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序章
2026/3/6:改稿版
敵は最も有利な地形に布陣して待ち伏せしていた。
台地はさほど広くない。下からでは見えないが、台地にいる敵兵はそう多くないはずだ。弓兵による奇襲で混乱させた後、平地に展開した本隊が頃合いを見計らって殺到してくるに違いない。
台地の弓兵を排除するのは傭兵たちに任せて、騎兵は敵本隊の出現に備えた。
傭兵たちは練度が高かった。
盾で前面を守る者、上からの矢を防ぐ者に分かれて防御陣を構築し、その間から弓兵が台地の上に矢を曲射する態勢を整えつつあった。その隙に、敵の矢が届かない地点から台地に這い上がる一団を組織していた。台地に上って白兵戦に持ち込めば弓兵を沈黙させることができる。これらを前線の十人隊長や百人隊長が独自の判断で指揮し、実現していた。
「やや、私の出る幕はないね。これは楽でいい」
「全てあなたの無能と怠慢が招いたことです」
「手厳しいな。それなりに努力したつもりなんだけど」
「そうでしたか? あなたは明らかに……」




