モフモフ
お読みいただきありがとうございます。
ユラです。
萌え死にそうです。
モフモフ地獄です。
…冗談はさておき、私の目の前には猫がいる。
三毛の子猫、しかも、耳が、スコティッシュフォールド。
鼻血が出そう。
ヴァイツの街からライドの街に向かう途中。
巨大な狼男に襲われている群れを発見。
何とはなしに狼男をぶちのめし、助かった者はと振り返るとこの子がいた。
私はモフモフに目がない。
以前そのことで私を揶揄した愚物は物理的に修正してやった。
反省も後悔もしていない。
相手のその後?
知らない。
懐いてくれないかな~
※※※※
お母様が錯乱している…
ミューキットという小型の幻獣を前に、いつものハンサムが台無しになっています。
「おいで~」
チッチッチ、と鳥のさえずりでしょうか。
妙に上手いということは、いつもされているのでしょうか?
これまでの凛々しいイメージが台無しです。
「にゃんにゃーん、いい子ねぇ」
あ!
ミューキットがお母様に抱かれました!
小型とはいえ幻獣、警戒心が異様に高くてなかなかテイムできないはずなのに!
ミーミーと鳴いてお母様の庇護欲をかき立てているようです!
羨まし…ゴホン!
※※※※
ミューキットというらしいこの猫モドキ。
ミーミーと鳴いて私の方に来たので抱き上げると、いつものアレがきた。
《ミューキットを調教しました!名前をつけて下さい。》
【 :ミューキット(雌)】
女の子だった様子。
タマミケあたりは凡庸で面白くない。
何がいいかな。
振り返ると。
「「「…」」」
三人の生暖かい視線が突き刺さった。
「え、何?」
「お母様…」
「ママ…」
「お母さん…」
そのやり取りで、自分が今の今まで何をしていたのかに気がついた。
全部、見られていた訳だ。
猫に話しかける馬鹿面も、幼児言葉も…
「あああ…」
身悶えして転げ回りたくなるが我慢だ。
更なる醜態は私の心のライフを削りまくる。
既にライフはゼロな感じだけど!
黒歴史が、また一つ。
つらい…
名前が決まらず揉めたので、ミューキットの前で挙げる。
「お前の名前の候補だから、嫌なら嫌と言いなさい。」
「みゃ。」
「タマ」
プイッ
お気に召さないようだ。
「ミケ」
ザッザッ
砂かけし始めた。
それほど嫌だということですね分かります。
「リーン」
そっぽを向いている。
「ウメ」
誰だこれ入れたの。
「ウニャニャ、ニャー」
のどをグルグル鳴らし、ジタバタと転げ回る。
何かめちゃくちゃ喜んでいるわね…
「…渋い名前がお好みで」
抱き上げると、ステータス欄の名前が『ウメ』になっていた。
ちょっと、他人に紹介するのが憚られるな。
まあもっとも、紹介するような知人もいないけど!
最近気づいたよ!
このゲームで会話しているのは娘達か住民ばかりで、異邦人とは話したこともないって!
ヴァイツまで戻り、マイルームに連れ込むとウメはすぐに床で丸くなった。
調教した幻獣は食べ物は要らないようで、主人の魔力を糧とするらしい。
ログアウト時は召喚獣達と同じく、一時的に消えるとか。
よし、明日からはウメ用猫アイテムを揃える!
ポーン♪
メール?
アリスだった。
今から会いたいとのこと。
了承する。
即座に出現した。
何でもありだな、アリス。
「お久しぶり。元気してた?」
たわいない挨拶。
だが、猛烈な違和感。
目を見た。
何かを訴えかけている。
そして気づいた。
口の動きと台詞が合ってない。
「あれ?もう一度聞くよ。お久しぶり。元気してた?」
『あれ?もう一度聞くよ。気づいてたら、助けて』
視線を動かす。
器用なことを…
「まあね」
うなずく。
アリスも気づいた。
「あ、ミューキット!かわいい!」
『衣装に住所を書いた。そこに来て』
「あたしも欲しいな」
『通れるようにしておく』
そこまで慎重に言うと、急にざっくばらんになった。
「あ、業務があるんだっけ。またね」
アリスは帰って行ったが、何かやばそうな気配。
住所は調べなくても知っていた。
爺様を看取った病院だ。
私は猫派です。




