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準魔法少女  作者: ザキ・S・レッドフィールド
第3章・とびっきりの最低VS準魔法少女
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準魔法少女と失恋王子・2

〈アーク王子が片膝を地面に着けて頭を下げてきたのです〉

【まるでプロポーズね】


「あ、いえ。当然の事をしたまでですので・・・!」

「とんでもない。本来ならここに居るラクーンの精鋭部隊だけで済む話だったのだ。なのに股間の小ささを指摘されただけでヘタレるなどという失態・・・小さいのに勇敢に戦うクロス=リュウを見習ってほしいものだ」

「あの、ソレ遠回しに黒須君に失礼なのでは?」


 黒須君はもう諦めたのか、無表情で携帯水筒の水を飲んでいますが・・・。


「後は我らラクーンに任せて欲しい。ルイーダ・スアッターを連行しろ!」

「ルイーダ?」

「アレクシア・スアッターの本名だ。アレクシアという名前は大昔ラクーンの一地域を仕切っていた女帝だが権力を利用して民を苦しめた罪で最後は処刑された悪女だ。その悪女の名前を名乗ってラクーンを恐怖で支配してやろうと名乗ったんだろ」


【そう言えばネオファエストの連中はラクーン側が憎いメンバーだったわね。地味な嫌がらせって訳ね】


『ハル、サクリを医療スタッフの元へ』


 端末からラウジーさんの指示が。

【そういえばサクリちゃん、腕再生してからあんまり体調が良くないわね】


〘疲労困憊の人みたい~〙

 もしかして腕を元通りにする為とはいえ、無理矢理再生は軽率だったのかも・・・。


『君が使ったマーロヒィ・ポーウの影響がどうサクリに影響したかも調べたい』


【ラウジーが言うと、実験モルモットを早くよこせって言っているように聞こえるわね】

 サクリさんの身体への影響に興味はあると思いますが、考えも無しに実験体扱いはしないとは思います。


「サクリさん、立てますか?」

「・・・はい。・・・あッ」


〈サクリちゃんが転びそうになったのです〉

 わたしが手前で支えたので転倒はしませんでしたが・・・。

【やっぱり無理矢理腕再生させたから体力がかなり落ちたのかしら?】


「ハル、ラクーンの兵士にサクリを運ばせる。これ以上ロックギアの人間に苦労させる訳にはいかないからな」


〈アーク王子の背後から兵士の1人がサクリちゃんのお姫様抱っこで持ち上げたのです〉


「・・・す、すみませんハルさん・・・。一足早く帰還させていただきます・・・」


【サクリちゃんは申し訳なさそうな表情ね】

 今までレナちゃんの世話係だったのでご自身が世話をされる事に慣れていないのだと思います。

〘まるで働きすぎの人が働かないと落ち着かないみたいだ~〙


「いえ、わたしこそ勝手にマーロヒィ・ポーウで腕を再生させたから・・・」

「・・・ワタクシは・・・ハルさんは間違っていないと思っていますわ」


〈サクリちゃんが笑顔で答えたらそのまま兵士さんに連れていかれちゃったのです〉

【あんまり長話になって治療が遅れるのもマズイからねえ】

〘命に別状は無さそうだと思うよ~〙

 だといいのですが・・・。


「ハル」


 アーク王子がまだわたしに用が?

〈真剣な表情なのです〉

〘これからプロポーズする人みたい~〙


「さっきの通信はラウジーからだから、目の前の君は本物のクロバ=ハルなんだな」

「そ、そうですけど?」

「ラウジーにソックリだったからね。ラウジーソックリな女戦士がロックギアで戦って情報は聞いていたけど、もしかしたら本人が抜き打ちでと思っていたから」

「ラウジーさんは普段から・・・わたし達の世界に来る前はそういった事をしていたのですか?」

「いや、今の所そういった事をした記憶は無いがソックリだったからもしかしたらと思って。実はここに足を運んだのもラウジーが無線でここにアレクシアが来ていると教えてくれたからだ」

「ラウジーさんが?」

「そうだ。現場に訪れる事をオススメしてくれた・・・。そうでなければ今も廃人のような状態だったと思う。休職届もラウジーがそうするように言ってくれたからだ」

「ラウジーさん、面倒見がいいんですね」

「そうだな。俺が物心ついた時から父の護衛をしていたからな。連動して自分も面倒見てもらっていたよ」

「お父さんは亡くなられたと聞きましたが、もし契約の道具がこの世界に来てなければ今もラウジーさんは王族・・・アーク王子かケビン王子のどちらかが引き継いでいたのですか?」

「まあ、そうなるな。仮に俺か弟のケビンがラウジーと契約していたら今回の事件も防げていたかもな・・・」

「アーク王子が小説で稼いだお金をテロリストに渡してしまっていた事を言っているのですか?」

「ああ。ラウジーだったらすぐに見抜いただろう。婚約者の裏切りもラウジーがいなかったらどうなっていたか・・・」

「婚約者の裏切り?」

「俺が今のハルくらいの頃、王族として将来の為と両親から薦められた相手がいた。俺の小説を気に入ってくれたのもあって好意的に付き合っていた。だが、ソイツとその両親は金目当てで近づいて来た奴で危うく国家予算の10%を取られるところだった・・・」

「ソレもラウジーさんが阻止してくれたんですね・・・」


【むしろ最初から気付いていて現行犯逮捕するためにあえて泳がせていた説もありそうね】

 ラウジーさんならありえそうです。


「おかげでしばらく現実逃避がごとくロックギアのバーチャルアイドルにハマったくらいだ。生配信で優しい言葉も貰って気付いたら小説で稼いだ金のほとんどを使う程になっていた・・・まあ、結果は知っての通りだけどね・・・」

「・・・辛いですね・・・」


 アーク王子にしてみれば二度も信じていた女性に裏切られて、それでも王族としての仕事を強要されて・・・。


「意外だな。王族にしてはメンタルが弱いとか、もっと辛辣な事を言われるかと思ったが同情されるとは」

「同情というか、むしろ立ち直って凄いなと思うので」

「ハルが初恋の相手だったらどれだけ良かったか・・・・・・」

「初恋?」

「ハルは・・・・・・初恋の人にソックリなんだ」

「わたしがですか?」

「ああ。13才の頃の話だ。初恋の相手が男だと知って、絶望のあまりしばらく恋愛事はこりごりになったがな」

「そ、ソレは辛いですね・・・」


 さすがに初恋相手が同性はアーク王子でなくてもショックだと思います。

【・・・ねえハルちゃん、ハルちゃんソックリで男って・・・もしかしてアーク王子の初恋相手って・・・】

〈ラウジーちゃんですか?〉

 ・・・あ。

〘ラウジーちゃんじゃあ女の子に間違えられても仕方ないよ~〙


「もしかして最初にわたしがラウジーさんかどうかを確認したのも・・・?」

「その通りだ。小さい頃は普通にラウジーを女性だと思っていたから13歳の頃に事実を知って死のうかと思う程本気で絶望したよ・・・」


【その時を思い出したのか、死人のような目になったわね】

 恐らく本当に自殺を考えていた可能性が・・・。


「先述した婚約者も自分が早く失恋から立ち直らせようと両親が焦って薦めたんだ」

「かける言葉が思い浮かびません」

「いや、いいんだ。ソレよりもハルをラウジー・・・いや、女かどうかを確認してしまい申し訳ない。ラウジーが女性的な容姿とはいえ、失礼な質問をしてしまった事をお詫びしたい」

「いえ、わたしは気にしていないので。ソレよりもアーク王子は今後は大丈夫なのですか? まだ辛そうですが・・・」

「辛くないと言えばウソになる・・・。もう異性と関わるのは無理だと思っていた・・・。でも、希望が見つかったかも知れない」

「希望?」

「ああ。・・・ハル、君を今夜食事に誘いたい」

「あ、あの・・・まさか・・・」

「俺と付き合ってほしい」

たまに視聴してくれる方々は本当に有難いです。

視聴率0が数日続くなんて珍しくない作品なのでマジでありがたいです。


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