理由です
シルクスには最初から期待されてなかったしむしろ私が尊敬していた
同じにおいするのにこんなに強いのかと
多分私は恋する前もシルクスのことばかり考えていた
誰かがいっていた恋は落ちるもの愛は育むものだと
私はまだまだ恋愛には疎いけど
でも、絶対に離れたくないのだ
「私がすべてを決めることでしょう?」
「楓はそいつを選んだから僕達にはチャンスがないと言ってるのかな?」
「そうよ、月夏。私は既に選んでる」
「愛は育むモノだって言ったよね?僕は本気で想ってたよ?」
にっこりと笑いながらわたしに詰め寄る
それを私の前に立ちはだかり守ってくれるシルクス
「君、邪魔だよ?君さえ居なければ楓は僕のものだったんだ」
「それはない。私を見下してる月夏と王子に私が恋をするとは思えないしあり得ない」
そう、それが例え向こうの世界だったとしても
「大丈夫、僕は上手いよ?力だって楓よりあるし既成事実って良い言葉だよね」
「…俺様は痛くても平気だぞ」
…なにいってんでしょうねこの馬鹿どもは
「兎に角、シルクス以外の男に興味ないから私は朝御飯食べるから月夏と王子はさっさと帰ってくんないかな」
「楓、昨日の軽食で良いのか?」
「妊娠してる訳じゃないから平気よほら、さっさと出ていって」
無理矢理二人を外に出すと夜のうちに冷えきったスープを暖め直しパサついたパンとサンドイッチを食卓に並べる
「…あれで諦めたとは思えないな…」
「そうね、何度でも来るでしょうね」
「必ず守るから。アスと楓は」
「私は守られるだけの女じゃないわよ」
「分かってるさ共に戦う仲間で恋人だついでだから婚約もしちゃうか?」
「二神様の許可とったらね」
「神世に行けたら良いんだけどなぁ」
「にしても、変態俺様はやっぱり友好の神に引っ張られてるね」
「勇者もな。あれが一番危険だ」
「取り巻きから誰か見繕ってくれないかな友好の神子とか」
「ないな〜俺がいないときは、アレクかレイと一緒に居てもらえると心配ないな」
温めたスープに口をつけたら何故だかホッとした
「楓」
「なに?」
いきなり横に来たかと思えば頬に柔らかな感触…
……………キスされた?
「き、ききき…」
「恋人なら当たり前だろう?俺がどれだけ待ったと思ってるんだ」
そんなにしたかったのか添い寝
「添い寝はしばらくしない。でも、おはようとお休みのときはキスするからな。ガキの頃オヤジが良くやってくれたんだあんなになる前だけどな」
なんですと!?
「カイルさんマトモな時あったんだ」
「俺が思春期真っ盛りのこれからになった俺が片親だけなのを気にしてくれたんだと思うあんなでも大事な親だよ」
…羨ましい私はいつもいい子じゃなきゃならなかったんだ
同じ親なのに育ちかたが違うのは仕方ないことないこと
「オヤジは楓も自分の子供だと思ってるぞ?」
「カイルさんが?」
初耳だ。私は現世にも親ができたらしい
でも、嬉しいな…私がシルクスを好きになって一番喜んでるのはカイルさんかもしれない




