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間違い転生者 ~異世界で素敵な仲間と生きて行く~  作者: 姫野 りぉ
第一章 間違いの始まり
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神様達の悩み


『どうじゃ?ナオトは無事にしとるか?』

『はい┅元気に能力を伸ばしてます ですがまだあの世に未練を抱いてます』


『やはりのぉ ナオトの思い人の事じゃな? フローディアよ 実はその事じゃが不味い事になった』

『それは?』


『ナオトが死んだのは間違いじゃった その事で新たな間違いが起きる 此ばかりは致し方ない アヤツがおらんのじゃ 居るべき者が居らん だから間違いが起きる』


『間違いの連鎖ですか┅それは生き死にになるのですね?』


『そうなのじゃ 死んでしまう 儂等は手を出せん それでどうするかじゃ』

『その間違いはナオトに由来するなら返すしかないと存じます』


『ふむ┅返すか┅詳しくは申せん じゃが次期にわかる 確かに返す事で間違いを納得するやも知れん┅フローディア助かった 良い事を言ってくれた』


『何がどうかは分かりませんがガルーダ様のお役に立ったのであれば幸いです』

『ソナタはナオトに特別な思いを持っておるのだな?』


『そ、それは┅確かにこの短い期間でしたがナオトの心が清らかで有ると知りました わたくしの中に何かこう┅熱い物が生まれたのは確かです┅』


『ウォホホ!そうか┅ヨイヨイ ソナタも永き時をこの神域で尽くしてくれた もうどれくらいかのぉ?』

『ハイ┅3000年は過ぎたかと』


『3000年ものぉ 良く努めてくれた この度の間違いはソナタに罪は無い アルタレスとヴィルヤが起こした間違いじゃ ソナタは何も責める事はないのじゃ フフフ♪良い事を思い着いた ソナタに悪い事ではないからの?ウォホホ!』


『ガルーダ様?┅』



ーーーーーーーーーーーーーーーー


「ハイ!今日は凄く人気者で可愛い!モデルで役者にも挑戦してる篠崎優奈ちゃんが来てくれました!」 ワァー!パチパチ!


某テレビ局のスタジオで優奈はゲストとして呼ばれてた

バラエティーやドラマの出演と引っ張りだこになってしまい自分の時間もない程


ナオトが居なくなって部屋に籠ってたが有る一枚の写真が火付け役となり優奈を引っ張り出した


直人と一緒に表参道を笑いながら歩く写真┅その写真が雑誌に載った

優奈は顔が知れていたが直人は無名、普通の学生だったがその容姿に誰もが釘付けになった

優奈への質問がSNS上に反乱してあの子は誰だ!となったのだ


雑誌社も躍起になって正体を暴いた


一之瀬直人 21歳 ●●大学4年生

優奈と幼馴染み 資産家の孫で裕福


そんな記事が出回った、しかし当の本人、直人は行方不明と分かると尚も騒ぎ立てた、失踪?誘拐?事件?


色々な憶測が飛び交いワイドショーもここぞとばかりに連日流した


焦点になったのは優奈が婚約者だとバレて更にヒートする始末

婚約者相手が行方不明で音信不通だから面白可笑しく報道される


流石にこれは親で代議士のセンセは怒り役所を使い行方を調べさせる

国際警察も動き調べるがサッパリ分からなかった


カナダのバンクーバーに着いて空港を出た所迄はカメラに収まっていた

その後の足取りが全然浮かばないのだ!

普通はホテルやタクシー等で足取りが分かるのだがマッタクプツンと途切れてる


これは怪奇な事として騒いだが次第に沈静化して行った

優奈の可憐さと売り出し中のモデルと有って直ぐに人気が沸騰した

悲撃のヒロイン?愛する人が行方不明でも健気に笑顔の天使だと┅


一之瀬麟太郎に恩返ししたい柳コーポレーション総帥 柳隆一郎は行方不明の直人捜索を大々的に行っていた

きっと事件に巻き込まれてると信じてたのだ、何故なら直人は資産を全て現金へ変えて渡った


多額の現金を所持してる、狙われるのは必然なのだと┅

恩有る人の孫が事件に会った、これは自分が出ないでどうする!と息巻いたのだ

若葉はやれやれと諦め様子を見守った、若葉にはこの行方不明は直人自身が謀った事だと思えてならない


資産を急かして処分した事、婚約者で幼馴染みの優奈には何も告げて無い事、唯一信用してる弁護士事務所の所長に資産を譲ってる事


全てが不自然なのだ、慣れない外国で生活するのに資産を処分などしない

賃貸収入が約束されてるなら直の事処分する等、不自然極まりない


消えてしまう事が前提なら理解出来る、何も死ぬとかではなく消える┅


ずっと違和感を覚えてた事を思いだし頭を巡らしてる

一之瀬直人、不思議な印象と不思議な生い立ち、それに事故で瀕死だったのに生まれ変わった姿で元気になった┅


合点が行かない事だらけ?それは優奈の母で有る篠崎 瞳も抱いていた


直人君が行方不明ってのはおかしいわ、確か資産を処分したのよね┅

それに事故で瀕死と言うより死んでるわよ、死んで生まれ変わった┅

もしかしたら転生?┅アハハ、馬鹿な事を


でもこれが真実なら合点が行く事ばかりだわ、彼は死んで転生した┅だけどこの世界では生きて行けなくなった

だから有るものを処分して自然消滅に見せたってのが正解かも┅

はっ!アハハ、誰も信じないわよね、優奈は信じるかしら?

多分信じると思う、あの子は直人君を愛してる、だから生きてると信じてるもの┅


柳若葉、篠崎瞳、この2人は真実を言い当てた、そして優奈はマッタク行方不明を死んだとは思っていなかった


行方不明は何か訳が有るから、いつかフラッ~と私の前に現れる!きっと!

直人は私を裏切らない!きっと守ってくれる、私が信じなくてどうするの!


優奈の心は何時までも直人の事でいっぱいだったのだ


ーーーーーーーーーーーーーーーー


グッスリ寝て頭がスッキリとした

嫌な気分でここに来たが今は早く攻略してしまおうと気を張ってる


2階層 森林エリア


ドギャーン! ガガガッガーン!


ドサドサっとドロップ品が落ちる

【デビルサーベルタイガー】SSクラス


やっぱり威力が定まらないなぁ

【ストーンバリュー】岩の塊を落とす 放つ 飛ばす


普通に魔法を放つと凄いのが出てくるけど?これは俺の能力値が高いからなのか?

加減しないと不味いよな、狭い空間でやたらとぶっぱなしたら此方に帰って来るかも知れないな┅


加減ねぇ、手加減しろって事かな?

確かに手加減しないと自分が巻き込まれるあの目玉みたいに┅

次は手加減を練習しながら責めるかな?


まだナオトは自覚してない、能力が既に限界突破してしまってる事を

これは仕方ない事で未だにステータス確認をしてない


フローディアからも教わってないのも問題なのだがステータスボードにはちゃんと記されてる

全てのスキルが限界突破して沸騰してるのだ、MAXを超えスーパー=SUPERとなってる、イヤハヤ畏れ入るステータス┅


この階層には色んな種類の魔物が現れる、1階層では目玉と牛だけだったが最初に現れた虎に始まり虫や爬虫類に両生類も出てくる


【クィーンサーペント】大蛇 全長20m太さ3m 毒を撒き散らす 皮は希少品 肉は最高級 毒袋は薬師が超喜ぶ 目玉に牙がオークションで拍手 パチパチ!


はん!相変わらずふざけた説明しやがって何がパチパチだ!チャチャと仕留めてやる!クソォ!


森のサーペントはブラックとレッドが普通で確かに肉は唐揚げで超旨かった

皮は高級品の財布やバッグになって服とかも凄く高級品だと書かれてたなぁ


手加減でカッター系の魔法を放つ

やはりウィンド、風魔法がしっくり来た、水は一撃に向いてる

しかし!光魔法は万能だと改めて確信した

ビームやレーザーは手加減して丁度良い案配に撃ち抜ける


ウィンドカッターで切り刻んだヘビは霧となって消えドロップする

肉に毒袋、皮と牙とお約束┅パチパチ!


其れからはビームショットとレーザーショットで対応する事にした

勿論剣や弓に槍も使う、相手に合わせた攻撃を考え倒していく


虎、ヘビ、カメ、アリ、ハチ、イモムシ、クモと倒しドロップ品が沢山になった

面白い事にマジックバッグがチョクチョク出るから品を別けて収納したんだ


素材は特大、宝石類は中、皮とかの細工素材は大のバッグにと仕分けた

カメのドロップ品にアクセサリーが出たから宝石類を一つにしたんだ


宝箱も5個獲得した、2つの箱から武器が出た、魔剣と魔弓、どちらも名付きの逸品だった、此からも出るだろうと収納した


爺さんと叔父さんの祠にも魔が付く剣等が有る、だけど魔の付く武器は魔力を吸われる、装備者の魔力次第で力を発揮するのが魔剣等だ

魔力が少ない者は下手したら武器に殺される、魔力を吸われ力尽く


聖剣は装備者を撰ぶ、強い武器は扱い辛い品が多い、売ればソコソコ稼げるけど


2階層のボスは森の王者とも言うゴリラさんですか?

【キングコングザハル】王者 何者も敵わぬ強者 魔物の支配者 そう呼ばれる事も有る なんちゃって┅


もうなんでも良いよ、ハイハイ、強いのは分かったから


ガオーォオ! ハイ┅レーザーショット!

ポワ~ン ドサドサ


【王冠】【聖剣アフロデガ】【勇者の指輪】【マント】


はっ?勇者?この王冠はどこかの国の物だな┅勇者の指輪ってなんだろう?分からん!収納収納


3階層に入る前に昼飯にしよう、腹減った、ちょっと休憩かな


部屋に入り服を脱いで寛ぐ、ダンジョンって不思議だらけだな?

倒した魔物は時間が来れば又現れる、リポップだっけ?

それに壊れた壁や床も修復される、何故ならダンジョンは生きてるから


俺が作ったクレーターは今頃は修復されて綺麗に元通りになってるだろう

面白いなぁ┅┅眠い┅眠い┅




ーーーーーーーーーーーーーーーー


現実世界 現在


早いものね┅もう2年も過ぎたのに昨日の様に思い出す┅┅直人?今何してるの?


「優奈さん入りま~す」


«ねぇねぇあれが篠崎優奈よね?»

«そうそう、可愛いわよねぇ»

«あっちが噂のロージィね?»

«グループ抜けるってよ»«マジで?»


「ハイ!今晩は!今週は若手で活躍中の皆さんにお越し頂きました!」

「ゲストは先日誉れ高い映画祭の新人賞を受賞された篠崎優奈さんと残念ながら次点となったロージィさんに来て頂きました!」


「いやぁ次点と言っても中々素晴らしい候補の中からの次点ですから見事です!優奈ちゃんは前評判通りの結果でしたが何か変わりましたか?」

「いえ、そんなに変わった事はありません」


「でも歌も出して評判ですよね?作詞をされたと?」

「はい、前から詩を書いてたものですから、それを見たマネージャーさんが事務所に歌もどうかと」

「成る程、優奈ちゃんの綺麗な声と詩が作曲者の方に認められたのですね?」


「作曲はあの歌姫ミーミンさんがしてくれてとても良い作品になりました、恵まれてますね」

「それもこれも優奈ちゃんの実力だと思いますが、凄いヒットをしてまして、音楽サイトの再生が1億回を超えてまだまだ伸びてるらしいです」


「次はロージィさんですが┅┅┅」


ふぅ~やっと終わった┅


「優奈?今日の仕事はこれでおしまいよ、どうするの?」

「あっ!帰ります」

「そう、車を回すわね」

「ありがとうございます、真依さんはこれから?」

「私は営業よ、優奈の次の仕事をゲットするからね!次はドラマよ」

「アハハ、じゃあ頑張って┅下さい」


テレビ局を出てハイヤーは橋を渡り高速へと入る

後部座席で疲れたのかウトウトと眠ってしまった┅

するといきなり大きな音と衝撃で我に帰る


手の平は真っ赤に染まりドロリとした感触?┅┅これは血なの?

急に激しい痛みに襲われ息ができない、目にも何か赤い液体が流れてくる

額?頭から血が流れて目に掛かっている


良く見るとフロントガラスが割れ運転手の頭がガラスに突き刺さっている

自分はと言うとシートベルトに挟まれ動けなく前の座席の背もたれに激しくぶつかったのだろう


懸命にベルトを外そうとするが外れない!

エンジンから煙が立ち上がり今にも爆発しそうだ

ベルトを力込めて外してたが急に辞めた


もう良いや、直人は戻らないし私が待っていても仕方ないもの

本当なら今頃は直人と結婚して子供を抱いてたかも知れない┅

なのに独りぽっちだなんて、神様がいたら馬鹿って言ってやる!


直人を返せ!って┅

私の大切な大事な人をどこにやったの?

どうして返してくれないの!

もう┅頑張れない┅


ハイヤーが激しく爆発して火が立ち上がり煙が辺りを覆う

優奈は静かに目を閉じ息を引き取った、そして爆発と共に砕け散った

後には僅かに死骸の欠片が焼けただれて残った


❪臨時ニュースをお送りします、今日の午後22時30分頃、首都高速環状線で衝突事故が発生、ハイヤーとトラックが合流地点で衝突した模様、現在両方の車両が燃えハイヤーは爆発して大破、トラックは現在も延焼中です、その為に高速は全面通行止です!繰り返します┅┅┅┅❫




優奈は夢を見ていた、白い世界で直人と手を繋ぎ駆けている

直人の笑顔が嬉しくて自然と涙が頬を伝う


『ウォホホ 気がついたかの?』

『貴方は誰!ここはどこですか?』

『本当にすまん事をした ソナタはシノザキユウナじゃな?』

『はい┅そうですが?』

『儂は創造神のガルーダと申す ここは神域と言われる所じゃ』

『神域?神様?では私は死んだの?そうよね┅確かに死んだわ┅』


『まぁ落ち着け ソナタは本当はまだ死なん運命じゃったのだ 何故ならナオトと一緒に過ごしてる筈じゃたのだからな』

『直人!直人って言いましたよね!なんで!なんで貴方が直人を知ってるの!』


『マテマテ 順を追って話すぞ 一之瀬直人が死んだのは間違いじゃったのだよ こちらの手違いでのぉ 本来はソナタと家族を作り末長く生きたのじゃ』


『でも直人は2年前に行方不明になって┅』

『それはアヤツが頼んだのじゃ 未練があるから猶予をくれと それで3ヶ月の猶予を与えた ほれ?姿が変わったじゃろ?』

『あの時に┅じゃあもう死んでたのね?』


『そうじゃ 死んで転生を果たした 3ヶ月だけあの世とこの世を往き来したのじゃ』

『それで慌てて資産を始末したのね、そして行方不明になって証拠を消した┅』


『それでじゃ!間違いの連なりでソナタが死ぬ事になってしもうた 実際はあの車に乗らず直人と食事に行くのが正しい事じゃ ソナタの魂がここに有る この魂は戻れんのじゃ 転生するしかないがどうする?』


『どうするも私には何も出来ないでしょ!それに貴方が神様だろうと私は許しません!直人を殺したのはアナタよね!絶対に許さない!』

『まぁまて 確かに直人が死んだのは我に責任は有る じゃがその償いは充分しておるぞ アヤツもあの世にて楽しく暮らしておる』

『えっ!それホント!直人は生きてるのね!』

『生きておるぞ じゃが世が違うのじゃ お前さんの世界で言う異世界じゃ』

『母さんが言ってた┅直人は異世界へ転生したって┅』

『フォホホ!ソナタの母は鋭いのじゃな?まぁ直人の行動は怪しかったのじゃから仕方ない』


『それで私はどうなるの?』

『実は我等神々の話し合いでソナタは直人が住む世へ送る事にしたのじゃが?』

『じゃあ私は直人に会えるのね!』

『会えるじゃろう その為に運命神と生命神が世話をした』


『それって凄い事よね?神様が私の為に働いたって?』

『ウォホホ 直人は当たり前に要求しておったぞ? まぁアヤツは孫みたいなものじゃ 直人も我を爺さんと思おておる』

『ウフフ、直人らしい、でも違う世界で私は大丈夫なの?』


『それも問題ない 先ずは我等に委ねよ 後はあの世にて説明したが良いじゃろう』

『あっ、ハイ!宜しくお願いします!』

『ソナタはユウナと名乗るのじゃ 良いな?ユウナじゃぞ!』


真っ白な世界から凄い衝撃を体に感じた、そして何故だか気を失った┅┅



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