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おばあちゃんの異世界漫遊記  作者: まめのこ
【第2章】丘の街ヴィトエート
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4 脱出

「アガット、これからどうするつもりだ?」

「・・・あのまま見殺しにはできなかったから後先考えずに子供を保護しちゃいました。」

「そうだな。じゃなきゃ俺もここまで悩まなかった。」


白髪をさすりながらロザールは言う。彼も悩み抜いたのだ。子供を連れた旅は危険だ。ましてや大怪我を負った子だ。


「とりあえず次の街で子供が回復するまで根をおろそうかと思います。」

「そうか・・・それがいいかもしれんな。」

「ロザールさんは?」

「俺も以前からこの村人達には愛想を尽かしてる。それでこの件だろう?出て行くよ。」

「息子さんの捜索もありますしね。」

「・・・・いや、良ければなんだか次の街まで付いて行ってもいいだろうか?」


子供を見つめポツリとそう呟いたロザールさんの顔は優しかった。きっと子供が心配なのだろう。そして子供を連れて旅をする予定のアガットも・・・

怪我をした子供のためと言ってもアガットは女だ。今日初めて会った男に一緒について行くと言われ警戒しない訳がない。それでもロザールがそう切り出しのは責任感が強い彼の優しさだった。


「よろしくお願いします。ロザールさんがいれば道中何かあった時頼りになります。」

「こちらこそ。次の行き先は決まっているのか?」


「元々丘の街ヴィトエートに向かう予定だったので、このまま向かいます。」

「ヴィトエートか・・俺がこの村に辿り着く前に滞在した街だ。ここからだと更に1週間かかるが道案内は任せてくれ。」

「お願いします。この子の火傷に関しては安静にしていないといけないので、長期滞在できる場所であればなおいいです。」

「そうだな。先にあんたが乗って来たラクダに餌をやりに行ってくる。」


〜〜〜〜〜


夜も更けた頃、

ラクダに餌をあげに行ったロザールが小走りで戻ってきた。


「ちょっとまずい事になった。村人たちが子供を探して集まり始めた。」

「村でここが唯一の宿屋なんですよね?見つかるのは時間の問題じゃ・・・」

「あぁ・・・まずいことになりそうだ・・・子供の容体は?」

「少し安定してますが、まだ無理はできません。今すぐ出発した方がいいんですよね?」

「あぁ、だが・・・」

「大丈夫です。」

ロザールの話を遮るように立ち上がり、アガットは壁に扉を出現させる。居間にある薬瓶などを部屋に片付けていく。初めて空間魔法を見たロザールは口をあんぐりとさせている。


「もう少し様子を見てたいですが・・・子供をここのベットに。」

「あ、あぁ・・・・」

「後、必要な物もこちらに詰め込んでください。」


すぐに荷造りを始める。ロザールは旅に慣れているだけあってすぐに荷造りを終え、武器の準備をしている。アガットは弓矢を背負い、子供の容体を見つつ食料を補充していく。

荷造りが終われば、急いでラクダを引いて村を出た。


村人達に気づかれないようラクダを引いて走り、ある程度距離をとったらラクダに飛び乗り一気に駆けていく。ちらりと村の方を見やれば集まった松明の光が宿屋を囲っていた。


間一髪だった。後少し遅かったら・・・と考えアガットはゾッとした。ロザールの方を見やれば同じことを想像したのだろう、苦々しい表情をしていた。2人とも無言でラクダを走らせた。


〜〜〜〜〜


丘の街ヴィトエートは名の通り見晴らしのいい丘の教会を中心に成り立つ美しい街だった。

街を囲うように果樹園が存在しており、この季節は花が咲きほこり、晴天と石畳の街とのコントラストが美しい。


2人は1週間かかる道のりを子供の手当てをしながら2週間かけて来た。


門番はロザールの顔を覚えて下り、子供は見つかったのかと心配してくれる。

2、3質問が終わるとすぐ通してくれた。

アガットもラクダから下り、ロザールの後を付いて行きながらアガットは市内を見渡す。

メインストリートは人通りが多く活気があり、中央広場には公園があり子供達が遊んでいる。

小道にそれると現地の人たちの生活感が一気に増す。干された洗濯物、料理のいい匂い、赤ちゃんの鳴き声など。


小道の突き当たりに大きな扉があり、ロザールは呼び鈴を鳴らした。


程なくして扉が開き、中から大きいメガネをかけた老婦人が顔を出す。


「あらまぁ、ロザールさんじゃありませんか?」

「お久しぶりです、サフサさん。お部屋を2部屋ほど借りたいのですが・・・」

「ええ、ええ大丈夫ですよ。お子さん見つかりました?」

「それがですね・・・・・」


さあさあ中に入ってと手招きされアガットも門をくぐる。


2階建ての家は門を挟んで中庭を中心にコの字のように建てられていた。門の隣に馬小屋があり、そこにラクダを繋いで餌をたっぷり与えておく。

手入れがいき届いている中庭を抜けて受付兼食堂に入ると、座るよう促される。

「サフサさん、こちら道中で知り合ったアガット嬢です。」

「アガット・トランドットと申します。突然の訪問済みません。」

「あらあら!全然気にしないで、アガットさん。サフサ・ルドゥキです。お腹すいてるでしょう?ちょっと待っててね。」


そう言ってチャイティーと軽食を差し出される。サフサはロザールとの話に夢中だ。


軽食はピタパンとフムスという野菜とオリーブオイルのペーストの盛り合わせた。

焼きたてのピタパンは千切るといい匂いが広がった。まず、ひよこ豆のペーストにつけて食べると豆とオリーブオイルのまろやかな甘みが口いっぱいに広がる。ナスとゴマのペーストはゴマのコクがナスの臭みを消して香りを引き立たせている。トマトと玉ねぎのペーストは言わずもがな絶品だった。


「おかわりいかが?」

「あ・・・いえ・・大丈夫です。ありがとうございます。」


いつの間にかロザールとサフサの話は終わっており、ご飯に夢中なところを見られていたのかと思うとアガットは顔が火照っていくのを感じた。


食事が終わるとそれぞれ部屋に案内された。

部屋と風呂トイレは別で、1階は男性用、2階に女性用があるためサフサの気遣いでロザールは1階の部屋、アガットは2階の部屋だった。


「今は滞在者がいないから貸し切りよ!。ゆっくりしていってね〜。」


うふふと笑いながらサフサが出ていくのを見届けて、アガットは壁に部屋を出現させ子供の様子を確認しに行く。ここ2週間の看病のおかげか容体は安定している。


ホッと一息ついて服を持って風呂場に駆け込む。疲れと緊張のためヘトヘトだった。


早くさっぱりしてフカフカのベットで寝たかった。



評価20ptありがとうございます!


自分の小説にこんな評価を付けて貰えるなんて!!これからも頑張ります!

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