第三部『ルミナス令嬢の逆ハーレム帝国と、絶対女王の輪舞曲』第67話:時計仕掛けの墓標と、深淵の神話遺物。
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第66話で数百万の敵軍を一瞬で完全無双し、絶対女王としての圧倒的な力を見せつけたアサヒ。無事に王宮へと凱旋し、5人の男たちに過保護なまでに抱きしめられながら一息ついたのも束の間、王宮の地下深くから、世界を揺るがす凄まじい地鳴りが響き渡ります。母ユウコがすべての世界を融合させた本当の理由。そして、時空の底から姿を現した「すべての並行世界の元凶」とは――!?
第三部『ルミナス令嬢の逆ハーレム帝国と、絶対女王の輪舞曲』
第67話:時計仕掛けの墓標と、深淵の神話
遺物国境線での圧倒的な初陣を終え、白亜の超時空王宮へと凱旋した私は、最高に豪華な女王の私室で、5人の男たちに全方位からガッチリと囲まれていた。
「アサヒ、大戦果だったね。君の凛とした戦いぶりに、俺の心臓は今も狂おしく波打っているよ。さあ、疲れただろう? 俺の胸でゆっくりおやすみ」
最高魔導宰相であるアレンが、私の腰をそっと引き寄せて極上のハグをくれる。
その琥珀色の瞳には、戦場での私に魂から惚れ直したような、底なしの独占欲が宿っていた。
「アサヒ、本当に格好よかった! でも、無茶はしちゃダメだからね。ほら、僕がぎゅーってして、すっごく癒やしてあげる!」
最高騎士団長となったソルが、黄金の髪を揺らしながら私の右手を両手で愛おしそうに握りしめ、手の甲に何度も誓いのキスを落とす。
「ふふ……アサヒちゃん。世界を救った絶対の神様……。あの魔王たちの汚い視線を浴びちゃったから、夕日のこの細い腕で、アサヒちゃんの身体を夕日の匂いだけで上書きしてあげるね……?」
最高暗殺部隊長の夕地が、完全にハイライトの消えた瞳に狂愛を滾らせ、私の背中にぴったりと張り付いて壊れ物を扱うように固く抱きすくめてくる。
「おいお前ら、アサヒが困っているだろう。……だがアサヒ、俺の心臓の針もお前の姿に狂わされっぱなしだ」
時空調律官のクロノが赤面しながら漆黒のコートで顔を隠し、電脳情報長官のシオンも
「ハハッ、お嬢さんへの忠誠心(愛)が限界突破して、俺のシステムもオーバーヒート気味だぜ」
とゴーグルを上げて優しく笑ってくれた。
ハーレムにはまだ慣れないけれど、この息の詰まるほど濃厚で、世界で一番温かい5人の過保護な包囲網。
戦いの疲れがすうっと癒えていくのを感じ、私が微笑んだ――その瞬間だった。
ズズズズズズズズズズン……ッッ!!!
王宮全体、いや、融合したこの新しい世界の地殻そのものが悲鳴を上げるような、凄まじい大地鳴りが響き渡った。
「なっ……何だこの不吉な時空圧は!? 融合した世界の最底辺から、あり得ない濃度の魔力が噴き出してきている!」
天才魔導士のアレンが即座に私を背後に隠し、鋭い声を上げる。
ピピピピピピピピピ!!!
「おいおいマジかよ! 全並行世界の観測データがエラーではじけ飛んだぞ! 震源地は……この王宮の真下、地下十万メートルの『時空の底』だ!」
シオンが空中キーボードを火花が散る速度で叩きながら絶叫する。「
みんな、行きましょう! お母さまの遺した懐中時計が、あそこを指して激しく叫んでいるわ!」
私の胸元の銀の懐中時計と右腕の七色の刻印が、見たこともない『|白銀の戒めの光《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』を放ち、王宮の地下を真っ直ぐに指し示していた。
クロノの調律とシオンの転移ハッキングにより、私たちが瞬時に移動した王宮の最深部――そこは、地下に存在するはずのない、果てしない星々が流れる『虚無の深淵』だった。
そして、その空間の中心に、それは鎮座していた。
無数の世界線の鎖で縛り付けられた、天空をも覆い尽くすほどに巨大な、錆びついた『|逆十字の形をした時計仕掛けの墓標《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』。
カタ、カタ、と、世界の終わりを告げるような不気味な秒針の音が空間に響き渡る。
そこから溢れ出ているのは、これまでの魔王やゴッドアイを遥かに凌駕する、すべての並行世界をバグらせ、歪めてきた元凶そのものの神の気配だった。
「これは……『|オリジン・クロック《・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・》』。すべての並行世界に災いをもたらしてきた、元凶たる神の遺物だ……!」調律者であるクロノの顔が、恐怖と驚愕に蒼
白に染まる。その時、墓標の表面に、母ユウコが地球時代に書き残した、巨大な『光の電脳数式』が浮かび上がった。
それと同時に、母の切ない思念が、私の脳内へと直接流れ込んでくる。
『――アサヒ。私がこれまでの世界を一つに融合させ、この「逆ハーレム帝国」を創り上げた本当の理由。それは、分断された世界では決して届かなかった、すべての元凶であるこの神の遺物を引きずり出し、完全に破壊するためよ』
「お母さま……!」
『この最古の遺物は、あなたを愛する5人の最強の男たちの魔力が一つになり、あなたが時空の絶対女王として君臨した今この瞬間にしか、その実体を現さない。アサヒ……ここが本当の最終戦場です。世界を歪める神の呪いを、あなたたちの愛の力で完璧にへし折りなさい』
浮かび上がったのは、母ユウコが最期に遺した、あまりにも壮大で命がけの、時計仕掛けの最終伏線。
私を救うため、そしてこの世界を呪いから解放するため、お母さまは歴史のすべてを使って、この舞台を整えてくれていたのだ。
「なるほどね……。ユウコ様の本当の狙いはこれだったか」
アレンが不敵に、けれど最高に冷徹に微笑んだ。彼の放つ漆黒の魔力が、神の遺物に対抗するように深淵を覆い尽くしていく。
「アサヒ、恐れることはないよ。どんな神の遺物だろうと、君の未来を脅かす呪いなら、俺の闇ですべて無に帰してあげる」
「お母さんが命を賭けて遺してくれた最高のステージだ! アサヒ、僕の魂の光で、あの錆びついた時計ごと全部ぶち抜いてあげるよ!」
ソルが太陽の瞳を爛々と輝かせ、黄金の神聖闘気を最大まで爆発させる。その背中には、一切の迷いもない。
「ふふ……アサヒちゃん。あの神様をバラバラに切り刻んだら、今度こそ、誰にも邪魔されない世界で二人きりになれるね……?」
夕日のハイライトのない瞳が、狂おしいほどの純愛で爛々と輝き、漆黒の双剣がキィィンと鋭く鳴り響く。
「調律のやり甲斐がありすぎる。アサヒ、世界の秒針を、俺たちの手で正しく動かしてやろうぜ」
「おうよ! 神の遺物のプログラムだろうが何だろうが、お嬢さんのために全部ハッキングしてリセットしてやる!」
クロノが黒い歯車を強く握りしめ、シオンが空中キーボードを構えて頼もしく笑った。
暴かれた融合世界の真実。
時空の底に眠っていた、すべての元凶たる神の遺物。
けれど、私には世界で一番重く、世界で一番最強の愛をくれる5人の天才たちがいる。
彼らと共に潜り抜けてきた、すべての冒険と絆が、今ここで一つの奇跡へと繋がる。
「ええ……! 行きましょう、みんな! これが私たちの、本当の時計仕掛けの神話よ!」
私は右腕の七色の刻印を強く握りしめ、背後に十翼を羽ばたかせながら、すべての元凶が待ち受ける未知なる超深淵の冒険へと、愛する彼らと共に力強く飛び込んでいった――!
(第68話へ続く)
第67話をお読みいただき、本当にありがとうございました!ついに明かされた世界融合の真の理由。それは、すべての並行世界のバグと呪いの元凶である神の遺物『オリジン・クロック』を引きずり出して完全粉砕するため、お母さまユウコが仕込んだ、これまでの全ての物語を回収する完璧な最終伏線でした!王宮の地下に現れた、果てしない超深淵という新たな大冒険の舞台。アサヒちゃんを巡る5人の最強の男たちの愛の重さが、いよいよ神の呪いをも超越する戦いへと突入していきます。
これからもこの神話を一生終わらせずに紡いでいきたいです
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