表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/50

第23話 『天使』

「くやしいくやしいくやしい~~~」

「……いい加減、機嫌を直したら?」


 寝そべって、駄々をこねているエミリーに私は嘆息した。子守りをしに来た覚えはないけどね。


「それはそうと、懸賞金とはどういう事かしら? オズが貴女に依頼したの?」

「ふーんだ! なんでそんな事、教えないといけないのよっ⁉」


「いいの? 貴女がどうやってここまで来たのか知らないけど、帰りの足とか考えてるの? 歩いて地域(ホーム)まで帰るなら別にいいけど」


「………………」


 エミリーはしばし沈黙して……


「何でもききなさいな。このエミリー様が、特別に答えてあげるわ!」


 あっさり手の平を返す。分かりやすいコだ。


「そ、それは……ちょっとしたアルバイトよ」

「アルバイト……?」


 私は思わず眉をひそめた。


「私たち腕利きの傭兵は、地域以外に臨時で雇われることがあるの。主に野良の異形狩りね」


 成る程……だから『アルバイト』ね。


「地域以外ってことは、女神一派?」


「なによ、悪い? おカネがイイから、傭兵ならみんなヤッてるよ」


 全く悪びれた様子のないエミリー。そういえばオズも報酬次第で、汚れ仕事をやるって言ってたな。確かに黄泉人、はぐれ警備兵(ガーディアン)処刑人(エクスキューショナー)など、女神一派にとっても邪魔な存在だ。


「成る程ね……貴女は今後、どうするの?」

「は? どーするって何がよ?」


「オズの『計画』は知ってるでしょ? 貴女はそれでも『バイト』を続けるつもりかしら?」


「………………」


 エミリーはまたも黙り込み……


「ったく、仕方ないわねぇ。特別にこのエミリー様が、力を貸してあげるわ」


 両手を腰に当て、小さな胸を張るエミリー。

全く調子のいいコだ。その時、私は背後から刺すような『殺気』を感じた。


「――危ないっ」


 私は反射的にエミリーを抱えて、後方に大きく跳んだ! 直後、凄まじい炸裂音が響き地面が(えぐ)れた! 殺傷力はエミリーのマスケット銃と同等、(ある)いはそれ以上か。


 見上げると、奇妙な存在が私たちを俯瞰(ふかん)していた。顔がなく純白のローブ、背丈以上の両翼、天使のような輪をかざしていた。


 それを見た瞬間、エミリーが「あ……」とか細い声を上げた。横目で見ると、小刻みに震えて顔面蒼白だった。


「エミリー、アレを知ってるの?」

「は…? アンタ、知らないの?」


 こちらには見向きもせず、ひたすら頭上を凝視するエミリー。確かに異彩なプレッシャーを感じるけど、それほどなの?


「アレは『天使(アンゲロイ)』……女神一派の主力部隊で、女神の忠実な下僕でもあるわ」


 要するに『幹部』といったところか。


「……アタシたち傭兵の間でも、天使には手を出すなって言われてるわ。って、アンタ何して……⁉」


 聖刃(ブレイド)を抜く私に驚くエミリー。どのみち見逃してくれるワケじゃない。なら、死中に活は自ら求めるべきだ。


面白いと思いましたら、モチベになるので是非ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ