表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夫婦でほのぼの開拓VRMMO  作者: 島 恵奈華
2年目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

659/697

ユ:ハトのお世話を済ませたら


「序列の順番に並びなさい! 乱した奴は無音羽ばたき訓練よ! ……序列が無い? だったら適当に並びなさい! グズグズしない!」

「……はい、次のハトの要望は?」

「えっと、今日のオヤツは麦系が食べたいですポー」

「……麦ね……はいどうぞ」


 ……俺はてっきり、掃除とか水の補充とかそういう事をやるんだと思っていたんだけどな。

 俺が動物と会話が出来るとわかると、あっという間にハトのカウンセリング対応みたいな状態になっていた。

 ベロニカの鋭い誘導の声がハト舎に響く。やっぱり城の兵士を経験している元斥候クロウは迫力があるからか、ハトは素直に言うことを聞いていた。


「なんだか羽根の付け根が痒いんですポポー」

「……ガレンシアドナさん! このハト、羽根の付け根が痒いそうです」

「おや、診てみましょう」


 この大神殿で飼われているハトは全部ビンズポッポだ。

 ここに襲撃に来るモンスターはほとんどがビンズポッポなので、空から撃ってくる相手を撃ち落とす為に同じビンズポッポを育てているらしい。

 神殿の所々にある銃眼は、魔法を撃つ神官と一緒にビンズポッポも使うのだとか。

 これは冒険者の開拓主がいた頃からやっていた対策で、ビンズポッポの数を揃えれば壁を超えられないヤマネコタイプのモンスターも一方的に撃てるので理にかなった方法だと継続しているそうだ。


「旦那さんは、まるで『フューズビースト』のようですねぇ」

「『フューズビースト』ってなんですか?」

「獣人の上位種族ですよ。彼等は、族長に力と心の強さを認められたら、動物と会話が出来るようになる力を授けてもらい、ヒト族として生きる内に失われた野生の魂と融合して上位種族と成るそうです」

「へぇー」


 ……俺が黒鳥幻獣に貰った木の実は、多分それだなぁ。

 フェアリーの時の虫と会話が出来るようになるアイテムも、他種族はクエスト頑張れば貰えるみたいな話だった。前倒しで貰ったような感じになるんだろう。


 ガレンシアドナさんとキーナは、せっせと掃除と餌や水の補充をしている。

 いつもはハトに『オヤツオヤツ!』と纏わりつかれながらやる作業らしいが、俺とベロニカがカウンセリングでハトを引き受けた事で、実にスムーズに作業が進んでいるようだった。

 ……なお、ネビュラは戦力外なので部屋の外にいる。


「今日は剥きクルミが食べたいですポ」

「……はい、クルミ」


 ハトは、オヤツを食べた順番に「カロリー取ったら運動してきなさーい!」とベロニカに追い立てられて外を飛んでいる。

 おかげでハト舎はどんどん空いて、掃除がしやすくなっていた。


「……終わりました」

「こっちもちょうど終わったよー」

「お疲れ様です。とても助かりました、ありがとうございます」


 外を飛ぶハト達に「掃除終わったわよ! 程々に飛んだら戻りなさーい!」とベロニカが声をかけて、俺達はハト舎を後にする。


「予定よりかなり早く終わりましたので、ゆっくりお話いたしましょう」


 そう言うと、ガレンシアドナさんは俺達を応接室のような部屋へ案内して、お茶を淹れてくれた。

 ハーブのお茶を飲んでひと息。

 その間に、ガレンシアドナさんは部屋の棚から何枚かの書類を出して椅子に戻ってくる。


「では……理の女神についてのお話でしたね。まずお二人は、この世界と本国の神については、どの程度理解しておられますか?」


 俺とキーナは記憶を辿りながら、以前ピリオノートの教会で聞いた話をざっくりと話した。

 こっちの世界には生誕の神だけだった事。

 本国の世界は、主神を筆頭にたくさんの神々がいる事。

 移住を歓迎してもらえたので、開拓神を始めとした三神をメインにこっちの世界へ分け身がやって来ている事。


「意外と、色んな神様がこっちに関わって来てるよね?」

「……だな」


 俺達の話を聞くと、ガレンシアドナさんは「なるほど」と頷いて微笑んだ。


「理解はそれで大丈夫です。では、それを踏まえて理の女神の事をお話しましょう」


 そう言うと、俺達に1枚の姿絵を見せてくれた。


「これが、理の女神のお姿です」


 それは何枚も何枚も、数え切れない程の薄布を被って目元しか見えていない女性の姿だった。

 色とりどりの、色が透ける程に薄い布が複雑に絡み合って、体のラインで女神だとわかるのに、布が重なり過ぎて肌は目元の一部しか見えていない。


「理の女神は、とてもとても古い神になります。どれくらい古いかと言うと……主神の娘、長女ですから、ほぼ世界の成り立ちと同じくらいになりますね」


 へぇ、序列もかなり高そうな神様だな。


「役割はその名の通り、世界の理、ルールを定め管理する事。……最近で言いますと、【光魔法】を用いた姿を隠す術の変化や、【鏡魔法】の使い方の一部に負担が増えたりといった事がありましたね。ああいった事象は、世界のバランスを取るために理を変更している女神の御業となるのです」


 ……なるほど。ゲームのバランス調整は、ゲーム内の世界では女神が調整しているって設定なのか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
理の女神さまのイメージ映像がメジェド様になってしまった
森夫婦はあんだけ逸脱してるようで仕様の範囲内で遊んでるほうだから目立って困らせてるのは想定チャートを巻きに巻かれてるクエスト生成担当者&AIだけだと思う 理の女神に負担かけてるのはデバッグと大差ない判…
理の女神の負担増やしてる原因=森夫婦 という方程式では?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ