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今更ながら、召喚師デビュー!  作者: 古澤深尋
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成敗!(秘書課勤務)

お読みいただきありがとうございます。

この話はスマホでポチポチ書いております。

 秘書課での初勤務。

 まずは睨みをきかせることから始まった。

 誰が相手かって?

 秘書課に暇つぶしというセクハラをしにくる御偉方に、だ。


「いや~、森園くん、今日もいいお尻だねぇ」


 アレだ、ヴィルナールサーガ・オンラインに出てくるオークって絶対モデルいるよね。

 目の前の変態親父とかさ!


「谷村企画部長…」


 私はもちろん闘気全開で迎撃態勢。

 秘書課を守るためならこのオーク擬きの愚息をけり砕くくらいやっちゃうよ、的威圧を視線に乗せて叩き込む。

 

「ひ…!」

「うちの女子にセクハラ発言。いい度胸ですね」

「…」


 声も出せずに真っ青になっているオーク。

 違った、谷村部長。

 部長の耳にだけ聞こえるように言ってやる。


「止めねぇならてめえの粗末なモノ引き抜いててめえに食わせてやる」


 あ。

 泡吹いて倒れた。


「森園さん、大丈夫だった?私ちょっとこのブタ企画に捨ててくるから」


 ブハーッ!


「高崎さん、ひどいです」


 森園さんが笑い転げながらも言ってくる。


「笑えるなら大丈夫だね。じゃ、行ってくるから」


 行ってらっしゃい、という和やかな声を受けつつ、スマホで写メってブタを引き摺り企画部へ。


「たのもう!」


 ザワッと企画部全体が揺れ、沈黙する。

 やがて女子社員の一人がこちらに来た。

 同期入社の神谷メイだ。


「高崎さん、何の…部長?」


 戸惑う神谷さんを置き去り。

 私はフロア全体に聞こえるように言ってやる。


「秘書課に朝からやってきて、うちの子捕まえていい尻だとか抜かしたんで睨んだら失神したので返しにきた。」


 途端に女子社員の視線が絶対零度に。


「その辺に置いといて。わざわざありがとう」

「いーや。後はよろしく」


 課に戻ると今度は渉外部長の香坂氏が中根亜紀に絡んで結婚はどうの、男を立ててどうのと昭和理論をぶち上げていた。

 あげくの果てに私のことを取り上げて、腕力ばかりのゴリラ女が出しゃばるから男がやりにくくなるとかまあ言いたい放題。

 今の私なら竜でも倒せるんじゃないかな~とか思いつつ、香坂部長の肩をトントン。


「何だね、人の話を邪魔ッヒャッハアアアアィェェエエ!?」


 腰を抜かしてへたり込み、これまた泡を吹いて失神した。


「またか。でも最後の奇声は笑えるな。」


 プー、クスクス。

 迷惑そうな顔していた中根さんも顔を真っ赤にして笑っている。

 大丈夫そうだ。

 渉外部に行って同様に捨ててきた。


「秘書課の仕事ってこんなのばっか?」

「いえ、そういうわけでは…」


 今日は会長も社長も執務室で書類仕事。

 秘書課は少し平和。

 今のうちにトップ2の交流関係を自分なりに分類しておこう。



 帰宅後ログイン。

 効率プレイのため、ライドの街の北にある巨大な地下迷宮を目指すことになった。

 アリス曰く、素材やレシピが全種類出るらしい。

 敵も豊富。

 

「効率プレイ…縁がないと思ってだけど」


 やると決めた。

 だから進む。


「飛ぶぞ」

「ニャン!」


 ウメが『巨大化した』。

 三人の首を咥えてさっさと自分の背に乗せる。

 光翼+飛翔スキル使用、鬼子母神スキルによる神気増大。


「え、お母様、ま…」

「ひゃああああ!」

「ひいいいいい!」


※※※※


【白虎吼】


 その日、ヴァイツとライドを結ぶ街道は震撼した。

 巨大な神気が辺りを覆い、輝く獣が飛んだのだ。

 街道沿いでたまたまゴブリンに襲われていて助かったエイブラハム氏(72)は語る。

『光がヴァイツの方から飛んできて、ゴブリンの頭が弾け飛んだ。真っ白な肉食獣、伝説の虎が横を飛んでいったんだ。間違いねえ』

 同時にかん高い叫びのようなものも聞こえていたという。

 いずれにせよこの神威でまた魔物等の被害が減り、住民が喜んだのは言うまでもない。

 この後ヴァイツ~ライド間では白虎への信仰が高まり、道中にいくつもの白虎堂が設けられた。

 白虎が吼える姿を模した像はいつしか結界となり、今でも旅人の安全を守っている。


-ライデン書院刊『ヴィルナール珍奇事象集』地の象より抜粋-




 



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