表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愚者たちの輪舞 ―ブランタール公の凱旋―  作者: 中里勇史
カーリルン公領へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

126/127

領地決定

「ラフェルス?」

「御意」


 皇帝宮殿外廷にある皇帝の執務室にしつらえられた机の前に、タッカツァーカが直立している。

 皇帝は、タッカツァーカに提示された地名に引っ掛かりを感じてしばし考え込んだ。椅子の背もたれに体重を乗せて、肘掛けに手を置いて目をつむる。


「聞き覚えがあるな。どんなところだ」

「複数の諸侯領に通じる街道を領内に擁する交通の要衝です。耕作地は多いとは言えませんが、商業的な発展が望めます」

「それだけか?」

「と言いますと?」

「他に何かあったような気がしてな」

「五年ほど前に帝国代官が殺害される事件がありましたが、下手人は既に斬首されて解決しております」

「なるほどそれか……」


 旧ラフェルス副伯家は七年前に転封され、ラフェルス副伯領は帝国直轄領として管理されている。その管理を担っているのが帝国代官である。


「そのようなことまで覚えておいでとは、感服致しました」

「世辞はいい」


 皇帝は右手を煩わしそうに振った。宮内伯ごときの見え透いた追従で喜ぶような男ではない。


「よかろう。これをフロンリオンに届けてやるがいい」


 皇帝は、叙位証書に署名して玉璽を押した。これで、ウィンはラフェルス副伯になることが法的に確定した。

 諸侯の場合は皇帝宮殿で叙位式が行われる。レーネットもアルリフィーアも公位継承に際して帝都に上り、皇帝による叙位を受けている。ただし副伯や士爵は証書の交付で済ませ、叙位を受けた者が後日お礼言上の拝謁をする、という略式を取る。


 タッカツァーカは皇帝から叙位証書を受け取ると、しずしずと退室した。


 笑いが漏れそうになるのをこらえるのに苦労した。自分の詰め所に戻れば思う存分笑うことができる。それまでの辛抱だ。


「貴様のために良い地を探してやったぞ。せいぜい苦労するがいい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ