21.難度SSS級ダンジョン、吟遊詩人にはムリゲー(上)
警告を受け。表現や展開などを全年齢向けに修正。オリジナルはミッドナイトへ移行しました。
再び本編と離れてサイドエピソードですが、今後重要な人物が沢山出てきます。そして(下)ではあの人物も登場。
下部、キャラクター紹介追加しました。
21.難度SSS級ダンジョン、吟遊詩人にはムリゲー(上)改稿
[神聖ウルバニア皇国 聖都アリエス 「天の祭壇」 第一教会 祭壇前]
〔グランゾーラ侵攻から1年半後の話、新章8話以前〕
「祭司、狼明六蛇。そなたに死都アルカナ特別指定区域の調査任務を命ずる!」
「え!?」
予想外の展開に平凡な発声をしてしまう少年。まだまだ若々しいあどけない顔立ちの彼は、自慢のクリスタルの琴を抱える腕を、うっかり緩めて落としそうになるのを堪えた。
見た目はやや小柄の黒髪の少年で、鳥の羽がアクセサリーの小型メイジハットを被っている吟遊詩人だ。補助魔導士でもある彼は、アダマンタイト級冒険者が二人も在籍するチーム『青天照』での最年少冒険者でもある。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
ロウメイは突然の無理難題に対して思考が追い付いていなかった。慌てて言葉を紡ぎ出す。
「なんですかロウメイ? ここは偉大なるクラウディア教の総本山、神聖ウルバニア皇国の天の祭壇。あなたは冒険者である前に我が教会の祭司なのですよ。待ったは無しです」
大聖女メアシス・クリヴリーは顔に張り付いた満面の笑みで、膝を着いたロウメイを見下す。ロウメイは床に着いた膝が浮きそうになるほど前のめりに力説しはじめた。
「死都アルカナといえば、先のグランゾーラ侵攻によって難度SSS級のダンジョンと化した死霊の跋扈する人界の魔窟。とても吟遊詩人ひとりで様子を見て来れる場所ではございません!」
「誰も一人でとは言っておりませんよ。強力な助っ人を2名ほどこちらで用意させてもらいました。あなたは彼女たちとツヴァイエルスの南にある炭鉱の町『ラズロブルク』で落ち合いなさい」
「待ってください強力な助っ人?」
「待ちません」
「だったら、まず僕の冒険者チームの仲間に一度話させてください!」
「構いませんよ? でも彼女らはクラウディア教内部の人間ではございません。強制はできないですよ?」
「そんなこと分かってますよ! では、連絡を取ります」
ロウメイは気を取り直して、腰掛けのポーチから小型の鏡を取り出した。魔力を込めれば鏡の持ち主と映像通話ができる携帯魔道具で、翡翠晶の力を使った希少なものだ。
「教会では携帯禁止!!」
「今ぐらい許してくださいよ鬼ババ!!」
「ロウメイ、決して他の教徒の前では私を鬼ババなどと呼んではいけませんよ? 本性とは隠すものですから」
「本性認めてるんですね…」
ロウメイは目を瞑り、両手の間に挟んだ鏡に魔力を注ぎ込む。すると、次第に鏡が光り出した。
「エスタリザ、エスタリザ聞こえますか? エスタリザ・クロノス!」
「ロウメイ? 聞こえてますよロウメイ!」
ロウメイは瞑っていた両瞼を開き、手からの魔力注入をやめた。鏡にぼんやりと映り始めた彼の同僚、青天照のリーダーであるエスタリザ・クロノスを迎える。
「ロ゛ウ゛メ゛イ゛!!」《ひっぐ》
「は?」
そこに浮かび上がったのは人類最強と謡われる戦士の、泣きじゃくった涙だらけの女の子の顔のドアップだった。
「う゛っ、うえぇぇん、ひっく。通り魔にやられたぁ…」
「どうしたんですかエスタリザ!! な、何故あなたがそんな風に… やられたとは??」
見たことのないリーダーの泣き顔に驚いたロウメイが鏡にしがみ付く。
「山道ですれ違ったローブの赤髪の聖女にボコられたぁ!」
「は? え、バルゴスさんは? イライザさんは??」
「バルゴスは地面に顔面埋まってる。イライザは居ないからしらない…」
「え゛!? アダマンタイト級二人がかりでやられたんですかぁ!?!?」
「もう私アダマンタイト級やめるう゛ううぅ……… ごめん、ちびる。通話切るね…」
「ちびっ…えっ…あっ…」
《ツーッ…ツーッ》
通話を切られた。ロウメイの頭は予想外な出来事の連続で思考が追い付かない。
「……………」
「どうしたのですか、ロウメイ。エスタリザを勧誘したのでしょう?」
「そのつもりだったのですが… 今回は彼女たちは役に立たないと考えを改めました」
ロウメイは考え込む。一体この世のどのような存在がアダマンタイト級の彼女をあそこまでさせるのだろうかと。そして、以前対峙したある人物を思い出した。
『あの時は本当に参りましたね。クリスタル級2人とアダマンタイト級2人の僕たちのチームですら、彼女1人に気圧されていましたから。世間共通の一般的な強さの基準は、存外当てにならないのやもしれません』
『実際に対峙してみると、力量差というものがわかります。あんなヤバいのがクリスタル級にいるなんて…』
「ネフィルロッツェ・エリン・ファウラ…」
親指の先をグッと噛みしめるロウメイ。しかし、先ほどエスタリザの言っていた特徴の赤髪というのが当てはまらない。彼はひとまずそのことは置いておくことにした。
「メアシス様、その強力な助っ人というのは一体どなたなのですか? それによって出発前の準備が変わってきますので」
「やっと受ける気になりましたか」
「受けるしかないでしょう!!? クラウディア教という純白の白を掲げるその裏は、こんなにもブラックなんですから!」
大聖女の笑顔の目元の陰りが一層濃くなると、ロウメイが委縮して縮まった。
「二人ともクラウディア教会エウロプリエ自治区支部の者です。冒険者ではありませんが、どちらもクリスタル級相当の実力者だと言っておきましょうか」
「なんと、クリスタル級ですか!? エウロプリエ自治区のお抱え戦士は情報が少ないですからね、謎ばかりです」
「一人は補助魔導士のあなたと相性のよい用心棒、短剣二刀流の狂戦士。もう一人は精神魔法と氷魔法のデュアルソーサラーです」
「狂戦士と精神魔法師ですか。確かに組みやすいです。補助魔法と精神魔法で狂戦士を暴れさせれば突破力・撃破力にもなりますし、目撃情報が入っているプロルトアーリマンの精神汚染を精神魔法師が防げます」
「また僕を精神強化して頂ければ、おそらく僕がこの調査任務に選ばれた理由、感知無効化の檻がより強固になりますから、魔物に発見される危険を回避できます」
流石はメアシス大聖女だとロウメイは感心する。彼とパーティを組みやすい達人をしっかりと人選してくれていたのだ。無理難題と思われた調査任務も、ようやく可能に思えてくる。
「精神魔法師の者は死都アルカナの土地に所縁があるとか。それと浮遊大陸出身の旧貴族家の者です」
「天上人!!??」
ロウメイは身体が跳ね上がるように驚く。浮遊大陸ハイファジアへ移り住んだ人間がいることは知っていたが、唯一の架け橋である天界遺跡はクラウディア教会エウロプリエ自治区支部が独占しているので情報が遮断されている。
下界の民が知るのは、ハイファジア人が古代フローレンツィア王朝の王族とそれに仕えた貴族たち、俗にいう旧貴族家の末裔で構成されているということくらいだ。
「くれぐれも粗相のないようにな、ロウメイよ」
「ハッ。祭司ロウメイ・リクタ、死都アルカナ特別指定区域の調査任務、遂行して参ります」
吟遊詩人の少年は膝を着き、その頭を深く下げた。
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[ツヴァイエルス王国 炭鉱町ラズロブルク 露払亭酒場]
炭鉱町ラズロブルクはツヴァイエルスの南にあるラズロの谷に作られた町だ。中心には街を東西で分断するラズロの谷がある。分断されている東西を繋ぐつり橋が沢山張り巡らされており、両岸には炭鉱の穴がいくつもあった。
時刻は午後8時を過ぎていた。あたりにある無数の炭鉱の内部がランプで照らされ、露払亭酒場の外席からはちょっとした絶景を眺めている気分になれる。
《カンカン》《カンカンッ》
あたりから常に聞こえる炭鉱の音。ロウメイは指定された酒場の外席で今回の任務の仕事仲間を待っていた。約束の8時を過ぎたのに2人は現れない。
『時間と場所、合ってますよねココで…』
18歳までは飲酒禁止の世界法令のため、お酒は頼めない。おつまみのオードブルをつっつきながら彼は一人、そよ風の吹く外席で佇む。
やがて、ロウメイは露払亭の入り口から2人の女性客が出てくるのを捉えた。褐色肌の背の高い女性が酔いつぶれた魔女を支えている。褐色肌の方は長いボサボサの銀髪に獣の耳と、尻から銀色の見事な尻尾が生えていた。それとかなり露出が多い。
「クルス・オグナの獣人? 珍しいなぁ///」
するとロウメイと褐色の獣人の目が合う。彼女の瞳は真っ赤に燃えていた。すぐにロウメイは目をそらすが、彼女はだらしなく酔いつぶれた魔女の片割れを半ば担ぎながら近寄って来た。
「へぇー。聞いてたよりも随分とカワイイじゃねーかよ、吟遊詩人さん」
「えっ、あ! あなた方がエウロプリエの協力者ですか?」
ロウメイが席から慌てて立ち上がる。
「あぁ、遅れてすまねーな。実は少し前から酒場の一階にいたんだが、久々の陸地だと連れがはしゃいじゃってよ。この様だ」
「ぁによ、このざまってぇへ… ワタクシは酔ってにゃいはよぉ~~!!」
ポカポカ頭をたたく飲んだくれをロウメイの向かいの席に座らせる獣人。
「はじめまして! 天の祭壇所属 青天照のロウメイ・リクタです」
「知ってるよ、有名人!」
褐色の獣人が茶化す。
「あの、人と亜人含めて最強といわれる時の番人がいる伝説チームのメンバーだからな」
「俺の名前はラファルト・ディ・サラマンドラ。で、この飲んだくれの魔女がレジュアダ・オッドニッサだ」
「オッドニッサ!? …なるほど、では死都に所縁があるというのはロベルハイムの森の…そういうことか!」
ロウメイが1人で納得すると、テーブルに突っ伏していた魔女が重い頭を少し上げる。左手にかろうじて持っていた黒光りするロッドを、頭の上でクルクル回し出した。
「ワタクシは天上人~だけどお頭は奈落の底~~♪ ルーデルルーデルビビットシャキッとマイオツム~~♪ …ラビュディス!!」
《パァッ》
キラキラした星屑のようなまばゆい光の玉が沢山降りかかると、ゆっくりとレジュアダは頭を起こし、ロウメイと向き合った。美人なのにそれを台無しにするほどの目の隈があった。
「ロウメイ君、あなたの考えていることは正しいですわ。そう、ワタクシは旧貴族オッドニッサ家の女。ロベルハイムの森とその館はワタクシたち一族のモノ」
少し考え込んでからロウメイは口を開く。
「では、真紅の剛雷のクオリアさんとは親戚にあたるのですね?」
「あぁ、あのビッチか」《チッ》
突如舌打ちをし、レジュアダの顔が濁る。美人が台無しだ。
「おいおいそんな言い方ねーだろ、お前の一族の忘れ形見なんだろ?」
ラファルトがレジュアダの頭に手を乗せる。レジュアダはそれを軽く振り払った。
「やめてよぉー。あんな男どもを喜ばすようなビッチと一緒にしないでぇー。かなり遊んでるわよあの子。何よりも気に食わないのはワタクシよりも大きなあの胸!」
「ワタクシはオッドニッサ本家の娘、クオリアは地上に残ったオッドニッサ分家の娘。500年前に天と地で別ち合った一族の片割れ、地に堕ちた分家のなれの果てをこの目で拝みたいのよワタクシは」
その言動とは裏腹に、レジュアダの隈の座った眼からは奥深い何かを感じる。
「お前の身体もだいぶダラシナイけどな」
ラファルトがレジュアダの右腕を持ち上げると、細見の魔女にしては実ったものがブルンと揺れる。
「やめなさいよサラマンドラ、下履いてないあんたに言われたくないわよ」
「へっ!!?」
反射的に目の前のラファルトの下半身を見てしまうロウメイ。彼女は膝から下は銀の毛並み、筋肉で引き締まった肉付きの良い太ももは褐色の人肌。そして、8段割れした鋼の腹筋の下はフサフサの毛並みで覆われていた。そして、何よりも尻がデカい。
腰に巻いたベルトの両脇に二刀の短剣を携え、上半身は白いタンクトップを着ているだけだった。とんでもない恰好だ。
「伝説のチームの少年のお気に召したかな?」
ラファルトにそう言われて、ロウメイはハッと我に返って目を逸らす。彼の顔はたちまち赤く染まった。
「すっ、スミマセン!!」
上ずった声を上げるロウメイ。
「素敵な銀の毛並みですね///」
「そりゃあ嬉しいなぁ、俺は銀狼族の上位種だ。クルス・オグナ出身のクラウディア教徒さ」
ラファルトが尻尾をフリフリする。どうやら褒められて喜んでるようだった。
「銀狼族の上位種… まさか、フェンリルですか!?」
「物知りだな、少年」
フェンリルとは人界の全ての狼種の頂点に君臨する最上位種。
「確か、道化師のグロリアさんがフェンリルの血を引いてましたね」
「あぁ、あの子はクォーターだな。1/4でも狼特融の疎通力は持っているはずだ。お尻の尻尾もな」
「尻尾は… 確認の仕様がありませんけどね、彼女は幻影を使いますし」
「引っぺがしてみればいい」
ロウメイが再び顔を赤らめる。
「くはははは! 弄りすぎたな、わりぃわりぃ。本題に入ろうか」
ラファルトが席に着くと、ロウメイも再び席に腰を下ろした。
「さて、ロウメイ君。なんでこのラズロブルクを集合の地に指定したか分かるかしら?」
レジュアダが肘を着いた両手に顔を乗せて前のめり、ロウメイの顔を伺う。
「えっ… お、おそらくこの街の南がすぐに旧ラナ王国だからじゃないですか?」
ロウメイは完全に年上の女性二人組に翻弄されていた。視点が宙を泳ぐ。なかなか本調子に戻れない。
「フフッ、距離的にはまぁ? 近いけど? でもね、違うのよぉ~~! ココの炭鉱の一つがね…」
レジュアダがロウメイの顔の真横で声を潜める。
《ロベルハイムの森の北側へと通じてるのよ》
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[ツヴァイエルス王国 ラズロブルク 第37炭鉱前]
時刻は午後9時半を回っていた。3人はラズロブルク南岸の右端にある第37炭鉱入口へと来ていた。かなりの間使われた形跡のない炭鉱で、明かりも灯っていない。
「このあたりならだ~~れもいないわよね」《ガサゴソ》
そう言うとレジュアダがガサゴソと何かをし出した。暗くてよく見えない。
「ロウメイ君、照らして照らして~~!」
「あっ、はい! 光よ、我が琴に灯れ… ローライト!」
光がロウメイのクリスタルの琴に宿りあたりを照らすと、先ほどの2人の姿も照らされた。
「………んなっ!?!?」
突如、とんでもない光景が飛び込んできた。先ほどまで控えめのローブ姿だったレジュアダが、ローブを脱ぎ去っていた。先ほどまでは分からなかったが予想以上に着やせするらしく、肋骨と骨盤が見える細い身体に、頭よりでかい胸。
先ほどのローブは、風よけ程度に両の二の腕どうしを背中側で巻き付け、肩は丸出し。見え隠れする背中には、紫色の魔法陣が入れ墨のように描かれてあった。胸元には宝石のペンダントをぶら下げている。
「あらん、どうしたのん? 坊や?」
魔導士レジュアダ・オッドニッサはわざとらしく身体をくねらせる。
「何があのビッチだよ、お前だって似たようなもんだろ?」
「あら、オッドニッサ家の血筋と言ってちょうだい!」
自分よりも背の高い年上の2人の痴女のやり取りを前にして、今後の任務を心配するロウメイ。というか任務よりも自分の身が心配だった。
「れ、レジュアダさん、すみません僕に精神強化の魔法をかけてくださいますか??」
「だぁめ」
「そんな…///」
「フフッ、お楽しみは後にとっておきましょ?」
レジュアダがラファルトに視線を送ると、ラファルトは意味深な笑みを返した。
「そうだな。相変わらず目を付けるのが早ぇーなレジュアダは、クックック」
ラファルトは自前の尻尾をなびかせる。犬歯の見える口から、艶めかしい舌が分厚めの唇を一周なぞった。ロウメイは悪女2人に捕まった少年の気分だ。
クリスタルの琴が炭鉱入口と少し先まで照らしている。レジュアダが尻に左手を添えて炭鉱と向かい合う。右手には一切れの紙の地図を持っていた。
「さて、ここからが大変よね。分家からは500年前に一族がフローレンツィアから南へ逃げるときに使った炭鉱内部の地図をもらってるわァ~。でも岩盤崩れでいくつかの鉱路が埋まってるらしいのよね」
「あ、あの、ひとつ聞いていいですか? 陸路で向かうよりも鉱路で向かった方が良い理由はなんですか?」
「良い質問ね、坊や」
レジュアダが振り向く。
「ロウメイ君はここ、ラズロブルクの鉱山で採れる魔鉱石の事をご存じかしら?」
「いえ、そこまで詳しくはないです」
「この鉱山で採れる魔鉱石の種類はエーデルワイス魔鉱、神聖魔法の触媒として発揮される純白の水晶よ。神聖魔法使いが扱うロッドには勿論、クラウディア教会や寺院などの建造物にも術式を埋め込むために使われているわ」
「術式… ですか?」
「いわゆる『魔除け』ね。エーデルワイス魔鉱は聖なる光を増幅し、闇を鎮めるの。だから古くからこの炭鉱町はエウロプリエやウルバニア皇国の息のかかった町なのよ。そして…」
レジュアダがこの作品の主人公よりも更に大きなその胸を両腕で押し上げる。
「この鉱山に眠る無数のエーデルワイス魔鉱は、あらゆる死霊や魔物をこの地に寄せ付けない…『浄化された大地』を築き上げているわ。現にこのラズロの谷の南まで死都アルカナの亡霊たちが地上を跋扈しているけど、北上して来れていない。そして、ロベルハイムの森の地下まで、エーデルワイス魔鉱が飛び地のように続いている。この意味がわかるかしら?」
「つ、つまり鉱路の中は地上よりも安全で、容易く死都アルカナの喉元までたどり着ける… ってことですよね///」
ロウメイがレジュアダのアプローチから目を逸らして言う。
「正解ッ! しかもオッドニッサの館にもエーデルワイス術式が組み込まれているから、未だにロベルハイムの森だけは安全なの。分家の者たちはさっさとエウロプリエまで逃げて来たみたいだけどね」
「それとあとひとーつ! この鉱路を選んだ理由ね」
レジュアダがおまけ程度に着崩しているローブをバッと開いた。
「暗闇なら解放的だし何してもいいじゃな~~い!」《ンバッ!》
両手を開いたそのまま彼女はくるりと反転して、炭鉱内部へと歩み始めた。
「さっ、いきましょいきましょ! うふふッ」
「行くぞ少年。何かあっても俺が守ってやる。用心棒だからな! ククク」
続いてラファルトが入っていく。
「は、はいぃ~。よろしくお願いしま…す…」《ガクッ》
出発前の心の準備が足りなかったなと、ロウメイは足を進めるのだった。
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キャラクター紹介⑪ レジュアダ・オッドニッサ
次話、難度SSS級ダンジョン、吟遊詩人にはムリゲー(下)来週です!
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