表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放課後カミカクシ・レトロ  作者: 雨音静香
第九章 不通? 疎通?
603/603

次へ

「これは完全に解けたわね」

 千夏ちゃんの宣言を聞いたユミリンは、大きく溜め息を吐き出してから「じゃあ、終わりにするからな!」とジト目を向けた。

 千夏ちゃんはその視線を避けるように「検証完了で良いんじゃ無いかしら、ね、ルリちゃん、委員長?」と二人に話を振る。

「問題なと思います」

「そうね、これは勉強が好きそうに思えないわね」

 オカルリちゃんと委員長の返事に満足そうに頷いた千夏ちゃんはユミリンに振り返って「ということで、次のステップに進みましょうか?」と言い放った。

 ユミリンは、千夏ちゃんに向けて「次?」といぶかしげな顔を向ける。

「凛花ちゃんキーホルダーがあれば、洗脳からも身を守れるかどうかを試すのよ」

 まるで『忘れたの?』とでも言いたげなやれやれ顔で千夏ちゃんは、軽く溜め息を吐き出した。

 対してユミリンはとても不満そうな顔で「ちゃんと覚えてるよ。ルリが言ってた三つの課題だろ?」と切り返す。

 ここで、千夏ちゃんが更に返すと、不毛な言い合いになりそうだったので「えっと、じゃあ、次もユミリンに協力して貰う感じで良いのかな?」と切り出した。

 私が急に割って入ったせいで、皆すぐには反応できない。

 とはいえ、それは僅かな時間のことで、真っ先にユミリンが「まあ、引き続き実験体をやるよ」と言ってくれた。

「じゃあ、私はお勉強が大好きなるようにおまじないを掛けてあげるわね」

 ニコニコしながら、チャラッと音を立てて、千夏ちゃんは鎖の付いた円盤をぶら下げる。

 一方ユミリンは、洗脳実験の時に、洗脳を阻まないように避けていたキーホルダーを手に取って「いつでもいいぞ」と言って、ギュッと握りしめた。


 流れとしては洗脳の時と同じで、変更があるのはユミリンがキーホルダーを握りしめていることだけだ。

「先ほどは五分ぐらいでしたね」

 ストップウォッチを手にオカルリちゃんが千夏ちゃんに先ほどの洗脳終了までの時間を伝える。

 千夏ちゃんは軽く頷くと「同じくらいの時間やってみれば良いのね?」と尋ねた。

「はい、今回は私が経過したところで合図を出します」

 洗脳に掛かる時間を同じにしないと検証になら無いのでと言い添えるオカルリちゃんに、千夏ちゃんは頷いて「了解」と答える。

 千夏ちゃんの答えを聞いたオカルリちゃんは、眼鏡を掛けながらユミリンに振り返って「それじゃあ、思いの光の検証もしましょう」と告げた。

「何をしたら良い?」

 ユミリンからの問い掛けに、オカルリちゃんは「さっき、史さんと加代さんが込めてくれたものが残っているか検証したいので、、ビー玉をキーホルダーから外して貰っても良いですか?」として欲しいことを伝える。

 自分のすべきことを理解して納得したユミリンは「なるほど」と頷いてから「もうやって良いか?」と問うた。

 オカルリちゃんは、一度周りを見て、皆が眼鏡をかけ直したのを確認してから「いつでも」と伝える。

「じゃあ、外すぞ」

 ユミリンはそう宣言すると、キーホルダーにビー玉を固定している布は外さずに、指の腹でビー玉をズラして取り出した。

 直後、思いの光が、ビー玉から飛び出してキーホルダーの周囲を回り始める。

 史ちゃんが「あ、ちゃんと光が出ましたね」と言い、加代ちゃんが「手から離れても、思いは残るって事だね」と頷いた。

 茜ちゃんが「じゃあ、お風呂とかぁ、一緒に入らなくてもぉ、大丈夫だねぇ~」と言う。

 それを聞いて「キーホルダーと入浴する発想はなかったよ」と口にしたまどか先輩は、一拍挟んで、真面目な顔になると「でも、ビー玉があれば、皆の思いを無駄にしなくて済むって事だね」と口にして深く頷いた。

「いいわね。思いを無駄にしないで済む……って」

 そう言って微笑んだお姉ちゃんに、まどか先輩は「だろ?」と笑みで返す。

「出来る事なら皆の気持ちを無駄にしたくないからね」

 まどか先輩はそう言ってお姉ちゃんに向けていた笑みを皆にも振りまいた。


 まどか先輩が思いを無駄にしたくないと言った後だったので、もの凄く言いづらそうだったけど、それでもオカルリちゃんは、ユミリンのキーホルダーから出現した思いの光が消えるまで待って欲しいと口にした。

 洗脳に対する実験に当たって、物理防御との違いを測るために、思いの量を揃えたいのだろう。

 その事を補足しようかと思ったのだけど、史ちゃんと加代ちゃんはしっかり察していたようで、問題ないこと、そして、実験のためだとわかっていると伝え、思いを送るので合図が欲しいとオカルリちゃんに伝えた。


「じゃあ、ビー玉を戻すな」

 思いの光が消えたのを確認してから、オカルリちゃんの頷きを待って、ユミリンは外していたビー玉を布の下に潜り込ませた。

 しっかり固定できたのを確認してから、ユミリンは「大丈夫そうだ、二人とも頼む」と史ちゃんと加代ちゃんに声を掛ける。

「いきます」

 史ちゃんがそう返し、加代ちゃんは黙って頷く、そのあとで二人は自分のキーホルダーを握りしめて意識を集中させ始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ