episode:36 呼び名
今回はご無沙汰だった少女漫画要素があります。
…私は、今は甲板の前にいた。
episode:36 呼び名
あの後、レティさんと別れお礼を言い私は上着を返しました。私は空を見上げもうすぐ夜が晴れ、朝が来ます。
「もう大丈夫なのか」
私は、振り向くと頷いた。
「はい、大丈夫です。…私を助けてくれたんですよね。ありがとうございます。ブラウさん」
私はブラウさんにお礼を言うとブラウさんは何か考えるような仕草をして、
「…何故、さん付けなんだ?」
と、唐突に言ったため、私は少し混乱しました。
「後、年も近いのなら敬語も必要ないだろう。」
私は必死に考えを巡らせ、あっと気づいた。
「…もしかして、敬語やさん付けを気にされていたんですかずっと」
私が言うとブラウさんはポカンとした後、ハッとした顔をされました。そして、
「…すまない…今のは忘れてくれ…」
そのまま俯いていました。私は、その姿に自然と笑みを浮かべ、
「では、これからブラウ君でいいですか?敬語は癖でなかなかとれないので何とかしますが。」
ブラウ君はばつが悪そうな顔され、黙って頷くと私の目の前まで来てくれ、私の両頬を掴むと、
「…泣いてたのか…」
…彼にも大分心配をかけてしまったみたいでいつも無表情から心配の色を出していました。私は頷くと
「…はい…でも、大丈夫です。」
彼はどこか複雑な顔をされましたが直ぐに元の顔に戻ると私を抱き締めました。私は、
「あ……あのっ……ブラウ君?…」
彼は無言で抱きしめたまま、ずっと動きません。…いつもと違う彼を心配しました。
「…どう、したんですか…?ブラウ君…」
彼は、小声で何か言っていましたが、近くにいるのに聞こえなくて、それが私も不安になり、彼を抱きしめ返しました。…まるで何かと戦っている彼を私は、こうして抱き締めることしか今はできない…。彼も私にとって守りたい大切な人です。だから何も言えないで今、苦しんでる彼を私はどうやって助けられるのか、分かりません。ですが、今言えるのはこの一言だけ。
「大丈夫です。」
彼の抱きしめる力が少し強くなり、これが彼なりの返事なのだろうと私は思いました。
しばらくして、彼が離れて行きました。…離れていくのが少しもったいない気がしました。目を合わせると二人で笑いました。…彼は無表情ですが、雰囲気がそんな感じです。
ー…夜が晴れ、朝が来た…私は彼の手に自分の手を重ねて彼も私の重ねた手を握りました…ー
やはり、ラブをしばらく入れないと反動が凄い事が判明しました…。ブラウ君になったね!やったねブラウ!ではまた。