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第拾陸話 エリア攻略、レアボス?


―――セーフティーエリア スファーレ


「海も楽しく、クエストも楽しくやって来ている俺たちだが………一体、何故こんなことになってしまったんだ……」

「「貴女がこんな女を隠してたからでしょう!?」」


 メリーの目の前にいる二人の女が声を揃えて言った。流石のメリーもこれには耳を両手で塞ぐ。本当に、何故こんなことになってしまったのだろうか。そう一刻前の自分を思い出し、後悔するのだ。そう、この修羅場の発生は二刻前、つまり一時間程前に遡る。


―――一時間前 セーフティーエリア スファーレ


「あー、楽しかったぁ……」

「そうね」


 海からスファーレに転移し、『恋人達の再開の場』に帰還したメリーはいの一番にそう言うと、アリアは笑いながら肯定した。


「これからどうする?」

「うーん……メリーが疲れてないならこのまま次のセーフティーエリアを目指してもいいよ」


 アリアはそう言うとシステムメニューを操作し、先程までの可愛かった服から凛々しく、そして中々の存在感を放つ装備に変わった。対敵モブ用に作った服だという。アリアは対〇〇用に装備を分けて使うのだ。だが、何かに特化するという事は逆に何かに劇的に弱いという事でもある。

 今は対敵モブ用装備を着ているが、元々友好モブであるモンスターに敵対化されると、そのダメージは何倍にも膨れ上がるのだ。つまり、最強の矛であり、最弱の盾でもあるのだ。

 その特性こそプレイヤー『Arias Feel』の長所であり短所。そして現在の仕事を続けていられる所以でもあった。


「でもまぁ、その顔じゃあ答えは決まってるようね」


 クスクスと笑い、アリアはレイピアを腰に装備する。メリーは首を傾げ、何故バレたのかと思考を始めた。


「だって、顔に書いてるもの」


 微笑み、そう言い残すと、茫然と思考を止め、突っ立っているメリーを置いてフィールドエリアへの道を進んでいった。


 ✝ ✞ ✝ ✞ ✝ ✞


―――フィールドエリア ???


 金属の擦れ合う音をさせながら、男は雪原を進む。金属製の鎧はフィールドの気温で冷え、男の体を冷やしていく。


「あ~…クッソ……もう限界、か」


 男は吹雪が吹き荒れる灰色の空を見上げ、呟く。男は悟ったのだ、自分の死期を。男は動かなくなってきた手を動かし、腰の小麦色のポーチの中から試験管のような細いガラス製の瓶を取り出した。


「そんじゃ……これも、国に届けなくても、いいって…ことだ」


 瓶の中には緑色の、スライムのような液体が入っている。男はその中身を知らないが、危険な物だという事は理解している。

 男は瓶の栓となっていたコルクを抜き、中身の液体を飲み干した。刹那、男の体は内側で何かが暴れているように体は変形し、男は叫び声を上げる。


「ガアアアアアアアアア!!!」


 体の中を走る激痛に喉を掻きむしり、血走った眼を空に向ける。骨の折れるような音を立てながら、纏っている鎧を貫き、背中から黒いボロボロの、竜の翼が開かれた。

 翼は男の体よりも大きく、平均的な身長の大人二人分の大きさは軽くあるだろう。一面銀世界の空間にぽかりと空いた穴のようで、不気味さを醸し出す翼が一回り大きくなると男の体は内側から破裂し、肉片や鎧の破片などが散らばる。

 男の内側から現れたのは漆黒の鱗を血液で濡らし、ギラリとした赤い目が景色を捉えると、その龍は空へと咆哮した。


「グルルラァァァァァァ!!」


 龍はその翼を広げ、飛び立った。


 ✝ ✞ ✝ ✞ ✝ ✞


 薄暗いトンネルのような通路を駆けながらすれ違いざまにモンスターを切り捨てる。薄暗い空間にボーンフェンサーとネームタグのついているモンスターが動く骨の音とメリー達のかける音が響く。


「にしてもっ…数が多くないか!?」


 ボーンフェンサーと切り結び、そして切り捨てるメリーがアリアに対して問いかける。


「そうねっ…私達が攻略した時はここまでいなかった筈なんだけど!」


 アリアは自前のレイピアで二体のボーンフェンサーを貫き、ポリゴンの欠片へと帰した。互いに互いのカバーをし、確実にボスエリアへと進む。


 ✝ ✞ ✝ ✞ ✝ ✞


 数多のボーンフェンサーをポリゴンにし、突き進んできたトンネルのような道も終わり、重厚な扉が姿を現した。メリーはのんきにシステムメニューを開き、装備を変更していく。このアカウントで初ログインした当初からずっとお世話になり続けている初期装備をアイテムストレージに送り、アイテムストレージから【ゲオルグ・ソーン】と共にアリアに作成してもらった【戦乙女】装備一式を装備する。

 外見は白を基調としたドレスアーマー、所々に上品に金色も散りばめられ天女のような羽衣もついている。


「……俺が依頼したとはいえ、俺が想像した通りに作ってくれるとは」


 メリーは【戦乙女】装備を着ている自分(アバター)の姿にうっとりしたように見つめているとアリアは咳払いし、ボスエリアの前にいるという現実にメリーを引き戻した。


「っと、すまんアリア。それじゃあ、行きますか」


 扉を蹴り開けた。重厚な扉はズズズっ…と音を立て、ゆっくりと勿体ぶるように開いていく。隙間から覗くとボスエリアの中は城の謁見の間になっており、天井から吊り下げられたヒビの入ったシャンデリアには蒼い鬼火が揺れている。

 重厚な扉から伸びたレッドカーペットだった物は所々が赤黒く染まっているのは過去に挑戦した冒険者の血であると推測される――因みに全て攻略掲示板に乗っていることである――。

 そしてレッドカーペットが続く先は人の骨で作られたであろう玉座。その座に座るのは剣を抜き身のまま地面に刺し、柄に手をかけるボーンフェンサーとは比べ物にならない程の邪気を放つ王冠を頭に乗せたボーンソルジャー一人。


「……これは、レアボスって、奴だな」


 メリーは生唾を飲み込んだ。ゴクリと静寂な空間に響き、アバターには無い筈の心臓がドクンドクンと鼓動を刻み始め、ボスエリアに鎮座するボーンソルジャーを凝視する。と、突然


『やかましいわい!早く入ってこんか!!』


 突如として轟く怒声に体をビクリと震わせ、アリアは声がした方向へ、と視線を向け、メリーは明らかおかしな方向から聞こえた声に警戒を更に高める。


『なんじゃ、ワシが喋るのがそんなに珍しいのか?』


 ボーンソルジャーはカタカタと歯を鳴らし、笑った。



こんにちは、神薙です。今回はお知らせの為にこの後書き欄を使わせていただきます。

この度私は私用で時間がなく、書けなくなってきているので来年までこの小説を休載いたします。本当に申し訳ございません。

また連載しだした際はまた、この元最強をよろしくお願いいたします

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