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炎と氷の執事  作者: 秋那須
第一章
1/9

プロローグ

 立ち並ぶ数々のビルの中で最も高い、企業のビル。

 その屋上に佇む黒い人影。

 体の周りには少しだけだがオーラを纏っている。


――懐かしい雰囲気だな


 白く尖った歯を少し見せ、不敵に笑う。

 真下の道路を歩く一人の青年を見つめている。


――次こそは勝つ。待ってろ、冰の王。

 

 そして、姿を消した。

 屋上にあった異変に気付いた者は、誰一人いなかった。



*



 俺は私立の高校に通う高校二年生、一条天馬。

 頭脳は大人、体も大人、真実は、いつも一つ!

 なんちゃって。

 やめておこう。そんなに頭もよくないからな。

 自分で言うのは恥ずかしいが、俺は私立のそれなりに頭のいい高校に通っている。「コ〇ンぐらいの頭脳をもっていたらなぁ」と、テストの度に思ている。

 持っていても使えなかったら宝の持ち腐れなんだけど。

 結構田舎の中にあるので、なぜこんなところに人が来ているのか。

 俺はそんなこと知らねえよ。




 ある日、俺が学校でぐったりしていると、友達が話しかけてきた。


「よく当たると噂の店があるんだって」

「お前も今度行ってみろよ」


 最近占いが流行っている。二年の間で。

 俺は特別占いを嫌っているわけでも好いているわけでもないけど、信じていない。

 別に現実味のないものが嫌いなわけではないのだが、やったところでどうなるというのか。

 そう思ってしまったら興味もなくなるというものだ。


 それはそうと俺の元気がなくぐったりしているのには理由がある。

 幼稚園から一緒に遊んできた幼馴染の青上夕が事故で入院し、学校に来られていない。

 見舞いに行こうと思ったが、俺の家があまりにも田舎であるため遠い。

 病院が都会の方にあるんだから仕方ないだろ。

 もうちょっと都会に住んでいれば何かあったとき飛んで駆けつけようとしただろう。

 明日の授業は特に新しいこともやらない。

 休もう。疲れたし。面倒だし。

 学校を休んで病院に行ってみたら、夕はかなり元気だった。

 しかし顔には入り口からでも見えるような濃いクマがあった。

 おそらく俺が来ることを知って無理して元気に振舞っているだけだろう。




 看護師からは、いつも寝ているときに魘されて目が覚め、全然眠れていないということを聞いた。

 言われなくとも見ればわかりますよ。こんなにはっきりとしたクマがあるのに、

「毎日元気でしっかり寝て起きて健康的な生活をしています! 安心してください!」

 なんて言われたって、信じる奴なんてどこにいるというのだ。

 意外と、俺みたいに精神がやられちゃってる奴なのかもな。それは。


 帰り道、雨が降ってきた。

 俺は傘を持ってきていないので、どこかで雨宿りをしたい。

 道中にはコンビニがある。町に二つしかないうちの一つだ。ド田舎め。

 雨宿りのために入ってみたが、誰もいない。そりゃあ雨の中わざわざ遠くのコンビニに行って買い物をしようなんて人いないさ。

 故に、お菓子を買っているのだが、傘を忘れてきてしまったのでどうしようか迷っているところだ。

 そうだ!彼女に迎えに来てもらおう。

 よくある展開は逆なのだろうが。

 あんまそういうのわかんないし。

 いやそもそも俺に彼女なんていたことすらない。

 弓道部だからって女子の心を射抜けるわけではないんだ。クソ。

 ある程度晴れるまで雑誌で立ち読みしてようかな。

 それにしても雨は止む気配が無い。

 そうそう、俺は弓道部で、副部長をやっている。勿論、夕も弓道部。副部長だ。

 

  この辺のコンビニ(二つしかない)は、店員が一人でも暇になってしまうほど客が来ない。

 学校がある時間帯に限っては老人か無給の自宅警備員しか来ない。偶にヤンキーが来ることもあるらしい。

 店員も客もこの町の住民なので、みんな顔見知りで、仲がいい。ヤンキーも含めてな。


 どうやら店員の一人が帰るっぽい。

 店の奥からそんな会話が微かに聞こえてきた。

 そして恐らくさっき客のような顔をして入ってきた人は店員だったのだろう。

 いつの間にかレジの前にいる。

 交代の時間かな。

 さっきまでレジにいた人は商品を手にレジに向かっている。

 制服を着ているときはあんま目立っていなかったが、かなりチャラい恰好をしている。

 チャラい人に話しかけられるのは結構怖いが、同じ町に住んでいるとわかると、急に実家のような安心感があって何も怖くなくなる。


 なんだかんだ言って仲良くなった。結構気が合う相手でよかった。

 彼も傘を忘れたらしく、徒歩なので帰ろうにも帰れない。

 暇すぎたので店員四人と俺で話している。最近ハマっているゲームの話だとか、俺の学校生活の話とか、最近の若者はあーだこーだとか。若者代表で謝っといた



 俺達が話しているゲームというのは、昔からあるとても人気なオープンワールドのゲームだ。

 洞窟からスタートするというよくある設定なのだが、探索できる範囲がとてつもなく広い。

 スタートの洞窟がある大陸がそもそもでかいのだが、それを囲む海洋が広すぎる。

 一応何個かの大陸があるらしいのだが、近いものでさえ蒸気船で一週間ほどかかる。

 そしてなんといっても、マルチプレイができる。

 最近のアップデートで人数の制限がなくなり、大人数でプレイできるようになった。

 中には高いパソコンを使ってサーバーを立ち上げ、同じようなプレイヤーを集めて、数百人規模でプレイする人までいる。

 しかし俺はそんなに沢山友達がいるわけではないし、高いパソコンも持っていない。

 多くても五人ぐらいでわちゃわちゃしている。それでも十分楽しいんだからいいだろう!

 別に陰キャってわけじゃないんだけどね。群れないだけ。



 どれぐらいの時間話していたのだろうか。

 俺達は気づいてしまった。

 そうだ、傘を買えばいいのだ! コンビニには傘が売っているじゃないか!

 今更と思うかもしれないが、いや今更だな。

 随分と長い時間コンビニにいた。だが、無駄な時間を過ごしたかと聞かれれば、それも違うな。ちょっと心が落ち着いた。やはり接客業をしている人は、全く知らない人であっても、話をしていて落ち着く。


 俺と店員は傘を買って店から出ていく。

 帰り道が一緒だったので、二人で帰ることになった。タクシーを呼ぶかと心配されたのだが、雨の中友達と帰る時の感覚を久しぶりに味わいたかったので断っておいた。

 そもそもこんな田舎だと、タクシーが来る間に家に着いてしまうのではないか。

  ※家に帰るまで一時間かかった。


 自転車を使ったらどうなんだ? 俺もそう思う。

 でも壊れちったんだよ。ほんで修理に出すのがめんどいんだよね。

 毎日ゲームばっかしてるから、外に出たくないんだわ。

初めて小説を書くので、いろいろ変なところもあるかもしれませんが、是非厳しいアドバイスをお願いします。

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