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最狂最悪の魔王の孫に転生しました。  作者: 暇凡人T
一章 迷宮編

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その32 激戦の勝者は…

10日間、待たせてしまいすいませんでした。

お詫びと言ってはなんですが、今日と明日、連続で投稿させてもらうので、ぜひ見ていってください。

 巨大蛇は、逃げていった獲物を追う。

 何度も打ちのめしても、立ち上がってきた獲物を。

 視界に人影が入る。

 速度を上げ、大口を開け、噛み砕きにいく。

 

 「シャガァアァァ!」


 巨大蛇が吼える。

 それと同時に獲物に齧り付く。

 

 ガガガン!

 

 口内に入ったものを咀嚼するが、土砂しかないように感じる。

 物体感知が反応する。

 獲物は体の後ろに回ったようだ。

 背後を取られたが、問題はない。

 あの程度の攻撃では、負けるなんてことはありえない。

 そう思考する巨大蛇。

 慢心しているのだ。

 

 ズッッガァァァン!!!


 突如、自身の後方から轟音が響く。

 一体何事かと思い、後ろを向く。

 そこにあった自身の胴体は、いや、「あったはずの」胴体は…

 存在しなかった。

 そう、「なにも」なかったのだ。

 その瞬間、全身に激痛が走り、のたうち回る。

 なにもなかったといったが、正確には、斬り飛ばされた巨大蛇の胴体と、それを引き起こした者がいた。

 それは、巨大蛇が獲物として狙っていた者だった…

 

 

 よっしゃあ!

 上手くいった!

 この力は通用する!

 ・・・それは嬉しいけど、ちょっと予想外。

 まさか一撃で両断するとは…

 だって鏡鱗を落としたところならまだしも、まったく無傷のところを叩き切ったからね。

 相当威力あるってことでしょ?

 リミットブレイクと魔人化併用してもできないよ、そんなこと。

 今後これを使いこなせるようになったら、かなりの戦力増強になるな…

 でも今はそんなことを考えてる暇はない。

 なぜなら、もうHPがギリギリだから。

 魔人化の維持も持って数分。

 これ以上なにか攻撃を喰らえば、確実に勝てない。

 慎重に、だけど迅速に行くぞ。

 巨大蛇の周囲が灰色に光るのを、発動していた魔孔眼が捉える。


 「ぐっ!?」


 また重力磁場か!

 体が重い…!

 でも動かないと。

 全力でアイツを注視しろ。

 攻撃は絶対に受けるな。

 巨大蛇の頭部に魔力が集まるのが見える。

 そのおかげで攻撃がくるのはわかる。

 どこからくる?どうやってくる?

 思考を巡らせる。

 横薙ぎか?それなら上に跳んで…

 ん?

 ふと、巨大蛇が反り返っていることに気づく。

 なんでだ?なんで反り返って必要がある?

 ・・・もしかしたら。

 俺は思い切り横に跳ぶ。

 その直後。


 ドガァァン!


 巨大蛇が頭を振り下ろした。


 あぶな!

 読みが当たって助かった。

 被弾できないと、こんな綱渡りの戦いを強いられるのか…!

 いつもは、被弾覚悟で突撃して勝ってるから、この戦い方に慣れてない。

 だから早く決着をつけたいのに、隙がない!

 さっきの一撃で完全に警戒されてる。

 一発も入れる隙がない。

 入れられたとしてもすぐにカウンターを貰うだろう。

 今は攻撃を避け続けるしかない。

 


 ふっ!はっ!よっと!

 連続で攻撃を回避する。

 避けること自体には慣れてきた。

 ただ、まだまだ隙がない。

 どうする?

 これ以上長期戦になると魔人化が切れる。

 だから魔人化を解除するのもアリではあるが…

 魔人化を解除した状態の速度で、攻撃を避けられるのか?

 そこが懸念点で解除にまで踏み切れない。

 でもこのまま戦闘しても、結局MP切れで魔人化は解除されちゃうからなぁ…

 どうしたらいいのやら。

 ・・・ん?

 なんか巨大蛇が変な体勢を取ってる?

 こう、地面に伏せて力を溜めてるみたいな…

 瞬間、巨大蛇が猛スピードでこちらに襲いかかってきた。

 なっ!?

 完全に予想外!

 全力回避!

 上に跳躍するが、巨大蛇は方向を変えてこちらへ跳んでくる。

 まだ追ってくるのか!?

 なら、天落斬!

 これで防ぎつつ下に降りる!

 

 ドガガガガガガガッ!


 ズドォン!


 よし!攻撃をいなしつつ降りられた。

 即座に巨大蛇に視線を向ける。

 そこには、天井に突き刺さった巨大蛇がいた。

 えぇ…

 めっちゃシュール。

 あっ、天井に潜り込んでいった。

 視認できなくはなるけど、物体感知で気配は追えるから問題なし。

 奇襲されることはない。

 アイツは何がしたかったんだ?

 そんなことを考えていると。

 

 ドゴォン!

 

 上から衝撃音が聞こえた。

 何事かと上を見上げるが───

 

 天井が崩落し、大量の瓦礫や土砂が降り注いできていた。


 

 はぁっ!?

 なんでこんな大規模な崩落が起きて、って、あ。

 俺は思い出す。

 巨大蛇によって、現在の周囲の重力は数倍になっているということを。

 まさか、これを見越して!?

 いや、今はそんなことはどうでもいい!

 防御、いや、剣戟球!

 

 ズガガガガガガガガ───

 

 ずっと降り注ぐ瓦礫。

 それを全て捌く。

 いつ終わるんだ!?

 瓦礫を捌くのに必死になっていた俺は、視界の端に映るそれを認識できなかった。

 巨大蛇がもう一度、こちらに突撃しようとしている様子を。

 

 「シャァァガァアァァァァ!!!」

 

 巨大蛇が吼え、それが耳に入る。

 やっと巨大蛇に気づくが、もう遅い。

 なぜなら、もうこちらへ高速で向かってきているからだ。

 ここからどんなに早く準備しても、不完全な技しか放つことはできない。

 詰みだ。

 それでも、俺は不完全でも技を使うことを選んだ。

 構えるのは、使い慣れた技。

 一番体に馴染んだ技。

 それに空間の裂け目の力、それを乗せる。

 構えを作ると、いつも鑑定結果が浮かび上がるように、技の名前が浮かび上がる。

 その浮かび上がった技名は見覚えがなかったが、そんなことを気にしている場合ではない。

 大口を開け、巨大蛇が迫ってきている。

 俺は、浮かんだ技名を叫んだ。


 「次元、抜刀!!!」

 

 剣を振り抜く。

 巨大蛇の牙が体に触れる直前。

 剣が巨大蛇に命中。

 

 ズッッッッッッガァァァァァァン!!!!!

 

 剣と巨大蛇の衝突によって響く爆音を聞きつつ。

 俺は魔人化が切れ、力尽き、意識を失った…

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