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【書籍化】 使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
新しい同居人編

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新しい同居人編 その16 全員娶ってしまうとかどうだい?

 王城での報告会も終わったので帰宅しようと思ったらキーファー公爵に肩を組まれて邸に連れ帰られる。

 そうだね、ガイウス様が「また帰ってからお話しようね?」を真に受けてた様だね。

 嫌だなぁ、そんなの社交辞令に決まってるじゃないですかっ!!

 もちろん声に出しては言わないけどね?普通に怒られそうだもん。


 いつもながらお屋敷に辿り着くと一番に駆け寄って来るのは


「ハリス!おかえりなさい!」


 姫騎士様である。うん、冬らしいもこもことした衣装で今日もとても愛らしい。いつものように抱えあげてくるくると回る。

 でもね?今日はほら、じーじも居るじゃないですか?

 大人気なくこっちを睨んでくるからまずはそちらに行ってあげて欲しいな?と遠回しに伝えたら


「だっておじいさまは・・・すこしおとしよりくさいのです・・・」


 と少々大きめのお声でカミングアウトしちゃったものだからガイウス様はこの世の終りのような顔で崩れ落ち、コーネリウス様も笑いを必死の形相で耐えながらも横隔膜の痙攣と呼吸困難で崩れ落ちた。

 うん、日頃の稽古の成果か、本日も幼女はとても強いのだ。

 ガイウス様には後でとても良い香りのする石鹸と柑橘系の香りのコロンを差し上げますので・・・あと、そこで笑ってるコーネリウス様も明日は我が身ですからね?


 ああ、言わなくても分かっていると思うけどフィオーラ嬢がとてもいい笑顔でこちらを睨んでるのはいつものことだから。

 もちろん姫騎士様を下ろした後に同じ様にくるくるさせられたのは言うまでもない。

 フィオーラ様、お歳を・・・いえ、何でもないです。てか成人した女性を抱えるのはそこそこのセクハラではないだろうか?いい匂いするし、柔らかいし。



 さて、場所は代わって応接室。先程のショックから立ち直れていないじーじ・・・じゃなく公爵閣下と笑いから立ち直ったコーネリウス様。

 うん、俺も幼女に加齢臭がするとか言われたらしばらくは引きこもって出てこなくなると思うから仕方ない。


「繰り返しになるけどお疲れ様だったねハリス」

「はぁ、まぁ乗りかかった船の様な状況でしたので。それに動いてくださったのは各領地の方々ですし」


 そもそも相手(ノルデン商会)が勝手に突っかかってきて、勝手に墓穴を掘って、勝手に自滅しただけなんだよなぁ。

 正しく『雉も鳴かずば撃たれまい』だな。これを教訓に俺に絡んでくる人間が減ることを切に願うところである。


「それでも・・・だよ。君が居なければこうも早く鮮やかに始末出来なかったからね。それで・・・わかってるとは思うけど手柄を上げたからには報奨が必要なんだよ。滅私奉公させたとか言われると世間体が悪いからね?」

「いや、そもそもこの歳で閣下なんて呼ばれる程に目をかけて頂いてるんですからこれ以上は特に何も・・・」


 正確には『何も望みません』ではなく『何も押し付けないで下さい』なんだよなぁ。

 まぁコーネリウス様もそのへんはわかってるみたいだけど・・・公爵家には公爵家の都合もあるしね?


「そもそもハリスは欲がなさ過ぎるんだよ。もうこの際、求められてる女の子全員娶ってしまうとかどうだい?」

「勘弁して下さい死んでしまいます」

「・・・いや、恩賞の話の前にまずはあの妙な乗り物と鎧の説明からだ」


 隣に座ってるフィオーラ嬢と膝の上に座ってるヘルミーナ嬢が期待に満ちた眼差しでこちらを見つめてくるので妙な事を言い出すのは止めていただきたい。

 そしてやっと再起動したガイウス様。


「観ていただいた通り普通の黒馬車と普通の黒騎士ですよ?」

「もう名前の前に『黒』と付いている時点で普通からかけ離れておるではないか!!」

「なら黒っぽい馬車と黒っぽい騎士で」

「変わらぬわ!!まぁ黒い鎧はそう言うものなのだろうからどうでもいい、問題は馬車だ!!」


 いえ、その感想は間違えてます、どう考えても黒騎士の方が問題なんです!・・・もちろんこちらからは言わないけどね?

 そして完全ノーマークのフィオーラ嬢から声が上がる


「父上、どうやら馬車よりも黒騎士・・・メルティスの着用していた黒い鎧の方が危険なものらしいですわ」

「参考までにひとつ、お嬢様はどうしてそう思われたのでしょう?」

「もちろん貴方の表情の変化からですよ?」

「何なの?貴女は俺の嫁かなにかなの?」

「・・・はい」


 いや、『はい』じゃねぇし。頬を赤らめてもそんな事実は無いんだ、いいね?

 てか俺、今は顔の筋肉なんてほぼ動かしてなかったよね?

 今更ながら観察力と言うか洞察力の高性能さにビックリだわ。

 あとプクッとほっぺをふくらませるヘルミーネ嬢可愛い。よーしよーし、おぢさんが飴ちゃんをあげよう。


「・・・ほう・・・それで、あの鎧はどう言った代物なのだ?」

「どういったも何も。ふ、普通にちょこっと変わった素材で出来た鎧とつるぎですよ?」

「鎧だけじゃなく剣もなんだね?」

「いえ、鎧だけです!」

「何故それが通ると思ったのか」


 何この四面楚歌・・・援軍は、援軍は無いのかっ!?


「とうさまもおじいさまもハリスをいじめちゃだめなのです!!」

「ああ、私の味方は姫騎士様だけであります・・・」

「ふふっ、とうぜんなのです!」

「ハリス!繰り返しますが騙されてはいけません!その子の目を、目をよく見るのです!とても邪悪な色をしています!そして今すぐにその子を優しく抱きすくめるのを止めなさい!間違いなくなにがしかの責任を取らせようとしていますから!!」

「ハリス・・・おばさまがこわいのです・・・」

「お嬢様、繰り返しますが大人げないですからね?姪御さんにはもっと優しくしてあげてくださいね?」

「ぐぬぬぬぬぬぬ・・・」

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