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「結局昨日何時に帰ったの?」


 解体を頼む前に、気になったのでリーリルに尋ねてみた。


「え? うーん、11時とか?」


 えー、マジかよ。その時間て俺もう寝てたんじゃないか?


「頑張るのはいいけど、あんまり体は壊さないようにな」


「くす、なんですかそれ。親みたいなこと言わないでくださいよ。まぁ父親のことはよく分かりませんけど」


 おい、ブラックジョークやめろよ。


「あ、ちょっと待った。一つ聞きたいことがあるんだった」


「なんでしょうか?」


「この牛乳牛なんだけど、討伐証明部位が必要なんだ。どれか分かるか?」


「ああ、それでしたら角ですよ」


 やっぱ角だった! 俺の予想は当たってたな。


「まぁ大抵はその魔物の固有の部位がそれに当たることが多いですね。角とかはその代表格ですよ」


「そうか、てっきり尻尾とかもあるかなと予想してたんだがな」


「尻尾がそれに当たる魔物もいますよ? でも角がある魔物はもう角ですね。尻尾とか耳とかだと、倒さずともはぎ取れてしまう可能性もありますから」


「確かに……」


 その通りだった。


「じゃあ証明部位だけ先に剥ぎ取りましょうか? その方がきっといいですよね?」


「ああ、そうだな、頼めるか?」


 俺は牛を並べていき、角だけを剥ぎ取って貰った。

 角だけなら割とすぐだった。


 剥ぎ取って貰ったら一匹を残し、他は収納する。うーん、腐れた匂いもしないし、やっぱりアイテムボックス内の保存の法則が効いてますな。


「それじゃやっていきますね。大体二十分くらいで終わるとは思います」


「そのくらいにまたくればいいんだな」



 ということで俺は一旦その場を後にした。

 これって意外と面倒くさいな……まめに俺が介入しないといけないんだもんな。

 まず解体するために肉を置いて、解体が終わったら収納。それを肉屋に持っていく……

 これを一匹ずつやらないと、鮮度が保たれないのだ。

 いや、まぁ肉屋に持っていくのは一番最後の最後に纏めてでもいいかもしれないが、それでもだ。

 下手したらそれだけで一日潰れることないか?


「ワンチャン、リーリル以外の奴にも解体を頼んでみるか?」


 そうすれば一気に肉をさばけるから時間的には大分楽に……いや、でもアイテムボックスの存在をあんまり知られるのはマズいかな。リーリルだったからまだ良かったものの、他の奴らならすぐ噂が広まってダルいことに……うーん、まぁ別に現状そこまで切羽詰まってるわけじゃないし、これをちまちま続けていくのも悪くはないか……



「待てよ?」


 俺は画期的な方法を思いつき、解体場に後戻りする。


「あれ、ピースさん」


「作業中悪いな、一つ聞きたいんだけど、保冷ボックスだっけ? あれっていくらするの?」


「え? そうですね。大きさにもよりますが、標準的なので金貨四枚はするかと」


 マジかよたけー。


「そんなするの?」


「魔結晶を使ってるので、それくらいはしちゃいますね。でもあると便利なので、解体にはいくらあっても欲しい必須のアイテムです」


「うーん」


 俺の考えた作戦は保冷ボックスを買いまくって捌いたお肉を入れておいて貰うってものだったんだが……。そうすれば朝に全部の肉をリーリルに預けて、夕方にでも纏めてお肉屋に持っていけば、時間的余裕がかなりできると思ったんだけど。


「その保冷ボックス一個に牛乳牛一頭分の肉って入るか?」


「うーん、ギリギリ一頭分か、入り切らないくらいかもしれないですね。大きいサイズのボックスであれば入ってくれるとは思います」


 まぁどの道この作戦はお金がもうちょい溜まってからだな。

 てか牛乳牛何匹か売れば可能じゃないか?

 よしそれでいこう。

 俺は効率厨なんだ。絶対保冷ボックスは欲しい。



 また二十分後に来ると言って現場を後にした。







 再びギルドに入り、受付へとやってくる。

 もちろん依頼の達成報告をするためだ。



「そこまでは並んでないか」



 人はそこそこいたが、ギルドスタッフが何人もいてカウンターが何個か解放されていたので、人の流れはスムーズに見えた。


「何してるの」


 並んでいると、なぜかユイセが横にやってきた。


「あんたも暇だなぁ」


「暇じゃないから! まぁここ一週間くらいは休息っていう風になってるから暇といえば暇だけど……」


「依頼とか受けないのか?」


 昨日は受けてなかったかこいつ?


「迷ってるところ。引きこもっててもアレだから、かるーく受けれるようなのがいいんだよね」


「やっぱり暇なんじゃんか……」


「まぁ暇ではないんだけど。それで? あなたこそ依頼でも受けるの?」


「いや、達成報告だよ」


「え、もう受けてきたの!?」


「え、うん、まぁ昨日受けて昨日クリアしてきたやつだけど」


「ええ、昨日受けたって、もう結構夕方近かったと思うんだけど……因みになんの依頼なの?」


「牛乳牛の討伐だよ」


 隠す理由もないので素直に答えた。

 なんだこいつ……めちゃくちゃ絡んでくるじゃん。流石に暇すぎないか。


「牛乳牛か……まぁ初心者には妥当な魔物かもね。でも見つけるのが大変じゃなかった? ビッグ平原中探し回らないといけないでしょ? 馬でも使ったの?」


「え? ああ、まぁアレだよ。ちょちょいのちょいだよ」


「意味分かんないのよあんたのそれが……!」


 別に個人の情報を教えてやる義理はないよなぁ?


「今日はどうするつもりなの?」


「え、今日? 秘密です」


「むかっ」


「俺が何しようが勝手だろう。それとも何か用でもあるのか?」


「特にはないけど、ほら、もしあれだったらあなたの活動の様子でも見てあげようかと思って。正直言うとあなたの実力がちょっと気になるの。私の見間違えかもしれないけど、結構身体能力高そうだったし」


 え、どういうこと……俺の実力を確かめたいってこと?

 まぁ確かに転生序盤でよく考えずに飛ばしすぎた感じはあったからな……その付けが回ってきてるのかな。マジで後悔。

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