その51 武器はカッコイイ方がいい
本当に申し訳ない!
テストやらなんやらが重なって全く投稿出来ていませんでした。
これからは必ず定期投稿するので、読んでいただけると嬉しいです…
申し訳ない…
「優樹。」
「うん?終わった?」
「終わったよ。」
早いな。
さて、どれぐらい稼げたのかな?
「お金どれぐらーい?」
「えーっと…」
翔が小袋に手を入れ、お金を数え始める。
「・・・大体銀貨十五枚ぐらいか?」
「え?それだけ?」
昨日の倍もいってないぞ。
「これだけだな。たぶん、素材がなかったからじゃないか?」
「あー、そうかも。」
そんな話をしながら、俺たちは街を歩きだす。
「今日はどこに行きたい?まだ昼だから…時間はたくさんあるぞ?」
うーむ。
あ、そうだ。
「・・・翔って、武器あったっけ?」
「どういうことだ?俺に武器なんて…」
「その姿で近接武器がないと辛くないか?」
「・・・それはまあ…たしかに…」
「じゃ!買いに行こう!」
これで、俺がどこに行こうとしてるか、わかったかな?
そう、武器屋です!
翔も近接武器ないとキツいでしょ?
なら、買いに行こう!
・・・てのは建前で、俺もいい感じの武器欲しい!
カッコいい刀とか欲しい!
・・・え?
おまえもう武器あるだろ、って?
鱗魔の剣は性能はいいけど、見た目がちょっと…
剣から鱗生えててきっしょい。
自分で作ったけど。
大剣は重すぎて普段使いできないし…
だから買わないと。
・・・自分で作れ?
それはその…違うやん!
ロマンというか…
・・・本当はちゃんとした異世界の武器見たいです!
使ってみたいです!
これが本音!!!
満足か!?
・・・ふぅ。
取り乱した。
まあそんなわけで武器屋行きたいわけ…
ってもう目の前じゃん。
まあ結構歩いたし。
ではさっそく…
カラン、カラン…
俺は、武器屋のドアを押し開けた。
「おぉ…」
思わず、息が漏れる。
内装はシンプル。
一見するとノーマルな一軒家だ。
だが、壁だけは違う。
オーソドックスな片手剣から両手剣、さらに斧や、果てはグローブのようなものまで、たくさんの武器が飾ってある。
これが異世界の武器…
想像よりしっかりしてる。
なんかこう、形状だけを意識して機能は終わってるもんかと。
そんなわけないけども。
「翔はどんな武器がいい?」
「そんな大層なものはいらないよ。短剣ぐらいで十分。」
「なら良さげなの探すか…あ、あとついでに鱗魔の剣出して。」
「え?なんで?別にいいけど。」
翔が虚空から武器を取り出す。
それを俺は手に持った状態で、飾ってある武器と見比べ始める。
うーん。
やっぱり形状が頭おかしいな。
普通の剣の片側からこう…
丸い鱗が何個も生えてる感じ。
例えるなら…ノコギリ、とか?
さすがに見た目が悪い。
今までは性能特化で考えてたから、これが最適だったけどね。
外に出て人の目がある今、この見た目はさすがにちょっと…
良さげな武器買おう。
これは今じゃなくてもいいけど。
お金ないしね。
カチャ…
良さげな剣を持って見るが…軽い。
鑑定してみると…やはり、鱗魔の剣の足元にも及ばない。
この程度の剣だと本気で振っただけで壊れるかも。
やっぱり無理か…
鱗魔の剣で我慢するか…?
むーん。
でもやっぱりカッコイイ武器使いたいよなぁ…
そんなことを考えていると。
「おい!あんちゃん!」
急に後ろから声が聞こえ、振り向く。
「そうだ、あんちゃんだ。その剣を見せちゃくれねぇか?」
そこには、三十代ほどの男…この店の店主だろう男が立っていた。
剣って…鱗魔の剣のこと?
なに?
剣を出してることに怒ってるわけ…じゃなそう。
じゃあなんだ?
別に見せるのはいいけど。
「この剣?いいけど…見た目、悪いですよ?」
性能はお墨付きだけど。
心の中で補足説明を入れる。
「そんなんどうでもいい、俺に一回、見せてみな。」
俺は剣を店主に渡す。
すると、すぐに店主は剣を舐めるように見始めた。
・・・これなんの時間?
暇なんだけど。
剣を吟味してくれてんの?
でもそれやってなんになるのさ。
新しい剣を作ってくれるとか?
だとしたらいいけど、そんなわけないじゃん。
「あんちゃん…この剣、俺に預けちゃくれねぇか?」
「へ?」
「俺なら時間と金さえあれば、性能を上げつつ、形を整えることもできるぞ?困ってんだろ?その見た目。」
なんだとこのやろう。
俺の剣の形が変だって言ってんのか。
・・・そうだね。
しかし、この剣、整えてくれるのか…
でも金がなぁ…
キツいよな…
「・・・ちなみに、お代は?」
「この性質の剣だと、普通はとんでもねぇ金がかかるんだが…俺が、この剣を打ちたい。相場の半分、いや、その半分でいい!」
太っ腹だな!
でもそれ、絶対銀貨十五枚じゃ無理でしょ。
「それはありがたいけど…さすがに持ち合わせが…」
「・・・わかった!金はいつでもいい!頼む!この剣を俺に打ち直させてくれ!」
店主が頭を下げる。
・・・そこまで言われると…
預けたくなっちゃうじゃないか…
そもそも剣の見た目良くなるらしいし?
性能も変わらないどころか上がるらしいし?
金の心配も無いんでしょ?
なら───
「優樹ー?選び終わったぞ、って何してるんだ?」
「あっ…翔…」
「その人…店長さんか?何があったんだ?」
「・・・この人に、俺の剣を打ち直してもらおうかと…」
「・・・は?お金は?」
「いつでもいいって…」
「いい訳ないだろ。俺たちは今、ほとんどお金を持ってないんだぞ?」
うう。
正論やめてよ…
俺が翔に詰められていると、頭を下げていた店主が翔に話しかけた。
「ええと…嬢ちゃんか?」
「あ、いいえ。男です。」
「なら……まあ、別にいいか。嬢ちゃん。」
呼び方変えないんかい!
なんで聞いたんだよ。
翔も困惑してるよ!
「俺はな…この剣を打つ時、ほんとなら金なんか取りたくねぇ。俺が頼んでんだからな。だがな…これには莫大な金がかかる。これに金を使い切ると、生活が怪しくなるんだ。」
「・・・つまり?」
「俺は金をもらうまで借金して暮らす。それから、いつでもいいからその借金を返せるだけの金を払ってくれればいいんだ。だから頼む。俺に、その剣を打たせてくれ。」
翔が考えこみ始める。
許されたか?
「・・・なぜ、そこまで?」
「この剣には、俺が打ちたかった剣の要素が全て入ってる!魔神岩に、鋼鱗、さらには付与効果まで!そんな剣にはもう二度と会えねぇかもしれねぇんだ!」
はえー。
この剣そんな凄かったんだ。
店主の話を聞き、難しい顔をしていた翔の顔が…綻んだ。
「熱意は、とてもわかりました。では、この剣の打ち直し、お願いします。」
翔が頭を下げる。
キター!
すかさず俺も口を開く。
「俺からも、お願いします!」
「おお!やらせてくれるか!ありがてぇ!それなら俺も全力で剣を完成させてやる!」
店主もニコニコだ。
「そういえば結局、どれぐらいのお代になるんですか?」
思い出したかのように、翔が聞く。
軽く、聞いた。
「ああ…うん。ざっと金貨三十枚だな。」
だが、金額は重かった。
そして、空気も重くなった。




