第39話 『限界突破』
――ギィンッッ‼
初速で詰めてきた騎兵の一撃、私はなんとか聖刃で受け止めた。速い……それに重い!
「どうしたっ、動きが鈍いぞっ⁉」
サラが叫ぶも、私には一切余裕がなかった。分かってる……分かってるけど!
――ギギィイインッ!
耳障りな馬の嘶き擬きが響くと、騎兵は前肢を大きく振り被った。よく見ると蹄の部分に鋭い刃! それ反則……!
ギィン! エッジはサラに止められ、私に届くことはなかった。彼女がいなければ、私の上下半身は永久にサヨナラしていた。
「退けっ、今の貴女は邪魔でしかないっ」
私は素直に従った。離脱した瞬間、激しい剣戟が展開される! 目で追うのがやっとだ。
騎兵は両腕と前肢の四刀流でサラを圧倒、距離を離すと馬の機動力でサラにつけ入る隙を与えなかった。
「やるな! ならば……」
サラが納刀して、独特の構えを取った。
「――秘剣・風林華閃っ」
ザンッ! 不可視の八連撃が放たれた!
ギギッ! 騎兵もまた四刀流で対応する!
「敵ながら天晴よ! だが……」
サラがさらに体勢を低くした。風林華閃はあと二回、太刀筋を残している。さっきのは序、次は『破』か……!
「――秘剣・風林……がぁああっ⁉」
だが、彼女の秘剣が繰り出される事はなかった。無数の雷撃がサラを撃ち、構えを中断せざるを得なかった。
今のは魔術……⁉ 剣技に加えて魔術にも長けているなんて、見掛けによらず八面六臂なヤツだ。って、感心している場合じゃない!
――バチバチッ!
私は雷撃を聖刃に吸収させた! 想像以上の電圧……! これじゃいつまでももたないっ!
さらに騎兵の周りに無数の『雷矢』が……!
「こちらエミリー、狙い撃つわっっ」
――ズドンッッ‼
凄まじい閃光が疾り、無数の雷矢は一瞬で消失。本体の騎兵を撃ち抜いた!
「……エミリー⁉ 無事だったの?」
「無事だったの? じゃないでしょうが!」
プンスカしながら、私に詰め寄るエミリー。
「アンタが勝手に落ちて、アタシがどんだけ苦労したと思ってんのよ⁉」
「ゴメンってば。埋め合わせは必ずするから」
「……有頂天になるのは早計いぞ」
サラが太刀に体を預けながら、なんとか立ち上がった。騎兵はダメージはあったものの、まだ稼働けそうだ。想像以上にタフな奴だ。
ドンッ! 騎兵が巨大なランスを地に突き刺した! 何を……?
――バチバチバチバチッッ‼
次の瞬間、猛烈な雷撃が私たちを捉えた! なに……が……⁉ よく見ると、足元に五芒星が輝いていた! これも魔術……? 初見564にも程があるでしょ⁉
「ああ"っ⁉ アタシのお気に入りの服がぁ」
「ぐぬぬ……先ず命の心配をしたどうだ⁉」
サラの言う通り、このままでは確実に8られる! 騎兵は私たち三人で組まれると、厄介と判断したか⁉
体に力が……私に『秘めたる力』が潜在のなら……お願いっ、目覚めてっっ
――カッ
私の全身から、翠のオーラが溢れ出た! これは限定解除⁉ 私は自らの『意思』で、限界を超えた!
面白いと思いましたら、モチベになるので是非ブックマークをお願いします。




