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居眠り卿とナルファスト継承戦争  作者: 中里勇史
帝国監察使

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出陣 その2

 ベルウェンが「納得いかねぇな」と言わんばかりに口元をひん曲げていると、1人の傭兵が天幕に入ってきた。ベルウェンに報告があるという。ひとしきり報告を受けたベルウェンが、ウィンたちにその内容を説明した。


 「ふん、まぁ予想はしていたが。監察使殿も通ったから知ってるだろう。デルドリオンから西に、まあまあ整備された道が延びている。ここには襲撃者の馬の蹄跡が残ってた。しばらく行った先でやや道を外れて南に向かったらしい。で、ラモリーン街道に出たようだ。ラモリーン街道は整備されている上に往来も多いから蹄の跡は確認できなかった。この宿営地からの痕跡を自然に伸ばすと、ラモリーン街道を南、つまりプルヴェントへ向かうような線が描けるな」

 「なるほど。それが偽……」

 「偽装かどうかは判断できねぇな」

 「最後まで質問させてくれよ」とウィンは悲しそうに抗議した。


 何もかも決め手に欠ける。

 スハロート派と交渉しようにも、やって来たのはスハロートと意思統一しているようには感じられないウリセファだけ。スハロート自身の意思表示はいまだなされていない。

 監察使の宿営地に夜襲を掛けてきた連中はスハロート派であるという状況証拠だけを残していった。あれだけ正体を隠していた襲撃者がスハロートの紋章だけ落としていくなど、もはや笑わせようとしているとしか思えない。

 おそらく、ここに座して交渉を呼びかけても事態は変わらない。であれば無理やり状況を変化させるか……。

 「よし。明後日、全軍を動かす。ベルウェン、アレス副伯(フォロブロン)、準備してくれ」

 「目的地は?」


 「取りあえずプルヴェントへ」

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