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出てってほしいだけなのに

「居候!今日こそ俺の家を出てってもらう!」


「ヘーガンバレーオウエンシテルヨー」


「おめえを追い出すって言ってるんだよ」


状況を説明しよう。

3ヶ月前、一人暮らしで中学校に通っている俺の家に何故か

モッフモフの尻尾と耳が生えた犬(?)人間(?)が現れた!


当時の行動として、


【通報】 【追い出す(口論)】 

【追い出す(力ずく)】

【ナイフを投げる(もし当たったらどうするかそのあと考えるものとする)】

という行動を行ったが…


【通報】→すぐ警察が来て捕まったが、

何故か釈放され、次の日の朝、あいつは居た。

ちなみにその時関わった警察は記憶が消し飛んだのか、

覚えてないという。


【追い出す(口論)】→論破王もびっくりのフル無視でソファで寝た。

ざけんな。


【追い出す(力ずく)】→普通の人間がさ、電子ピアノを片手で持ち上げ、

投げたものが全て時速111kmで(調査したところ、何投げようが何故か固定)、

本気でやればデコピンで人を殺められる人に勝てると思いますか?

基本的に無理だよね?


【ナイフを投げる】→腹部に当たったんだよ?繰り返す、当たったんだよ?

けど「逆に何でこれで人を殺せると思ったの?」って言われ、

その次の日には治ってた。

おかしいよね、うん。


というわけで、どんな法的手段でも凶器でも殺せない

(かはわからないけど)ので、こうした。

『ゲームで負けたら出ていく』というルールを提案したところ、

「それならいいよー」と尻尾フリフリしながら言ったから、

こいつのプライドへし折ってやる………とゲームで勝つために色々なゲームで対戦した。


で、この追い出すための「ルール」を設定したのが2ヶ月前。


「上B!上B!上B!....」


「上Bブッパマンしても勝てるわけないじゃん、

ほら、早く一機落とすんだ、ほら頑張れ」


「じゃあ避けんな!」

「無理」

「何で?」


「避けるの楽しいからー(あとその必死こいてる顔面白いから)」

「聞こえてるわ犬女め」


「あ、ごめん。メテオしちゃった。」


「あ゛っ」


「36勝目ー、感情的なゲームプレイやめた方がいいよ」


「俺゛は゛ぁ゛よ゛わ゛い゛!゛」


「そうだねー」


「自認すんな」

「自認したのは君だよ??」


はぁ……いつになったら俺はこいつを追い出せるんだ…

冷蔵庫からおやつとって食べy…

あ。


「お前、俺のケーキ食ったな?」

「だってそれ消費期限切れてたよ」


「…え?まじ?」

「うん。だから食っといた。期限切れでも食いたかったのならごめん。

買っとこうか?」


「いやそこじゃなくて。消費期限だぞ?」

「あ、そこ?」


お腹痛いとかないんだ…。


「で?美味しかったの?」

「まぁ?味は確かに落ちてたけど、

味覚バグらせて生ゴミでも美味しくなるようにバグらせたら結構いける」


「キッショ、ちなみにどんぐらい切れてた?」

「8ヶ月。」


「…………え?」

「そこまで何で放置したのかが逆に気になるよ、私からしたら」


………ん?そんな放置したケーキあったか?

確か8年放置してたケーキは……え…


「なあ、その味覚バグらせるやつってさ、

解毒効果?みたいなのないよな?」

「ないに決まってるじゃん」


「……それ8年前のだぞ?」



「………ぇ?」


はっきりしない声を最後にあいつは倒れた。

腕を触ったところ、冷たい。流石のあいつも超食中毒?には耐えれなかったか。


「よし、邪魔者が消えたわ。

最ッ高に気分がいい!よし宿題&自主勉強d…」

「いや看病してよ」


起きるんかよ…

まぁ何となく期待はしてなかった、うん。


「起きんな」

「何で??」

「居ないって少しでも思えた方が俺は嬉しいから」

「人の心とかないの?」

「インド洋に捨てた」

「じゃあとってくるから待ってて」


すごい風圧で窓ガラスが割れると共に、

あいつは一瞬で消えた。


「なんだ。あいつにも思いやりの心はあったのか」


人のことを考えてくれるなんていいやつじゃないか。

てっきり邪魔しかしない馬鹿だと思ってたが…


「1950年物のルイボスティーでも飲むか」


「いや、何それ」


早いよ!帰ってくるのが!


「インド洋に行ったのでは!?」

「行ったよ。」


「人の心取りに行ったんじゃないのか!?」

「取ってきたよ。」


「え、マジすか、ありがてぇ」


「はい、人の心。」


あいつが持ってきたのはわかめがびっしり付着し、苔とフジツボまみれの

ハートの形をしたピンク(だったんだろう)色の皿(陶器)だった。


「あぁ!!これこれ!これが欲しかったんだよ…なぁ!!」


一瞬だけ手に取り(だって気色悪いから)こいつの顔にぶん投げる。


「うわっ」

「こんなん人の心じゃねぇよ!!お返しします!」


が。ギリギリ触れてない。むしろギリギリで止まってる。

止まり続けている。


「いやー有上限(ゆうげん)術式覚えててよかったぁ〜

もう少しでこの気持ち悪い物体に触れるところだった〜」


「有上限??無◯限ではなく??」

「それだと怒られるから」


「そこには配慮するのかよ」

「するよ」


「てかどこで習ったんだよ?それ」


「【有限会社:ならず者の溜まり場】ってとこだね」


「名前終わってんだろ!絶対悪者しかいない!」


「いやいや、それは偏見だよ。

きっとチェーンソー持ちながら歩いて、目が合ったやつを殺す組織だろうね」


「社会一般ではそれを『偏見』というんだ」



「まぁ冗談はさておき、こんな会社名だけど

月給350万で、ジェンダー平等や戦争をなくすための取り組みや、

社員一人一人が提案したものを実現するために活動する会社だよ。

ちなみにノマドワーカーが基本的に多いらしく、社員の誕生日は全員で祝う。

(退職金あり)という素晴らしい会社だよ。前に見学に行ったんだー」


「会社名から連想するイメージと真逆すぎだろ、

てか何でその会社名になった??」


「なんか全員一人ずつ会社名挙げたらしいけど、

全部被ってたから、こうなったらしい」


「不満が絶対溜まっている、これは」


「私もそう思ったんだけど、みんな

『この会社名で本当に良かった』って言ってたよ」


「社員クレイジーだね。」

「私もそう思う」


「お前は言えないだろ」


「なぜ?」


「キャラ性能がクレイジー」


「ちょっとメタいこと言わないで」





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