その50 働け働けぃ!
ここか。
依頼の場所は。
ここまで来たはいいものの…
何したらいいんだっけ?
たしか翔は…
「まず一つ目の依頼だけど、薬草採取だね。」
「薬草…?どんなのを取ってくればいいの?」
「エルコット草っていう薬草で、見た目は───」
・・・あれ?
見た目は…
どんなんだっけ?
まずい。
思い出せない。
え?
どうすんの?
見た目わからないとどうにもならんぞ?
依頼が完了できないと…
翔に怒られる!
えー…と、あ。
そうだ。
鑑定使おう。
草の名前見れば採取できるはず。
なーんだ、こんな簡単なことだったのか。
じゃあさっさと集め始めよーっと。
今、俺は森の中を爆速している。
魔物なんかには目もくれず、走り続けている。
薬草を見つけるために。
うおおおおおおお!
鑑定鑑定鑑定!
───
エルコット草
───
またあったぁ!
よっしゃい!
でもまだまだ足りないな。
もう疲れて来たんだけど。
まあ仕方ないか…
また、俺は走りだす。
鑑定!
鑑定鑑定!
おっ、ここいっぱいあるじゃん。
全部持って行こー。
あ、てかこれで…
ひいふうみい…よし!
集まった!
完璧!
これで、この依頼はもう集めた草をカウンターに出すだけだ。
てことで、次の依頼行こー!
次はたしか討伐依頼のはず。
どれを殺ってくればいいんだ?
えー…
「二つ目の依頼は、スライムの討伐依頼だよ。」
「スライム?スライムって…」
「たぶん、優樹の想像してるスライムで合ってると思う。特徴は…ゼリー状で、ほぼ球体、中に核があるらしい。」
「わかった!やって来る!」
「お、おい!優樹!?ちょっと───」
・・・そういえばこんなことあったな。
なーんも聞かずここまで来たんだったなぁ…
翔怒ってるかね。
まあいいか。
で、スライムだっけ。
スライムと言えば、俺が想像するのはキメラスライムだな。
あのバケモン…強かったなぁ…
今なら余裕だけど、いっぱい出てきたらキツそう。
やっぱり強すぎるよ!
初心者向けじゃない!
まあたぶん討伐するのは普通のスライムでしょ。
ならたぶん余裕でしょ。
さーがそ。
また森の中を疾走していると、なにか丸い、動いているものを見つけた。
お?
あれじゃね?
鑑定!
・・・うん、スライムだ。
戦闘用意…って剣忘れた!
翔が出してくれる前に走ってきたから。
どうしよ。
・・・久々に使うか。
俺は魔法を発動し、一つの剣を作り出す。
闇剣!
この黒い剣、ほんとにひっさしぶりに見た。
では早速。
俺はスライムに向け剣を振る。
・・・うわ!
距離感間違えた!
これだとスライムに剣が届かな…
パァン!
えぇ…
よっわ。
今、剣で切ってないのに剣に乗った波動で死んだよな?
弱すぎません?
そもそもスライムって核に攻撃しないといけないはずじゃ…
もしかして掠って死んだ…?
嘘だろ?
スライムのイメージには合ってるけどさ…
限度があるでしょ。
ま、こんだけ楽ならすぐに依頼達成できるか。
たしか二十匹だったか?
よゆーよゆー。
空間感知をフル稼働したらスライム程度すぐ見つけられる…はず。
うーー…
・・・いた!
しかも固まってる!
めっちゃいい!
早く行かなきゃ!
かなり近いし、すぐでしょ。
俺が一瞬でスライムの前に到着する。
と、スライムは驚いたような動きをし、集まっていた三十体ほどが、さらに一点に集中し始める。
え?
もしかしてあなた、合体とかするんですか?
俺の予想は、的中した。
スライムは、一つの塊となり、俺に襲いかかってきた。
うお!?
危ない!
触手を生やして叩きつけてきたぞ?
・・・って、この攻撃方法、キメラスライムと一緒じゃねぇか!
触手で、叩きつける!
それがわかったら楽勝!
倒し方も一緒だろ。
魔孔眼で核を見つけて…突く!
ドッパァン!
よしよし。
これで終わりかな。
スライムの討伐の証ってなんだっけ?
核かな?
それなら砕けたやつ集めて帰ろう。
疲れたー。
やっとギルド着いたー!
大変だった…
袋とか持ってないし、全部手に持ってきたからほんとに大変だった…
依頼受けたの翔だし、合流したいんだけど…
辺りを見回すと。
あ、いた。
「翔…」
「優樹か。おかえり。」
「ただい、まっと。
ドサッ!
俺は荷物を全て翔が座っている机に置く。
すると、当たり前に机にスライムの核と薬草が散乱する。
「これ…ああ、そうか。袋も何も持って行かなかったから…」
「そう!大変だった!」
「俺の話を聞いてくれてればね…急に飛び出して行くから…」
「ごめん…早く行きたかったんだもん。」
「次からはちゃんと話聞いてな?」
それもそうだけど…
俺はそれより。
「いや!もう個別で依頼受けない!」
「・・・え?なんでだ?」
「やっぱり翔がいた方が効率がいい!それで全体効率が落ちるとしても、一緒に依頼を受けたい!」
それに、翔がいた方が楽しいしね。
「俺は優樹の選択を尊重するけど…それでいいのか?」
「いい!だからこれからはずっと一緒に受けよ?」
「・・・わかった、とりあえず依頼完了して来る。」
「いってらー。」
翔がカウンターに向かい、離れる。
ふぅ。
やっぱり俺は、翔と一緒じゃないとダメだ。
離れられない。
もしかしたら、翔を拘束してるかもな…翔は一人でなんでもできるから…
俺は、このままでいいのかな。




