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「ん……七夕動画? これって」
「そうよ。七夕牧場と同じ会社のサービスよ」
「織姫さま、元カレの作ったサービスにお色気動画を投稿するとか……」
プレイが高度すぎて、平安時代でもついていけません!
「あれ?」
「ん? 雪、どうしたの?」
「はい、お姉さま、これって……?」
七夕動画のホームページに移って織姫さま以外の動画のサムネイルをなんとなく見ていると、中に興味深いサムネイルを見つけました。
「似てるね」
「うん、これ仙狐だと思う」
他の2人の意見も一致したので間違いないでしょう。
「再生してみます」
画面の再生ボタンをクリックすると動画の再生が始まりました。最初に歌とともに神社の風景が映され、立ち並ぶ鳥居の列の中を通って稲荷狐を大映しにして画面が切り替わりました。
「この歌、仙ちゃんが歌ってるのかしら?」
「なかなか凝ってるわね」
「……」
織姫さまが感想を言わないのは自分の放送と比較しているからなのでしょうか。
歌が終わると狐のぬいぐるみがたくさん置かれた可愛らしい部屋でした。その真ん中にお人形のような女の子が座っています。黄色い狐耳がぴょんと立っているところから、この子が仙ちゃんなのだとわかりました。
仙ちゃんは立ち上がってカメラの前にきました。そして、胸の前で手を握って訴えたのです。
「今日は皆さんにお願いがあります。来る7月7日、空から恐怖の大王がやってきます。大王は私を狙っているのです。誰か私を助けてください。これからしばらく私は大王から逃げるために姿を隠します。しばらく皆さんに会えませんが、私のことを忘れないでね」
どうやら仙ちゃんは織姫さまとは違って本物のネットアイドルなのでしょう。閲覧数に数字が6つも並んでいて、もうすぐ7つに迫りそうな勢いです。
映像はそのあと仙ちゃんがいくつか歌を披露して終わっていました。
「これ、いつの動画なのかしら?」
お姉さまがカチカチと画面をクリックするとこれまでの仙ちゃんの配信履歴が表示されました。
「ここのところは毎月2、3回の配信が続いてたのに、1か月ぐらい配信が停止してたところで昨日、この動画がアップされたのね」
「姫さま、姫さま」
と、そこへメイド服姿の墨ちゃんが飛び込んできました。
「あ、墨、いいところへ……」
「仙ちゃんがテレビに出てます!」




