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アイテムボックスが最強すぎて廃村を立て直すなんて余裕でした?ウソです超大変です!  作者: 河津乃毒袋
VSプリース王国編

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141/288

第140話〜絶対王政〜

 プリース王国・首都パイナス中央。

 威風堂々たる歴史の重みを感じさせる王城。


 その玉座に、プリース王国・国王。

 ハロルド・ラ・プリースは静かに目を閉じ、座っていた。


 『侵入者』の気配を感じながら⋯⋯!


(来たか⋯⋯)


 ハロルドは、ゆっくりと目を開いた。


「よう。返して貰いに来たぞ」


 声のする方へと視線を向ける。

 

 まだ修繕(しゅうぜん)しきれていない、謁見の間の格式高い大扉(おおとびら)の前で、見たこともない衣服を着た黒髪の青年。


 エータ・ミヤシタの姿が、そこにはあった。


「異なことを言う⋯⋯」


 ハロルドはゆっくりと玉座から身を起こした。


「なにを返せと? 亜人か? それとも、この国をか? まるで貴様らのものであったような口ぶりだな。ここは2000年前より、我が祖先、アーサウコス・ラ・プリースのおさめる地だ。よって、プリースの名を継ぐ、我のもの。貴様らのものでは無い」


 ハロルドは「フンッ」と、挑発するようにエータに吐き捨てた。


「やっぱりな⋯⋯」


 エータはうつむいた。

 予想通りすぎる言葉に呆れているのだ。


「やっぱり⋯⋯?」


 ハロルドは首をかしげている。


「国を、人を、大地を⋯⋯『モノ』として扱っていやがる⋯⋯」


 月光のように白く輝くエータの身体。


「お前は間違ってるよ、ハロルド。国とは人の営みだ、人とは元より自由だ、大地とはただそこに在るだけだ、ひとつとして人間が扱える『モノ』じゃない⋯⋯」


 エータは、指をさしてハロルドに告げた。


「だから、それを他者から、この世界から⋯⋯。そのうす汚い手中におさめようとするお前から! 俺は取り返しに来たんだ!! あるべき姿に戻すために!!」


 アイテムボックスからウォーハンマーを取り出し、くるくると回転させ、床に叩きつけながら構えるエータ。


「もう王様ごっこは終わりだ、アダルトチルドレン。俺が次期皇帝として、責任を持ってお前の罪を清算してやる。感謝するんだな」


 ハロルドの頭の血管は、ドクンッドクンッと脈打ちながら隆起している。


「この名の重みも知らぬ愚民が! ほざくなよ!!」


 ハロルドの身体から黄金のマナが荒れ狂う!!


「うおおぉぉああぁぁーー!!」


 バリバリと電流を走らせながら、自身の身体を中心に、竜巻を発生させるハロルド。


「ぐっ!」


 吹きとばされそうな身体を必死におさえるエータ。

 ハロルドは高らかにさけぶ!


「ジョブ【(キング)】・アーツ【富国強兵(ストロングカントリー)】!! 反転せよ!!」




 ――絶対王政(アブソリュート・モナーキー)――




 プリース王国の国民から、光の球が抜けていく。

 王城へと高速で飛んだそれは、ハロルドの身体に集まっていく!!


「フハハハハハ!!!!」


 ハロルドは70代とは思えぬその身体を、さらに筋肉質な巨体へと変貌(へんぼう)させた。

 身長3メートルはあろうかという、巨人へと膨れ上がる。

 もはや人間かどうかも疑わしい。


「国民のすべてのステータスを得た我に、もはや(かな)うモノ無し!」


 ハロルドは首をゴキゴキと鳴らし、上体をグググとひねった!!


(来る!!)


 ハロルドに応えるように、エータは『あの構え』に入った!




 ――王之遺産(キングスレガシー)――

 ――凱竜天成(がりょうてんせい)――




 二つの巨大なマナはぶつかり合い、大爆発を起こしながら、王城を内部から破壊し尽くした。



 ――――――



 その衝撃を、頭上で感じるイーリンとディアンヌ。


「んおー、すごい」

「これは急がないとマズイですね」


 彼女たちはビートとシロウが捕まっているかも知れない、王城地下の監獄へと来ていた。


 無論、捕まった二人を救出するためである。

 監獄はすでに看守たちが逃げ去っており、女性二人でも簡単に進むことが可能。


 鍵のかかったトビラはイーリンの魔法でことごとく突破し、それはもはや救出というには生ぬるいものへと変わっていた。


「看守室のようですね」


 ディアンヌは暗くしめった土壁に規則正しく並べられた本棚。そこに置いてある数々のファイルをめくりながら言う。


「ディアンヌ! これ!」


 イーリンはふんすっ!と、大量の鍵を発見。

 ディアンヌは、


(イーリンちゃんの魔法があるから鍵は要らないんじゃ⋯⋯)


 と、思ったが。


「わぁ! お手柄ですよ! イーリンちゃん!」


 と、優しいウソをついた。


「んふー!!」


 心底、嬉しそうな表情のイーリン。


「そ、それじゃあ! ビートくんたちを探しに行きましょう!!」

「おー!」


 そう言って彼女たちは監獄の奥へと歩みを進めた。

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