第3話 キャサリンという名の魔族
よろしくお願いいたします。
あれから宿を探して10分くらい街を歩いた。街は中世のヨーロッパみたいな感じでとてもファンタジーぽく綺麗だ。お店も色々とあり、食べ物関係のお店はもちろん、洋服関係や酒場や武器関係などと色々あるが一番驚いたのはクリーニング屋と書かれているお店を見つけた時だ。ネット小説などで街にクリーニング屋とか見たことない俺からしてみれば地球では珍しくないこの種のお店を見つけた時は驚いた反面なぜかほっとしてしまった。
それからほどなくして宿を見つける。名前は「迷宮の宿」と書かれており捻りがないなぁと感じたが取り合えず入ってみる事にした。
「いらっしゃいませー。お泊まりですか?お食事ですか?それともわ・た・し?」
扉を開けるとガチガチの体格の30代くらいのおっさんが出てきた。たしかに、人生に刺激を求めていたが、こんな刺激はごめんだ。命がいくつあってもたりないのであえてスルーする。
「泊まりなんですけど、1泊いくらですか?」
「もぅ、つれないわねぇ~。1泊銀貨4枚で朝と夜の食事つきよ?」
その身体をくねらすのをやめて頂きたい。すごく吐きそうだ・・・。別の宿を探そうかと考えるが外は日が落ちてきており、しかたがなくここにする。
「・・・はは・・は・・はぁ・・。取り合えず1泊お願いいたします。」
「そんな苦い顔しないでよぉ。部屋はそんなに広くないけど料理にはそこそこ自信あるんだからねッ☆」
やめてくれ・・。その見た目でウインクしながらキラッとしないでくれ。この世界は刺激が強すぎる!
「お名前は何て言うの?」
「あっ、ヒロヤ・スズヤです。」
「ヒロヤちゃんね。部屋は2階の角の部屋だからすぐにわかると思うわ。これが鍵ね?」
鍵を貰う時にぎゅっと手を握られて鳥肌がたつ。身の危険を感じた俺は一目散にお礼を良い2階に走って行った。
部屋は六畳くらいでベッドと小さい丸テーブルにイスが2つある凄くシンプルな部屋になっておりとてもキレイたった。
漆黒のローブを脱ぎベッドに投げ捨てるとイスに座って一息つく。
「初っぱなから魔王に会うとは思わなかったぜ・・・・。まぁ何はともあれ宿に着いたからな取り合えず自分の能力についてしっかり考察しよう。」
新しい世界に来て、必要になるのはやはり衣食住である。逆にそれさえ揃っていればある程度は生活出来る。しばらくは宿暮らしでもいいが、まずは収入を得ないと話にならない。そういうわけでヒロヤは自分に何が出来て何が出来ないのかをしっかり考える事にした。
「やっぱり一番気になるのはユニークスキルだよなぁ・・。スパイスって調理関係の奴なんだろぉか?その他の普通のスキルは名前だけ見ればある程度わかるしなぁ・・。」
そう言って自分のステータスをまじまじど見る。すると、はかったかのようにピコンと頭の中で音がなりユニークスキル→スパイスの横に説明が表示された。
ユニークスキル→スパイス 鑑定結果『スキルとスキルを調合して新しいスキルを生み出す。既存のスキルは作れない。』
「うぉ・・びっくりしたぁ。勝手に鑑定されたのか・・。これは、凄いのか??逆に色々なスキルを入手しないと意味がないような・・・。」
この時のヒロヤは深く考えていなかったが。実はこのスキルは逆に言えばスキルさえ集められればいくらでもユニークスキルを手に入れられる力を持っていた。
「まぁ、そのうち試してみるか。あとは働き場所は・・しょうがない・・あのオカマに聞いてみよう・・・」
すると、こちらもはかったかのように扉がノックされあの忌々しい声が聞こえてきた。
コンコンコン
「ヒロヤちゃーーん。ご飯よ~早く来ないとヒロヤちゃんを食べちゃうよ~」
心底やめてくれ・・・・
焦った俺はすぐに返事をして扉を開けた。
「はぁ。はぁ。普通に呼んでくださいよ。」
「あら、そんなに焦らなくても良いのに・・・食事は1階の食堂ね。」
「あっ、すみません。オカ・・・じゃなくてえっと・・・」
「キャサリンよ♡」
うぇっ・・。絶対、本名違うだろ!
「キャサリンさん、この街で何か働き口とかないですか?」
「んー。だったら冒険者ギルドに行ってみたら?そのまま冒険者になるのも良いし、仕事の紹介なんかもしてくれるわよ?場所は地図を書いとくから取り合えずは冷めない内に夕飯を食べてきちゃいなさい」
「わかりました。ありがとうございます。」
そう言って先に階段を降りていく。しかし、一瞬寒気がして後ろを振り返るとキャサリンが俺の部屋の扉を少し開けてクンカクンカしていた。そして、目が会うとおぞましい笑顔をしてきた。
良い人なんだけどなぁ・・・・。うん。見なかった事にしよう・・。あとは次からしっかり鍵を掛けよう。
そう異世界に来て初めての決意をして足早に階段を降りていく。
食堂はかなり賑わっており、でかい笑い声や話し声など雑多な雰囲気の中で皆旨そうに食事や酒を楽しんでいた。その中でも空いてるカウンター席に座るとしばらくして従業員らしき子がきた。
「宿泊のお客様かにゃ?」
にゃ?にゃ?にゃだと‼俺は勢いよく声の方に振り返るとそこには頭に耳、お尻に尻尾でピンクのウェイトレスの格好をしたキャサリンさんがいた。
「なんでだよっ!!」
「あら、どうかしたのかニャ?」
「いや・・・もう・・何でもいいです。取り合えず早く夕飯ください。」
その後出された夕飯は分厚いステーキみたいなのにパンとサラダという味もいたって美味しいご飯だったが、ある意味お腹いっぱいだった俺は全部食べきる事が出来ず青い顔で部屋に戻った。
部屋に戻ってからもう1度スキル何かも試してみようかと思ったのだか、あまりにも今日一日の精神的な疲れからかベッドに入った瞬間深い眠りについてしまった。
最後まで見て頂きありがとうございます。




