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第33話 『転送』

「なんですって……?」


 私は思わず訊き返した。それが出来たら、とっくにやっている。


「今の見てなかったの? 現にパリィされたじゃない」

「だーかーら! アレを上回る超火力で、シールドごとブチ破ればいいって話よ!」


 なんとまぁ……その発想はなかった。実に子供らしいけど、子供だからこそか。


「なにか『秘策』があるみたいね?」

「まっかせなさ~い! でも『召還』に時間が掛かるわ」


 召還というのが何か判らないけど、ここはエミリーを信じよう。私は(おとり)役に徹した。

マスケット銃と雷針突が効いているみたいで、親衛隊は動きが鈍くなっていた。


「エミリー、まだなのっ⁉」

「お待たせぇ」


 振り向くとどこから用意したのか、エミリーは巨大な大砲を構えていた。


「こちらエミリー、狙い撃つわっっ」


――ドゴォオオオオ~~~~ンッッ‼


 凄まじい熱線が放射され、親衛隊を直撃! なんとか耐えるも盾はドロドロ、トドメを刺すのは容易だった。


「助かったわ、エミリー。いつの間にあんなモノを?」

「ふふん、お爺ちゃんに頼んで造ってもらったのヨン♪ それをセーフティーの技術を利用して、転送したってワケ」


 成程……確かにセーフティーでは、アイテムの出し入れが可能だ。私もよくドローンの補充、シールドの修復などに使っている。


「でも、大砲は大破したけど大丈夫なの?」

「のーぷろぶれむよっ、またお爺ちゃんに造ってもらえばいいから!」


……そういう問題かしら。絶対、オズに怒られるよ? まぁ助けられたのも事実だし、私からも補足しておこう。


 ◇ ◇ ◇


 その後、特にトラブルもなく大聖堂にたどり着いた私たち。遠くからでも目立つ大聖堂は、まさに圧巻だった。

 大きな扉の前では、サラが地域にいた時みたいに壁に背を預けていた。


「随分、遅かったな」

「歓迎を受けてたの」


 皮肉を皮肉で返すと、サラは小さく嘆息。


「その様子だと、親衛隊に相当手こずったようだな?」

「知ってたなら、加勢してくれてもいーんじゃないかなぁ?」


 腰に両手を当てて、プンスカするエミリー。


「冗談。あんな『ガラクタ』に、拙者の太刀を見せるつもりはない」


 言いたい放題だが、それだけの実力はある。サラに先導されて、大聖堂に踏み込む私たち。サラは、「ここからは何があっても自己責任だ」と釘を刺すのを忘れなかった。

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