時間稼ぎは許しません
月夏が現れたのは多分一番私に執着していたから
私たちにとって一番のデメリットは時間が限られていること
つまり、時間稼ぎ
邪魔だしさっさと潰しちゃおうかな…
チラリと横目でシルクスや他のみんなを見てると苛々して先を見据えていた
んー、こりゃ限界かな?
「月夏、邪魔だよ私達は先にいかなきゃならないんだ構ってらんない」
「楓のお願いなら聞いてあげたいけど、どうせここの先に用があるんでしょ?だからダメ俺に力をくれた恩人がいる筈なんだ。姫様や王子だってこの先居るんだから一宿一飯の恩義は返さないとね」
「…言いたいことは分かった。でも邪魔だし、シルクスが月夏に勝ったら通してもらうよ」
「…楓自身が戦わないの?言っとくけど俺かなり強いよ?」
ああ、私が強いこと知ってるんだ
でも、シルクスには敵わない…はず
シルクスの全力って見たことない
戦いの場ですらシルクスは全力で戦ったことはないんじゃないだろうか
魔法力という点では私の方が上だが、コントロールという点ではシルクスの方が上だ
しかも私という魔法力の供給源があるから実質的には五分五分かシルクスの方が少し上だが、友好の神からどれだけの魔法力を貰ったのか分からない
普通の使い魔じゃ無いからな
肉体を持った神であるからして魔法力に際限はない
まあ、余った魔法力を身体に留めて置くより流した方が肉体に負担がかからないから、肉体寿命は若干普通の祓い師より長いか…いや、肉体にどれだけ負荷が掛かっているか分からないからなあ
その時にならないと分からないだろうけど
どれだけシルクスに負担が掛かっているかによるが…
下手したら私のせいで他人より長生きする可能性はある
まあ、これもその時にならないと分からないだろう
それより今は目の前の月夏をどうにかしないと
「さあ、じゃあ君が居なくなれば楓は俺のモノだし全力でやらせてもらうから」
「絶対にそれはないが、馬鹿に負けるつもりはないから黙れ」
「サクサク潰して構わないからシルクス」
「了解、時間稼ぎさせないさ」
そして始まる戦いはそれはそれは馬鹿馬鹿しい舌戦だった
いや、魔法力での攻撃はしあっていたのだが…
この二人は本当に水と油だと感じた
子供の口喧嘩にしか思えないのは私だけだろうか…
頭を抱えているとモンドさんに肩を叩かれ苦笑いされた…ああ、やっぱりシルクスも痛々しいのか
もしかして一番のマトモなのはマトモに見えないモンドさんかもしれない…
正直月夏が勝ったら私後ボコるつもりだったけど、今のうちに先に進んだ方が良かったかもしれない
よし!先進もう!
こうして下らない舌戦を繰り返してる二人を置いて進むことにした私達は最下層迄すんなり進めた




