表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
25/32

両親の考え

 マリアンネが側にあり続けるなんて急に言い出した理由は、すぐに分かることとなった。

 自室を出て、パーティーの控室に行くと、そこには両親と、メイドのスカートに掴まって立つ、金髪の可愛らしい小さな男の子がいた。

 落胆した顔で出て行った見舞いの日以来の両親との再会で、何も聞いていないアタシは父から衝撃的な話を聞かされた。

 大きな瞳で興味深げにアタシを見つめてくるこの男の子は、アタシの弟だった。

 あら?

 ジークベルトに弟なんて設定が『最弱種族の竜槍者』の中にあったかしら?

 なんて若干の現実逃避をしつつ、父の話を聞いていると、どうやら今日のパーティーは最初に顔出しするだけで、アタシは病弱を理由にさっさと自室に引っ込めということだった。

 招待客に挨拶もせず主役がいなくなるなど、とんでもなく失礼に当たるけど、病弱ってことなら、まあ、許される。

 今の病み上がりな顔なら、病弱に真実味が出るから、ケガを負ったのはちょうど良かったと父は鼻で笑った。

 挨拶は両親と弟で回るらしく、それはつまり……。

 病弱な兄が家督を継ぐことが出来なくとも、弟がいるから大丈夫というアピール。

 なるほど。

 弟が産まれたから、周知のためにもパーティーも開いたのね。

 婚約披露を兼ねたパーティーなら規模も大きく、弟の周知徹底にはちょうど良かったってとこかしら。

 つまり、アタシはお払い箱だと言外に伝えられた。

 パーティーの流れは、リーゼロッテに支えられながら会場に登場し、アタシとリーゼロッテの仲の良さを招待客に見せたら、礼をしてアタシだけ会場を出て行けと説明を受けた。

 そして、会場を出た後は、自室にこもって部屋から出るなと言われた。

 父の蔑んだ言いざまに、アタシは空笑いしか出なかったけれど、パーティーを早々に抜け出せるのは助かるので、アタシは素直に従うフリをした。

 覚悟はとっくに出来ているわ。

 今さら父の態度に傷付くこともない。

 それに、パーティーを引っ込んだあと、自室にいると思われれば、誰かに煩わされることもなく自由に行動が出来る。

 マリアンネと一緒に、自室にこもっていてもいい。

 死亡フラグを回避するにはもってこいの状況で、父の命令は願ったり叶ったりだった。

 大人しくパーティーに出て、アタシは言われた通りにふるまった。

 リーゼロッテに支えてもらえなければ、立つことも出来ない病弱な姿を。

 この婚約が揺るぎないことがわかるように、リーゼロッテと仲睦まじい姿を。

 そして、メイドたちの手を借りて、アタシは速やかに会場を後にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ