その25vs瞬嵐龍-2
さて、一旦離れた訳だが。
一応魔眼で注意しとこう。
とんでも火力の魔法が飛んできてお陀仏なんてごめんだからね。
魔人化もオフと。
超重領域は維持。
あの龍は自由にしちゃいけない。
で、どうしよう?
どうやら魔法は超重領域の影響下でも打てるみたいだから、むやみに近づいたら死ぬぞ。
直撃もらってないのにボロボロ。
一発なら魔法も捌けるよ?
でも魔法は連射できるみたいだし、そうなると、離れてないとさすがに見切れない。
やっぱりヒットアンドアウェイ?
ダメだ。
時間がかかりすぎる。
もしSPがなくなって重力磁場が切れたら、、、
想像もしたくない。
速攻が俺の戦闘スタイルだし、すぐ倒せる作戦がいいな。
・・・最近よく撤退してるって?
一回逃げでもしないと冷静に考えられないの!
そのまま突撃しても勝てないこと多いでしょ?
ちゃんと学習してるわけ。
だから、口を出すなぁ!
ふぅ。
落ち着いた。
で、短期決戦できる作戦ねぇ、、、
被弾覚悟の特攻するか?
うーん、いや、無理だな。
一撃で葬れるだろう首を狙っても、まず狙う位置の鱗を落としてから首を断たないといけないから。
その二回の行動の内にどれだけ魔法が撃ち込まれるかっていう話。
まあさっきの連射速度から見るに、蜂の巣になって当然だろうね。
せいぜい鱗落とすところまでが関の山でしょう。
じゃあ鱗落とすのと首を断つのを別々にするか?
うーん。
魔人化が持つか怪しい。
そもそも、さっきは超重領域発動直後っていうアドバンテージがあった上に成り立ってた奇襲攻撃なわけで、、、
もう一度やるとなると、こっちの行動を相手は予想してるわけで、、、
鱗を落とすその一回の行動で再起不能になる可能性も、、、
考え出したらキリがない。
こんなこと考えてる内にHPとSPがゴリゴリ削られてるんだよ。
ほんとにもうすぐ決めないと間に合わなくなる。
なんか、もっとこう、革新的なアイデアが出ないもんかね。
持ってるスキル色々覗いてみるか。
・・・うーーーーん。
あ。
「ぁ。」
おっと、声漏れてた。
そんなことより、「これ」忘れてた、、、
「これ」ならやれるのでは?
魔法への対策になりそう。
ある程度魔法の軌道が分かればいけるぞ。
軌道は魔眼があるし、これしかない!
・・・ちょっとだけ練習しておこう。
よし。
行こう。
イメージは完璧。
さあ、瞬嵐龍よ。
やろうじゃないの。
龍がこちらに気づく。
それに対応して、思わず歩みを止める。
魔法来るか?
うん?
魔力の動きは見える、だけど、魔法は飛んでこない。
それに、妙に魔力が濃くなってるような、、、
どんどん密度が上がってる、、、?
・・・ッ!?
今のは、未来予測?
世界が重なって見えた。
その世界で見えた光景は、、、
いや!
そんなことより!
回避!
横へ全力で跳躍する。
ブオォン!
何かがすぐそばを高速で通りすぎる音が耳に入る。
ズガァァァァン!
その後、後方から爆音が響いた。
「ぜえ、はぁ。」
セーフ!
ギリギリだけど。
未来予知発動してこれって、やばくない?
今のはなんだ?
えげつなすぎる。
少なくともさっきまでの魔法とは全く違う。
アイツの持ってる中の該当する魔法は、、、
これか。
瞬嵐槍。
瞬嵐槍:瞬嵐属性の槍を作成する。
瞬嵐属性:風属性の最上位属性。
それにしてもおかしくない?
名前と性能からして闇槍の属性違いの魔法でしょ?
俺が使う闇槍は発射とか出来ないんだが?
まあ重力磁場使えば出来るけど、アイツは持ってないし。
なんかやり方があるんだろうか。
まあそんなの後でいい。
なぜならもう二発目が来てるからッ!
ブオォン!
ズガァァァァン!
今度もギリギリ!
発射された後、全く見えない。
ほぼ感覚で跳んでる。
さっきの魔法が簡単に捌かれたからって強い魔法使いやがって、、、
・・・この対策通用するか?
いや、やるしかない!
発射タイミングを見極めろ。
魔力が集まって、さっき見た濃度になるまで我慢。
ここだ!
超重砲!
ドッッッッッ───
くっ、キツいか!?
いや、いける!
出力上げろぉぉ!
パァン!
よっしゃあ!
相殺成功!
思った通り。
ミサイルにはビームだよね!
このまま接近しよう。
さっきまでの繰り返しだ。
魔力の集まってる地点を凝視、濃度を見極めて超重砲。
ドッパァン!ドッパァン!ドッパァン!
よし。
いける!
走り出す。
強力な重力で押さえつけられた龍の首。
それのすぐ近くまでたどり着く。
魔法に貫かれないよう、走りながら剣を構える。
剣先は後ろ、剣を地面と水平に持つ。
走り続ける。
剣を振る。
首を飛び越えるため、跳躍する。
バリバリバリン!
鱗落とし。
成功を見届け、着地する。
ドドドドドドォン!
頭上で魔法の炸裂音が聞こえる。
無視してトドメの用意を始めようとすると。
「グオオオオオオオン!」
龍が吼える音が、耳を劈く。
それと同時に、横たわっていた龍が立ち上がる。
それを見て俺は即座に距離を取った。
耳イッタァ!
デカい声だしおって、、、
まだ立ち上がれる力が残ってたとは。
龍がこちらに走り出す。
っと、こっちに突進してくる気か?
好都合だ。
次の攻防で仕留めてやる。
「ガアアアアアア!」
こんな重力と左前足欠損した状況でよくそんな速度出るよ。
やっぱり格上なんだなぁ。
でも、勝つのは俺だ。
突進が来る。
ドスンドスンドスン!
瞬身剣でいなす。
ドガガガン!
おっと、また龍が倒れ込んだ。
そして反撃、これは期待してない。
カキン!
うん、弾かれた。
だって足に当たったし。
ただ、鏡鱗の反撃を受けないからそれでいい。
こっからが大事。
まず跳躍───
なっ!?
周囲を魔法で包囲されていることに気がつく。
ならこっちだ!
翔乱剣!
刀剣術Lv7:翔乱剣
翔乱剣:剣を地面と水平に構え、身体をねじりつつ跳躍。跳躍中、ねじれを戻す勢いで周囲を斬りつける。
ガガガガガガガガガ!
魔法を全部薙ぎ払って跳躍成功!
で、ここで超重領域解除!
そして、全部剣に乗せる!
最後、天落斬!
刀剣術Lv8:天落斬
天落斬:空中にいる状況のみ繰り出せる。剣を大上段に構え、落下に合わせ振り下ろす。
これを首に!
「いっけえええええ!!」
「グオオオオ───」
ズッドオオオオオオオオン!!!




