主要人物
ヒロイン
鵺喰 深雪乃
ぬえじき・みゆきの
十九歳。
鵺喰家の妾腹の娘。
身長百四十センチ。細身。
前髪はぱつんと切り揃えられ、長い黒髪も毛先まで真っ直ぐに切られている。
黒髪、赤みを帯びた瞳、白い肌、小さな体。
本人に自覚はないが、ただそこにいるだけで人の執着や庇護欲を狂わせる、爆発的なファム・ファタール性を持つ。
鵺喰家は、本来なら山本五郎左衛門の先祖返りが生まれるべき家紋を持つ名家。
先祖返り会では第二位の権力を持つ。
しかし深雪乃には妖の特徴が見られず、「人間臭い」「妾腹」「家の恥」として虐げられてきた。
虐げているのは親族だけではない。
使用人も加害者。
水桶をわざと倒す。
足を引っかける。
食事を抜く。
残飯を出す。
母の遺品を隠す。
掃除を終えた場所をわざと汚す。
蔵や物置に閉じ込める。
「死なないなら痛くないでしょう」と笑う。
屋敷そのものが深雪乃を人間以下に扱ってきた。
深雪乃は泣き叫ばない。
静かに耐え、淡々と毒を吐く。
上品で、礼儀正しい。
しかし言葉は鋭い。
不自然に死なない身体を持つ。
傷は塞がり、骨は戻り、毒でも死にきれない。
だが痛みは消えない。
不死身の理由は本人にも不明で、物語の核心に関わるため序盤では伏せる。
戦う時は退魔耀を宿した日本刀を使う。
破魔の矢を放つ時だけ弓を使う。
刀は妖や呪具を斬る武器。
弓は血筋、契約、因果、呪いを射抜く武器。
赫臣に対しては最初から不思議と拒絶感がない。
強引に抱かれても、深くキスされても、抗議はするが拒まない。
最初は毒舌ツンデレ。
中盤からは自分から彼を求めるようになる。
相手役
篝火 赫臣
かがりび・あかおみ
三十歳。
酒呑童子の先祖返り。
篝火家当主。
百鬼夜行の頭。
先祖返り会で最上位の権力を持つ男。
身長百九十五センチ。
着痩せするが、実際は筋肉質。
金髪で襟足は長め。
蒼色の瞳。
和服の片腕を合わせの方に通し、もう片袖は抜くように崩して着る。
煙管をふかす色男。
耳には二十を超えるピアス。
舌ピアスあり。
ブレスレット、指輪、ネックレス、アンクレットを多数身につけている。
派手な遊び人に見えるが、すべて先祖返りを隠すためのカモフラージュであり、退魔用のアクセサリーでもある。
戦闘では、肉眼ではほぼ見えない退魔ワイヤーを張り巡らせる。
ピアス、指輪、舌ピアス、腕輪、足首飾りを起点に霊糸を展開し、相手を切断する。
敵の腕、首、胴、妖核を一瞬でばらばらにする。
かなりのイケメン。
やばいくらいイケメン。
一見チャラい。
口も甘い。
距離も近い。
初対面から深雪乃に一目惚れする。
すぐに抱き上げる。
すぐに口説く。
かなり早い段階で長く深いキスをする。
よく言う言葉。
「可愛い」
「大好きだ」
「愛してる」
「お前しかいない」
「俺の深雪だ」
「俺だけ見てろ」
「お前は俺のものだ」
それらはすべて本心。
ただし中盤以降は、深雪乃を信じたいのに疑ってしまう自分を黙らせる意味も含まれる。
彼は疑いを抱くほど、深雪乃を抱く。
キスをする。
髪を撫でる。
愛を囁く。
愛情表現が伏線になる男。
その他
許嫁/ライバル
蘆野火 白絹
あしのび・しらぎぬ
二十六歳。
玉藻前の先祖返り。
先祖返り会で第三位の権力を持つ蘆野火家の令嬢。
赫臣の形式上の許嫁。
腰まで届く淡い金茶の髪。
琥珀色の切れ長の瞳。
白地に金糸の着物を好み、常に高貴な香をまとっている。
霊力は並大抵ではない。
幻術、魅了、変化、言霊、結界崩しに長ける。
表面上は余裕に満ちた美女だが、深雪乃を初めて見た瞬間から本能的に警戒する。
赫臣を巡る恋のライバルであり、同時に先祖返り会の政治を背負う存在でもある。
サブキャラプロフィール
鵺喰 夜岐
ぬえじき・よぎ
二十二歳。
深雪乃の異母姉。
化け猫の先祖返り。
美しく、可憐で、甘えるような声を持つ。
人前では妹想いの姉を演じるが、実際には深雪乃を虐げてきた中心人物。
深雪乃を「人間臭い」と笑い、母の遺品を壊し、使用人たちの嫌がらせを煽ってきた。
鵺喰 斎臣
ぬえじき・ときおみ
深雪乃の父。故人。
鵺喰家前当主。
彼の死と遺言書が、相続争いと事件の発端になる。
宵待 澄子
よいまち・すみこ
深雪乃の母。故人。
表向きは人間の妾とされた女。
深雪乃が大切にしている遺品の持ち主。
彼女の過去は、物語後半で大きな意味を持つ。
榛尾 砂笙
はんお・さしょう
三十八歳。
赫臣に仕える百鬼夜行の参謀。
管狐の先祖返り。
痩せた書生風の男で、冷静な皮肉屋。
赫臣の恋愛暴走に胃を痛めているが、深雪乃には同情的。
薄墨 祢々
うすずみ・ねね
四十五歳。
鵺喰家の女中頭。
深雪乃を使用人以下に扱ってきた使用人側の中心人物。
母の遺品、屋敷内の蔵、食事や薬の管理について多くを知る。
深雪乃への食事抜き、蔵閉じ込め、遺品隠しを黙認または命令していた。
「死なない方は楽でよろしゅうございますね」と笑う。
蓮台 累
れんだい・るい
三十二歳。
帝都警視庁の怪異事件担当。
先祖返りではないが、怪異絡みの殺人事件に慣れている。
赫臣とは犬猿の仲。
しかし推理役として重要。
紅樹 燈子
あかぎ・とうこ
二十四歳。
新聞記者。
華族醜聞と怪異事件を追う。
軽薄そうに見えて、被害者の声を拾うことに執着している。
朱楽 眞白
あけら・ましろ
六十五歳。
深雪乃の母を知る老女。
かつて宵待家に出入りしていた弓師。
破魔の矢、古い退魔術、深雪乃の母の過去について知っている。




