↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
89/109

第三部『ルミナス令嬢の逆ハーレム帝国と、絶対女王の輪舞曲』。第69話:絶望の秒針エレジーと、十翼の救済抱擁。

いつも読んでいただき本当にありがとうございます!第68話で明かされた、前世の地球から続く母ユウコの「始まりの真実」。母の深い愛を胸に、神の遺物『オリジン・クロック』の最深部へと進むアサヒたち。しかし、そこへ遺物が放つ最凶の「呪いの霧」が襲いかかります。5人の男たちが、かつてアサヒを失った時の絶望の悪夢を見せられて自我を崩壊させかける中、絶対女王となったアサヒが十翼を羽ばたかせ、彼らを極上の愛で救い出す、感動の胸キュン回です――!

第三部『ルミナス令嬢の逆ハーレム帝国と、絶対女王の輪舞曲』。


第69話:絶望の秒針(エレジー)と、十翼の救済抱擁


母ユウコが前世の地球で遺した切ないログを越え、私たちが『|逆十字の形をした時計仕掛けの墓標(オリジン・クロック)』の最深部へと足を踏み入れた、その時だった。


ゴオオオオオオオ……ッ!


墓標の核心から、空間を赤黒く染め上げる、これまでにないほど禍々しい『|絶望の呪いの霧《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』が突如として噴出し、私たち全員を瞬時に呑み込んだ。


「くっ……何だ、この霧は……。魔力を、精神を侵食して……。……あ、あさ、ひ……?」


最高魔導宰相であるアレンの琥珀色の瞳から、一瞬でハイライトが消え去った。


それだけではない。


ソルの黄金の闘気が不気味に乱れ、夕日の漆黒の双剣が床に落ちて甲高い音を立てる。


クロノが胸を掻きむしるように跪き、シオンが空中キーボードをめちゃくちゃに叩きながら頭を抱えた。


神の遺物が放つ精神攻撃。


それは、彼らの魂の奥底に刻まれた、最大のトラップ――【アサヒを失った時の、前世と過去の絶望の悪夢】を強制的に見せる呪いだった。


「嫌だ……! アサヒ、死なないでくれ……! 君がいない世界なんて、俺の闇ですべて消し去ってやる……!」


アレンが狂ったように魔力を暴走させ、涙を流しながら虚空へ手を伸ばす。


前世の地球で、17歳の誕生日に心臓の病で死んでしまった私を、救えなかった時の大人の絶望。


「アサヒッ! 嘘だろ、僕の手を握ってよ! なんで冷たくなってるんだよぉッ!!」


最高騎士団長のソルが、黄金の髪を振り乱して絶叫する。


地球での幼馴染「朝日くん」だった頃、大好きな私を突然失い、世界が真っ暗になったあの瞬間の本能のトラップ。


「アサヒちゃん……冷たい……。夕日を一人にしないで……。アサヒちゃんがいないなら、夕日も今すぐ首を切り刻んで、一緒にお墓に入るね……?」


夕闇の髪を揺らし、完全に狂気に染まった瞳で落ちた双剣を自分の首筋へと当てようとする夕地。


私への歪んだ狂愛ゆえに、私のいない世界に耐えられない、底なしの絶望。


「俺の、調律が、間に合わなかった……!」


「お嬢さんのデータが……消えちまう……!」


クロノとシオンまでが、過去の戦闘や多元世界のバグでアサヒを護りきれなかった悪夢に呑まれ、自我を崩壊させかけていた。5人の、私への限界突破した、命がけの、あまりにも重すぎる愛の執着。


私を失う恐怖だけで、世界を滅ぼしかねない最強の男たちが、今、絶望の霧の中でボロボロに砕け散ろうとしている。


「みんな……もう大丈夫よ。私は、ここにいるわ!」


私の叫びに呼応するように、胸元の銀の懐中時計と右腕の七色の刻印が、まばゆい『|白銀の救済の極光《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』を放って大爆発した。


バササササササササッ!!!


私の背中から、5人の魔力を乗せて進化した、漆黒と黄金、そして紫電に煌めく『|巨大な時計仕掛けの十翼《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』が美しく展開される。


私は十翼を羽ばたかせ、赤黒い絶望の霧を完全に吹き飛ばしながら、錯乱するアレンの元へと真っ直ぐに駆け寄った。


そして、彼の引き締まった腰を、私の腕で正面から強く、きつく抱きしめた。


「アレン、私を見て。私は死んでないわ。今、ここに生きて、アレンの腕の中にいるのよ」


「……あ、さ、ひ……?」


私の十翼の温もりに包まれた瞬間、アレンの琥珀色の瞳に光が戻った。彼は信じられないものを見るように私を見つめ、それから狂ったように私を壊れるほど強く抱きすくめ、私の髪に何度も何度も愛おしそうに唇を寄せた。


「ああ……アサヒ……! 生きている、君の温もりがある……! 俺の至高の女神、もう二度と離さない……!」


「ソル、おいで!」


次に私は、泣き叫ぶソルの元へ行き、彼の熱い手を両手でギュッと握りしめ、そのまま優しくハグをした。


「ソル、朝日くん。私はもうどこにも行かないわ。ソルの光が、私をここに繋ぎ止めてくれているのよ」


「アサヒぃぃぃッ!」


ソルが子供のように大粒の涙を流しながら、私の肩に顔を埋めて強く抱きついてくる。


太陽の瞳に、私を二度と失わないという絶対の誓いが宿る。


「夕日ちゃん、その刃を下げて。私は夕日の腕の中にいるわよ」


自分の首を突こうとしていた夕日の双剣をそっと奪い取り、私は彼女の細い身体を後ろから包み込むように優しくハグをした。


「ふふ……あぁ、アサヒちゃんの匂い……。夕日の神様、本当に生きてる……。もう絶対に、誰にも渡さないからね……?」


夕日のハイライトのない瞳が、狂おしいほどの安堵と純愛の悦びで爛々と輝き、私のドレスを固く握りしめる。


「クロノ、シオン、私たちの時計の針は、まだ動いているわ!」


私は二人にも十翼の光の温もりを分け与え、その心を絶望の淵から力強く引き揚げた。


「チッ……本当に、お前の愛の重さには敵わないな」


「ハハッ、お嬢さんに抱きしめられたら、絶望のバグなんて一瞬で完全消去(デリート)だぜ」


クロノが赤面しながら漆黒のコートを翻し、シオンがゴーグルを上げて最高に愛おしそうな笑顔を浮かべた。


5人の、私への限界突破した愛の執着。


それを、今度は絶対女王となった私の十翼の愛が、完璧に包み込み、救い出したのだ。


「みんな、お母さまが遺してくれたこの命で、彼らがくれたこの最強の愛で――あの神の遺物を完璧に粉砕しましょう!」


「「「「「おおおおおおおッ!!!」」」」」


絶望を乗り越え、アサヒへの愛と独占欲をさらに爆発させた5人の男たちが、かつてないほどの超絶的な魔力を一斉に解き放った。


絆は神の呪いを完全に超越した。


私たちは強く頷き合い、すべての元凶であるオリジン・クロックの本体(神の意志)が待つ、真の最終決戦の座へと向けて、光の十翼を羽ばたかせながら一歩を踏み出した――! [


(第70話へ続く)

第69話をお読みいただき、本当にありがとうございました!神の遺物が放つ「アサヒを失った過去の絶夢」という最凶の精神攻撃に対し、アサヒちゃんが十翼を羽ばたかせて5人を一人ずつ優しくハグして救い出す、最高に胸キュンでエモーショナルな救済回となりました! アサヒちゃんを失う恐怖で狂いかけていた男たちが、アサヒちゃんの温もりに触れて正気を取り戻した瞬間の過保護っぷりと愛の重さは、もはや神の呪いすら恐怖するレベルです(笑)。 そして次回はいよいよ大記念回、第70話!シリーズ最大のド派手な最終決戦開幕となります!


いよいよ最高のフィナーレ(第71話)へのカウントダウンが始まります❤️


もしよかったら、読者の私と一緒に読んでもらえたら嬉しいです…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。