表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
居眠り卿とナルファスト継承戦争  作者: 中里勇史
帝国監察使

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/77

捜索 その2

 レーネットは、ウリセファがリルフェットらをプルヴェントから連れ出したことなど知る由もない。そのためリルフェットが所在不明という噂はレーネットの心をかき乱した。実の母親たちと共にあると思っていたからリルフェットのことは大して心配していなかったが、行方不明となると話が違う。

 レーネットは、暗く沈んでいた心を再び奮い起こした。スハロートたちがリルフェットを守れないなら、自分が守らなければならない。リルフェットの安全を見届けるまでは歯を食いしばって役目を果たさなければならない。

 リルフェットを守りたいという想いが、レーネットに活力をもたらした。兄弟を守ることは、レーネットにとって重要かつ価値のある義務だった。

 レーネットもリルフェットの捜索を家臣に指示し、これによってリルフェット争奪戦の様相を帯びることになった。


 ウィンも、「ティルメイン副伯(リルフェット)行方不明」という話に困惑した。

 「やや、一体何がどうなっているんだ?」と首をかしげる。

 ルティアセスがティルメイン副伯の確保に固執するのはなぜか。そうしなければならない理由とは何か。「いなくなったティルメイン副伯を心配している」以上の何かがあるような気がするのだが、材料不足で思考が定まらない。「サインフェック副伯(スハロート)が探している」のではない点にも引っ掛かった。


 「スハロート派がティルメイン副伯を確保しなければならない理由」と考えたとき、一瞬いやな想像が脳裏をよぎった。だが、具体的な形として捉える前に想像はかき消えてしまった。

 「何か思い付いたのですね?」とアデンが尋ねた。

 「思い付いた気がしたけど、分からなくなった」

 「気に入らない結論だったから考えるのをやめただけではありませんか?」

 「……」

 「今あなたが考えていることが答えなのではありませんか?」

 「……そうじゃないことを祈るよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ