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5-12

 「これが何だというのかしら?」


 お姉さまが指先で結界に触れると、それだけでバリンと音を立てて結界が破れ呪符が地面に落ちました。


 「そ、そんな!」

 「どういうこと!?」


 周囲の陰陽師たちから驚愕の声が上がります。


 「一体、何をしたの?」


 信じられない様子の有里さんにお姉さまが説明をしてあげました。


 「はぁ。その印籠、元をたどれば作ったのは私なのよ? 私の力で強化された結界が私に破れないわけがないじゃない」


 そこから先は一方的でした。主に天さま(=私)が5人の懐に飛び込んで一瞬で秘孔をついて意識を刈り取っていきました。手に触れる感触から5人全員が女性で、しかも立派なものを持っていることが伝わってきました。


 「あーたたたたたたたたたたた、おぅわったぁ」

 「ま、まだ、もう一人……ひでぶっ」


 すでに周囲の気配は確認済みで、少なくともこの部屋には誰も潜んでいないはずです。ひとまず仙ちゃんの安全は確保されたと見ていいでしょう。


 「もう一人って何のことかしら?」

 「それは多分、これのことかしら」

 「織姫さま」


 奥のドアが開いて中から寝ていた織姫さまが姿を現すと、何か大きなものをこちらに向かって投げ捨てました。どうやらメイド姿の人のようです……


 「雨さま?」

 「勝手にベッドに潜り込んで来たと思ったら、突然泡を吹いて倒れちゃったのよ」

 「貞操帯をつけたままで破廉恥なことをしようとしたせいね。自業自得だわ」


 その後、手分けして6人全員の手足を縛りあげると、有里さんだけ活を入れて目を覚まさせました。


 「う、私は何をして……。はっ、あなたはっ」

 「これは返してもらったわ」


 お姉さまが印籠を見せると有里さんは観念したようでした。


 「さて、聞かせてもらおうかしら。一体どういうつもりでこんなことをしたのか」

 「くっ、仕方ないのよ。こうでもしないと私たちに未来はないの」

 「どういうこと?」

 「千空雷院の貧乳専制体制を打破しない限り、私たち巨乳陰陽師はいつまでも日陰の存在であり続けないといけないのよっ!」

 「「「は?」」」


 全員の視線が一気に美雷さんのほうを向きました。


 「ええええぇぇぇぇっ!」

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