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前世に飽きた魔王の孫、世界に首を突っ込む 〜退屈だから全部かき回す〜  作者: 暇凡人T
二章 冒険者始動編

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その50 働け働けぃ!

 ここか。

 依頼の場所は。

 ここまで来たはいいものの…

 何したらいいんだっけ?

 たしか翔は…


 「まず一つ目の依頼だけど、薬草採取だね。」

 「薬草…?どんなのを取ってくればいいの?」

 「エルコット草っていう薬草で、見た目は───」


 ・・・あれ?

 見た目は…

 どんなんだっけ?

 まずい。

 思い出せない。

 え?

 どうすんの?

 見た目わからないとどうにもならんぞ?

 依頼が完了できないと…

 翔に怒られる!

 えー…と、あ。

 そうだ。

 鑑定使おう。

 草の名前見れば採取できるはず。

 なーんだ、こんな簡単なことだったのか。

 じゃあさっさと集め始めよーっと。



 今、俺は森の中を爆速している。

 魔物なんかには目もくれず、走り続けている。

 薬草を見つけるために。

 うおおおおおおお!

 鑑定鑑定鑑定!


 ───


 エルコット草


 ───


 またあったぁ!

 よっしゃい!

 でもまだまだ足りないな。

 もう疲れて来たんだけど。

 まあ仕方ないか…

 また、俺は走りだす。

 鑑定!

 鑑定鑑定!

 おっ、ここいっぱいあるじゃん。

 全部持って行こー。

 あ、てかこれで…

 ひいふうみい…よし!

 集まった!

 完璧!

 これで、この依頼はもう集めた草をカウンターに出すだけだ。

 てことで、次の依頼行こー!

 次はたしか討伐依頼のはず。

 どれを殺ってくればいいんだ?

 えー…


 「二つ目の依頼は、スライムの討伐依頼だよ。」

 「スライム?スライムって…」

 「たぶん、優樹の想像してるスライムで合ってると思う。特徴は…ゼリー状で、ほぼ球体、中に核があるらしい。」

 「わかった!やって来る!」

 「お、おい!優樹!?ちょっと───」

 

 ・・・そういえばこんなことあったな。

 なーんも聞かずここまで来たんだったなぁ…

 翔怒ってるかね。

 まあいいか。

 で、スライムだっけ。

 スライムと言えば、俺が想像するのはキメラスライムだな。

 あのバケモン…強かったなぁ…

 今なら余裕だけど、いっぱい出てきたらキツそう。

 やっぱり強すぎるよ!

 初心者向けじゃない!

 まあたぶん討伐するのは普通のスライムでしょ。

 ならたぶん余裕でしょ。

 さーがそ。

 


 また森の中を疾走していると、なにか丸い、動いているものを見つけた。

 お?

 あれじゃね?

 鑑定!

 ・・・うん、スライムだ。

 戦闘用意…って剣忘れた!

 翔が出してくれる前に走ってきたから。

 どうしよ。

 ・・・久々に使うか。

 俺は魔法を発動し、一つの剣を作り出す。

 闇剣!

 この黒い剣、ほんとにひっさしぶりに見た。

 では早速。

 俺はスライムに向け剣を振る。

 ・・・うわ!

 距離感間違えた!

 これだとスライムに剣が届かな…


 パァン!


 えぇ…

 よっわ。

 今、剣で切ってないのに剣に乗った波動で死んだよな?

 弱すぎません?

 そもそもスライムって核に攻撃しないといけないはずじゃ…

 もしかして掠って死んだ…?

 嘘だろ?

 スライムのイメージには合ってるけどさ…

 限度があるでしょ。

 ま、こんだけ楽ならすぐに依頼達成できるか。

 たしか二十匹だったか?

 よゆーよゆー。

 空間感知をフル稼働したらスライム程度すぐ見つけられる…はず。

 うーー…

 ・・・いた!

 しかも固まってる!

 めっちゃいい!

 早く行かなきゃ!

 かなり近いし、すぐでしょ。

 俺が一瞬でスライムの前に到着する。

 と、スライムは驚いたような動きをし、集まっていた三十体ほどが、さらに一点に集中し始める。

 え?

 もしかしてあなた、合体とかするんですか?

 俺の予想は、的中した。

 スライムは、一つの塊となり、俺に襲いかかってきた。

 うお!?

 危ない!

 触手を生やして叩きつけてきたぞ?

 ・・・って、この攻撃方法、キメラスライムと一緒じゃねぇか!

 触手で、叩きつける!

 それがわかったら楽勝!

 倒し方も一緒だろ。

 魔孔眼で核を見つけて…突く!


 ドッパァン!

 

 よしよし。

 これで終わりかな。

 スライムの討伐の証ってなんだっけ?

 核かな?

 それなら砕けたやつ集めて帰ろう。

 疲れたー。


 

 やっとギルド着いたー!

 大変だった…

 袋とか持ってないし、全部手に持ってきたからほんとに大変だった…

 依頼受けたの翔だし、合流したいんだけど…

 辺りを見回すと。

 あ、いた。


 「翔…」

 「優樹か。おかえり。」

 「ただい、まっと。


 ドサッ!

 

 俺は荷物を全て翔が座っている机に置く。

 すると、当たり前に机にスライムの核と薬草が散乱する。


 「これ…ああ、そうか。袋も何も持って行かなかったから…」

 「そう!大変だった!」

 「俺の話を聞いてくれてればね…急に飛び出して行くから…」

 「ごめん…早く行きたかったんだもん。」

 「次からはちゃんと話聞いてな?」


 それもそうだけど…

 俺はそれより。


 「いや!もう個別で依頼受けない!」

 「・・・え?なんでだ?」

 「やっぱり翔がいた方が効率がいい!それで全体効率が落ちるとしても、一緒に依頼を受けたい!」


 それに、翔がいた方が楽しいしね。


 「俺は優樹の選択を尊重するけど…それでいいのか?」

 「いい!だからこれからはずっと一緒に受けよ?」

 「・・・わかった、とりあえず依頼完了して来る。」

 「いってらー。」

 

 翔がカウンターに向かい、離れる。

 ふぅ。

 やっぱり俺は、翔と一緒じゃないとダメだ。

 離れられない。

 もしかしたら、翔を拘束してるかもな…翔は一人でなんでもできるから…

 俺は、このままでいいのかな。

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