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墨ちゃんに連れられて急いでリビングに戻ると、お菓子を食べながらソファーでくつろいでテレビを見ているメイド服姿の雨さまがいました。
「あっ、ごっ、ご主人さま、これは何かの間違いで……」
「仙狐は?」
「ちょっと待ってください……、ほら、今」
何か言っている雨さまは無視して、墨ちゃんがチャンネルを操作すると仙ちゃんがしゃべっている動画がテレビに映し出されていいました。それはさっきパソコンから見た動画と同じものでした。
「メリーさん、7月7日の恐怖の大王というのは一体何なんでしょうね?」
「7月7日といえば七夕ですけど、僕なんてむしろノストラダムスの予言のほうを思い出してうんちゃらかんちゃら」
テレビのコメンテーターの人(メリーさん?)は相変わらず思い付きで適当なことをしゃべっていますが、そもそもこの動画がテレビで取り上げられるほど注目を集めているということに驚きを感じていました。
「あ、あんな狐顔の幼児体型が私より早くブレイクするなんて……」
後、別の意味で驚きを感じている人(女神様)も1人います。それと、仙ちゃんは狐顔じゃなくて狐だと思います。
「仙狐が行方不明になったのは1か月ほど前。ちょうどそのころに動画の配信もストップしたわ。そして、今再び動画がアップされた。きっと仙狐は1か月間ネットから離れていて、今またネットのある環境に戻ってきたんだわ」
「ネットのある環境と言いましたら」
「例えば六本木ヒルズレジデンスとかね」
お姉さまが言ったのは彦星さまが住んでいるという高級マンションのことです。つまり、仙ちゃんはやはり彦星さまと一緒にいて自宅のマンションに戻っているかもしれないという可能性を指摘しているのでした。
「やはり彦星さまの家に直接お邪魔してみるべきなのでしょうか?」
「でも、何号室に住んでいるのか分からないわ。それにいきなり押しかけて入れてくれるかどうか」
「そうですね」
「墨は何か感じるかしら?」
「近くまで行ってみませんと……」
みんなで頭を悩ませていると、雨さまが足音を立てないようにこそこそと部屋から出ていこうとしているのが見えました。さっきからどうも態度がおかしい気がします。
「雨さま?」
「ひぅっ、ぼ、僕は何もしっ、知らないよ」
「ほー」
お姉さまがジト目になって雨さまをにらむと、雨さまは冷や汗をだらだら垂らして足元に水たまりを作りました。あからさまに怪しいです。
「かぐや姫さまーっ」
雨さまを追い詰めようとしたところで玄関から慌てた様子の美雷さんの声が響いてきました。すると、はっとそちらに気を取られた瞬間、雨さまはどこかに姿を消してしまったのです。
「あ、しまったわ」
「かぐや姫さま」
入れ違いに美雷さんが部屋に飛び込んできました。ずっと走ってきたのか、髪も息も乱れていました。
「倉橋家から挑戦状が届きました」
「倉橋家?」




