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孤立と孤独とその先と・・・前編

TS娘ちゃんは、今日も親友君と一緒に電車に揺られています。

自宅からは、電車で小一時間程度離れた街の高校に、ふたりは通っているのです。

中学2年の頃に、女の子になっちゃったTS娘ちゃん。

変化した性別にも、身体にも、周囲の友達からの扱いにも戸惑い、疲れ、精神を少し病んでしまいました。

クラスの友達とも距離が出来る中、親友君だけは昔から変わらないまま接してくれたのです。

高校進学を期に、クラスの皆とも違う学校に進むことにした時も、親友君は一緒に来てくれました。

知らない街の、初めて会うクラスメイト達。

心が弱ってるTS娘ちゃんにとっては、落ち着ける場所ではありません。

今のTS娘ちゃんにとって、頼れる相手は親友君しか居ないのです。

親友君が傍に居なければ、きっとTS娘ちゃんの心は壊れてしまうでしょう。

でも・・・


『親友君が傍に居ないと、俺はダメになる。親友君も、それが判ってるから傍に居てくれる。・・・それは嬉しい事なんだけど・・・』


ゴトゴトと揺れる電車の中、並んで座るふたり。

朝が早いだけに少し眠くなり、つい親友君の肩に頭を預けるTS娘ちゃん。


『・・・俺の為に、親友君を他の友達から引き離しちゃってるんだよな・・・。俺の為に、無理してるんだよな』


隣に親友君が居るから少しだけ安心できる自分と、親友君の人生の楽しさを奪ってる自覚のある自分が、TS娘ちゃんの中には同居しています。

安心と自己嫌悪。相反する気持ちで、ますますTS娘ちゃんは心を病むのです。

人の目が怖くて、ひとりで学校に行く事さえ出来ないTS娘ちゃん。

クラスメイトからどう見られてるか、怖くてクラスに馴染めないTS娘ちゃん。


「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」


優しく接してくれる親友君ですが、彼にもTS娘ちゃん以外の友達は出来ていないようです。

それは当然でしょう。

親友君は、TS娘ちゃん意外と接する時間なんてほとんどないし、周りもTS娘ちゃんとしか接してない彼を遠巻きにするだけなのです。

クラスからも孤立するふたり。

そんな現状を・・・、親友君の青春も犠牲にしている自分が嫌で嫌で仕方ないのに、親友君以外頼れない自分が憎くて仕方ないTS娘ちゃん。

遂には夜も眠れなくなり、見るからにやつれていくのです。

親友君は、心配で仕方ありません。

何とかしてあげたい・・・。

でも、出来る事は何だろう・・・なにがあるんだろう。

顔には出しませんが、親友君も病み始めます。

そして気が付くのです。


「そうか・・・」


ある日、ふたりは学校をサボります。

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