭が疑問符で埋め尽くされる。

 彼女の発言、そして自分の発言が理解出来ないまま事が進んでいく。


「い、いいんですか!?こんな私で!!」

「はい…可愛いですから…」

「やったっ。ありがとうございます!!話は以上ですので、それでは!!」

「あ、はい…」


 嵐のように去っていった。


 しかしまあ、なんか衝撃的な告白をされた気がする。


 告白…??


「んぅぅぅ!!!????」


 美少女に告白されてしまった!!


 そこまではいい、そこまではいいんだ…。ラブコメでは割とありがちな展開だから…。


 でも、でも…!!


「このままだと百合なんですけどぉぉぉぉぉぉ!!!???」


 百合の百合は、始まったばかりだ。


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