↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/79

『戦争の天才』は降伏勧告を受け入れる!

「もうこれ以上奴の横暴は我慢できない!」


「皇帝陛下直属の司令官だろうがもう我慢できない!」


 ヴァントリアス帝国の諸侯たちは一斉に声をあげる。

 怒りの矛先はただ一人。

 辻である。

 ヴァントリアス帝国は戦争に負けそうである。

 しかし、辻は降伏を絶対に認めない。

 首都は陥落し、工場は核兵器で焼かれ、人は特攻で死んでゆく。

 もはや帝国の戦況に勝ち目などない。


 そこで諸侯たちはどうしたら降伏できるのかを考えた。

 そして、一つの結論に行きつく。

 辻の暗殺だ。

 歴史的に見てもよくある手段だ。


 作戦はすぐに実行された。

 狙われたのは移動中。

 車から降り、建物から移動しようとしたその時、一発の銃声が響き渡った。

 銃弾は見事、辻の頭を貫いた。

 辻は即死だった。

 皮肉にも、狙撃したのは辻が異世界から召喚した、シモ・ヘイヘの一番弟子だった。


 それからすぐ、この事実は隠匿され、情報統制が敷かれた。

 そして捜査が始まった。

 しかし、数々の侯爵が、協力しているため、捜査は難航。


 そんな中、リアムリード公爵は皇帝に罪を自白した。

 その報を受け皇帝はすぐに、リアム・リード公爵と対談をした。


 対談する部屋は、質素で机と椅子が置かれているだけ。

 後は花が少し飾られている程度だ。


「リード公、なぜ辻を殺害した?」


 そう質問する男こそ、ヴァントリアス帝国の皇帝。

 年齢は28で、お世辞にも風格があるとは言えない。

 髭はなく、スラっとしている。

 

「辻は降伏をかたくなに拒みました。しかし、この戦況では勝つことは不可能。よって、辻を殺害し、

 この国を降伏へ傾けようと致しました」


 それを聞いた皇帝は「そうか」とだけいって黙った。


「陛下、大陸同盟は、人道を重んじると聞きます。降伏を受け入れても、国益を損なう事こそあれど、

 滅亡させるようなことはしないと思っております。これ以上戦っても無辜の民を無意味に害するだけ。

 どうか、降伏を受け入れてはもらえないでしょうか」


「わかった。降伏しよう」


 皇帝の返事は早かった。

 まるで、仕組まれているかのようだった。


 後に分かる事だが、皇帝は降伏派だった。

 しかし、辻が召喚されてからというもの、皇帝の権力は衰え、辻に権力が集まるようになっていた。

 最初こそ、近代化を成し遂げ、諸外国を打ち負かし、国家を強化させていたことから、皇帝はあまり強く反論できなかったが、次第に戦況が悪化するにつれて、皇帝は辻に対する不信感を強めていったそうだ。

 降伏したくてもできない、そんな状況に頭を悩ませているときに、あの暗殺が起き皇帝にとっては僥倖だった。




‐‐‐




 つい先ほど、ヴァントリアス帝国から降伏の申し入れが来ていた。

 我々はそれをすぐに受け入れた。

 前線には攻撃の停止を命令し、敵には武装解除を要求した。


 ついに終わったのだ。

 この長く苦しい戦争は。

 多くの人が死に、建物は壊され、国土は荒廃した。

 

 しかし、これこそが『最終戦争』

 これで、人類は平和になるだろう。 

 

 それから私は降伏に向けて、様々な手引きをした。

 ここからは政治の世界。

 と言うことで、この件の責任者にリノ・バステルを任命した。

 

 しかし、私は一つ、絶対に遵守すべきことを告げた。

 それは、一方的な裁判をしない事だ。

 前世、極東国際軍事裁判は酷いものだった。

 いわれのない罪をかけられたものや、当時は存在していなかった罪で裁かれたもの。

 そして、そのすべてで、一切の言い分を聞き入れてもらえなかった。

 あんなものを繰り返してはならない。

 私はそのことをリノ・バステルに伝えた。

 

 長く苦しい戦争は終わった。

 そう思うと、私の方に乗っていた、重い何かがとれたように感じた。

そろそろ物語も終わりを迎えそうになりました。


最後に質問返しをしたいと思います。(実はやってみたかった)


質問や指摘等ございましたらぜひお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。